「まずは情報ゼロで挑んで、2回目はツッコミどころを探してみよう」片思い世界 Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
まずは情報ゼロで挑んで、2回目はツッコミどころを探してみよう
2025年の日本映画(126分、G)
片思いを抱えた人々の錯綜を描いたファンタジー映画
監督は土井裕康
脚本は坂元裕二
物語は、ある学校にて、合唱コンクールの練習が行われているところから紡がれる
音楽劇の台本を書いている美咲(太田結、成人期:広瀬すず)は、お腹を空かして鳴らしてしまっていた
それに気づいた典真(林新竜、成人期:横浜流星)は、彼女のために外へと買い物に出掛けてしまう
その後、合唱団のメンバーが入ってきて集合写真を撮ることになったのだが、美咲は典真がいないことに気づく
そして、教室のドアが開き、典真が戻ってきたと思った美咲が声を出すと、みんなは釣られてそっち側を見てしまう
だが、そこに入ってきたのは典真ではなかった
物語は、この時点でタイトルコールが入り、その12年後へと物語は展開していく
都内の広めの家に住んでいる美咲は、合唱団で一緒だった優花(𠮷田帆乃華、成人期:杉咲花)、さくら(石塚七菜子、成人期:清原果耶)と一緒に住んでいた
美咲は会社員として働き、優花は大学へと進学する
そして、さくらは水族館の飼育員として働きながら充実した生活を送っていた
美咲は通勤で出会う青年のことが気になっていて、さくらは「早く告白すればいいのに」と焚き付けるものの、美咲は体良くスルーしていた
そんなある日のこと、優花は街角で自分の母親(西田尚美)を見つけてしまう
母親の今の生活が気になって追いかける優花は、幸せそうに花屋で働いているのを見て安心していた
物語は、彼女たちの正体というものが「およそ3分の1くらい」のところで暴露され、その後は、その構成を利用した「交わらない相手」との交流が描かれていく
その全てが「片思い」となっていて、それは恋愛には留まっていなかった
優花の母親の作業員への想いもそうだし、作業員が抱えている感情というものも一方通行のようなものだろう
そこに交わりを求めてもほんの少しも交わらないものであり、かと思えば語らずとも交わってしまうものもある
片思いというのは、相手にわかってもらおうと思って伝えるけれど伝わらないものを指すのだが、交わらないと思い込んで伝えようとしないものも片思いと言えるのかもしれない
それを考えると、誰しもが片思いを抱えながら、それを伝える手段というものを模索していて、それが暴力的なものにしかならない人間もいるということなのかな、と感じた
いずれにせよ、映画のレビューどころかXを検索するのもやめた方が良い作品で、2回目は「それをわかった上で設定を楽しむ」というものだと思う
映画を見慣れている人ならかなり早い段階で正体がわかるのだが、それがわかっても面白いと思うので、正体にアクセスしようとする科学的な感じとかを興味深く考えるきっかけにもなるのかな、と思った
ラストでは、あの時の服に袖を通す3人が描かれるのだが、この3人だから何とかなったビジュアルのように思えるので、それありきのキャスティングなのかな、と感じた
ともかくネタバレなしの方が良いと思うので、何とか工夫して「ネタバレなしで鑑賞した人にはわかる書き方」を工夫してみたのだが、鑑賞前と観賞後に2回読んだ人はコメントしていただければ、今後の指針になるのかな、と思った
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