法廷遊戯のレビュー・感想・評価
全667件中、321~340件目を表示
”とにかく杉咲 花がスゴい”
1.
とにかく杉咲 花がスゴい。
特に、折本 美鈴が刑務所で豹変するシーンは鳥肌が立った。
初め美鈴に対しては、静かでおとなしい女の子という印象。物語が進むにつれて、久我 清義(永瀬 廉)の前だけで見せる姿から、したたかに生きていることが分かる。ラストにかけて、彼女が清義に対し、狂信的なまでの信愛を抱いていることが分かっていく。
一貫して美鈴の精神的な幼さが感じられ、施設での経験と彼女の不安定に感じられる精神性が容易に結びつく。美鈴という人間を魅力的に描き出す、杉咲 花に対してただただスゴいという感想を抱いた。
2.
探偵なのか、占い師なのか、ヤバめの何してるかわからないおじさん役 大森 南朋の公式コメントが面白い。
大森さんの演じた男は、振り返ってみると何だったかよくわからない狂った人間であった。ただ、劇中ではインパクトが非常に強かった。そんな役を演じていた大森さん自身も掴みどころのない役を何も掴むことができないまま演じていた、という所に面白さを感じた。
正義とは
原作を読んでから鑑賞。
正義とは何か、メインの3人が三者三様の正義を貫いていて、考えさせられた。
杉咲花さんの憑依型演技にも引き込まれたし、永瀬廉さんの抑えめな目と表情で魅せる演技も素晴らしかった。
久しぶりに上質な日本映画を観た
たった97分の鑑賞時間の中で過去、現在、そして観た者各々が感じ取り考察を広げるための余白を持たせた未来。
冒頭からこの作品の持つ世界観に引き込まれた。過去の映像から始まり徐々に明らかになっていく久我清義、織本美鈴、結城馨の3人の複雑に絡み合う真実に驚愕した。法律とは一体わたし達の何を守り、何を守れないのか司法にも斬り込んだ内容となっていて深く考えさせられた
特に3人の演技は心情を上手に表現されていて心を掴まれた。
3人それぞれの境遇に立った視点から考察してみたいと思わせてくれた映画であった。
そして、最後エンドロールで流れてきたKing & Princeさんの主題歌「愛し生きること」が見終えた後の複雑な感情を優しく包んでくれているようでこの映画に非常にマッチしていて更に感動した。
何度も劇場に足を運ぶことになりそうだ
法廷遊戯
今の世の中に重なり罪とは何だろうと考えさせられました。そして冒頭の無辜とはに結びつきます。父母と幸せな時間があった馨、施設で
出会った清義と美鈴。三人が自分の身を守るためではなく大切な人を守ろうと生きている姿に胸が痛みます。構成も素晴らしくて視点が変わるとまた違う考えにも辿り着けるので何度も観たくなりました。
一度しか観ないのはもったいない映画
一度目は泣かなかったが二度目は自然と涙が出た。
フラットな状態で観ると宣伝のようにノンストップ・トライアングル・ミステリー。
面白かったなと言った感じ。
ただ、結末を知った上で観る2回目は違った。
清義や美鈴のこれからに想いを馳せてしまうほど、登場人物が愛しくなるし、バッドエンドのようで私には希望を感じさせる終わりだったように思う。
それぞれの短いセリフからお互いへの思いの深さが伝わったし、永瀬廉の儚くも強さと優しさを持ち合わせた表情が希望を感じさせ、良かった。
その後に流れる主題歌「愛し生きること」はただ聞き流さないで欲しい。
歌詞を噛み締めて聞くと歌の中に映画のその先の2人がいるように感じ、主題歌を聞いて初めて完結する感じがあった。
最初1回目を観た時は、原作の小説を読んでから2回目、と思っていたが先に2回目を観てしまったら原作を読む前に3回目も観ておきたくなったので、最低4回は行くことになりそうな予感がしている、そんな映画だった。
全てが良い
俳優達の演技力に加え、リアルな音の演出、映像も色調などにこだわって効果的だった様に思う。
原作はもっと行ったり来たり、登場人物もまだまだいるけど、上手くまとめたり割愛してスッキリと間延びや無駄がない感じがした
3回見たけど見るほどに思いが深くなる作品です
おすすめ。考察をしたくなる作品。
初日に鑑賞。テンポよく展開するストーリーは心地よく重すぎず、上映時間も長くなく上手くまとめられていて見やすい。主要キャストの演技力も魅力のひとつ。どの人物に視点をおくかで観終わった後の余韻の感じ方が変わるかもしれない。3回観たがまた気になる場面があるので観に行きます。
3人の各々の正義が全て愛する人のためで どちらの立場で考えるかによ...
3人の各々の正義が全て愛する人のためで どちらの立場で考えるかによって見方が違うんだなと思う 色々考えさせられる素晴らしい映画でした
濃いミステリーでもあり3人の人間物語
見終わってしばらく動けないくらい考えさせられる作品
ミステリーとしても、そうなるのか!という展開で面白いがそれ以上に3人の人間物語、愛情の物語だと感じた
杉咲花さんの狂気的な感情の爆発する演技がすごかったが、それを終始受け、自分の気持ちはほとんど話さず心情はセリフではなく僅かな目の動きや表情で如実に伝える永瀬廉さんの受けのお芝居に惹き込まれました
自信と希望に満ちた目から真実に近づき絶望の色が濃くなっていく過程が大袈裟ではなく繊細なグラデーションで陰鬱を帯びて憔悴していく目や声音、そこからの決意により振り切れたようにさっぱりした微笑み…
永瀬さん演じる清義の想いが伝わってきました
最後の清義の言葉とその後の主題歌の歌詞で、それまで積もっていた感情が溢れ涙が流れました
また観に行きたいです
呆底遊戯
永瀬廉がビジュアル系ポーズを取るポスター、蝋燭を持ち芝居がかった無辜ゲーム、キンプリの甘い主題歌…
上映時間からも予感はしていたが、想定以上でした。
大袈裟通り越してアタオカな藤方、突然の『We Will Rock You』など序盤から演出がヒドい。
何故か模擬法廷から変わり、裁判上でも何故か「無辜ゲーム会場」と呼ばれる洞窟は、何故か事件現場だけ明るい。
“無罪と冤罪”のくだり、審判者を任されるほどの馨の意見にあんなプークスクスってなりますかね。
名前すら知らない大森南朋(佐沼+権田=沼田という安直さよ)をアッサリ見つけるご都合主義。
ウイルスの件も、原作では佐沼の底知れなさがあってこそなのに、沼田は漢字すら読めない。
清義が沼田に言った「面白いもの」も、沼田が裁判員に放った「許さない」も未回収。
人物やその関係性、特に清義と美鈴については動機の説得力に直結するのにまったく掘り下げられていない。
喜多の行為のエグみを描写せず逃げたせいで、痴漢冤罪への同情すら湧かず…
サクとトオル、権田のカットは予想通り。
盗聴犯特定の流れは、原作では内部にいる発想がない清義がアホ過ぎたので改変されてよかった。
(ただ、美鈴を連れて乗り込むのはどうだろう)
駅でのモメ事に誰も注目せず、清義の行為に目撃者がいない不自然さは、映像化でより強調されてしまっていた。
奈倉が准教授から教授になってたのは柄本明な時点で想定してたし、物語上はどうでもいい。
でもそのどうでもいい部分をわざわざ変えたのは恐らくキャスティングありきで、つまりそういう作品なのだろう。
“呆”れが“底”をつくお“遊戯”作品。
深みや重さ、主題の強さなど色々と犠牲になったが、あの尺で纏めきったのは評価します。
97分に凝縮されたミステリ
清義と美鈴の過去、馨の過去、過去の真相、真犯人の意図、その意図に載ったもう1人の真犯人。真実が徐々に明かされる過程が見事。中盤まで殆ど語らない美鈴が、感情を爆発した終盤の杉咲花さんが素晴らしい。黙秘中の眼差しも、佐久間悟(筒井道隆)に向ける敵意の表情も見事。優しげな永瀬廉くんもハマり役。お花ちゃんと北村匠海くんの共演で「十二人の死にたい子どもたち」も想起したが、本作の方が何倍も完成度は高い。ただ個人的に、以下の2点はスッキリしなかった。
⚖️
①馨は命かけすぎ
作中で馨は「殺人未遂」を意図していたとも、美鈴に殺されると覚悟があったとも語られる。いずれにせよ、父の無実を法廷で証言させる為に命を賭ける。しかし、墓に遺したUSBで清義は自首を決意する。ならば、司法試験を現役合格する頭脳をもってすれば、ここまで極端な手段をとらずとも告発できたのでは? 馨の生き様は現実味が薄く、ミステリの為の絵空事に感じる。
🗡️
②罪を重ねた美鈴が裁かれない
恩人の清義を護れない事で、美鈴も罰されはする。ただ、悟を陥れた事も、馨を殺した事も法的には裁かれない。それこそが、馨の主張する司法の欠陥だとしても、最も罪が重い者が裁かれない展開はスッキリしない。
思っていたよりは重くない
予告では難しそうな映画かな?って思ったのですが、そこまで難しくなくミステリー作品をあまり観ない私にも分かりやすかったです。
演者さんも若いですし、高校生や大学生の方だともっとスっと入り込めるかもしれません。
法廷と聞くとなんとなく尻込みしてしまいそうだけど、軽い気持ちで観てるのも良いかもしれません。
私(40代)は若い子におすすめだと感じました
暗い内容だけど、演者さんが若いので爽やかさがありました。
杉咲花ちゃん演技は狂気じみててさすが!と思ったのですが、もう一歩踏み込んたその先を見せてくれてもよかったかも。
少しづつ明かされる真実が切ない
予備知識なく、評価が高かったので見ることにした映画。
題名から法廷劇かと思っていたけど、実はそうではなかった。いい意味で裏切られたなあ。
ロースクールで開催される無辜ゲームという最初のくだりで、○○ゲーム系は食傷気味だったので、まぁたこの手のヤツかとちょっと引く。しかも、模擬裁判にもかかわらず証人のみの告発と裁きという無辜には程遠い成り行きが不安を募らせる。
さて、いくつかの不穏かつ小さな事件があり、大森南朋の盗聴事件で最初のセクションが終わる。
数年たって、北村匠海演じる薫は研究者に、永瀬廉演じる主人公セイギと杉咲花演じる美鈴の運命が大きく動く。
薫は胸にナイフを立てられ、美鈴は現場に血まみれで立ち、そこをセイギが発見する。
美鈴はセイギに「無実の主張」と「弁護を依頼」する。
セイギが調査するうち、美鈴の意図と、薫の書いたシナリオが明らかになる。
悲しすぎる。
何となく「白夜行」を思い出した。
でも、きっかけになった美鈴とセイギに起きた事件は、時代とはいえテンプレ的なのが残念。そう、この話はどこか既視感のある事件を「冤罪と無罪」で繋いだ古くて新しい話なのだ。
相変わらず杉咲花の振り切った演技は「キモチワルイ」し、北村くんの親友感と悪意の同居した演技は名の通り巧み。
永瀬廉は主役にしては暗いし、終わってみれば十代の時に犯した罪で薫に裁かれるわけだ。
勝者はおらず、「ワタシが清義を守る!」と言った美鈴は、カレの正義の心による「裏切り」によって果たせなくなる。最後の美鈴のこう笑は諦観をよく表していて見事。
ただ、有名俳優が出てることで先が見えるキャスティングや、原作は知らないが恐らくエピカットにあったんだろうなという性急さが感じられたのが残念
この脚本で見せ場をつくる杉咲花がすごすぎる
オープニングからの戸塚純貴のキャラ設定と演技の演出がおかしすぎて、引くんだよね。何を描きたいんだっていう。無辜ゲームも小説で読んだら面白いのかもだけど、観てると「なんじゃ、こりゃ」でしかないの。
その無辜ゲームで「犯人は戸塚純貴だ」とズバリ言い当てるんだけど、なんでだったんだろうね。なんの証拠もなく思い付きで言ったようにも見えたけど、超能力持ってるのかな。
そして年は過ぎて、北村匠海に呼び出されて無辜ゲーム会場に行ったら、大変なことが起きましたと。ここから「なんで?」「なんで?」ということが続くんだけど、法廷のシーンで「そういうことだったのか」と分かるのね。
この話は、この部分だけで、できてるね。
検察に冤罪を認めさせるには、判決が出ている事件について、法廷で語るしかないということで、色んな技を出してくんだよね。ここが「なるほど」「すげえ」と思うの。
そして、この作品は、本当に、そこだけ。
あとはドンデン、ドンデンやりたくて事情を作っていくんだけど、その事情が悲惨。
作者が力量に欠けるがために、悲惨な事情を負わされた登場人物は可哀想だよ。
これは脚色も難しかったろうね。ミステリは人物の内面を描いたりしないから、そこを描こうとすると、おかしくなっちゃうだろうし。
そして、その話を、適切でない演出でさばいていく。
これは永瀬廉のファン以外は観るのがきつい。
そんななかで、ラストの留置所での杉咲花の演技はいいね。
話の流れ関係なく、与えられた設定で「やって、みせて」と言われてやってみせた感じがする。
脚本や演出が今ひとつでも、最高の役者を揃えればなんとかなりそうだなと思ったよ。
本作は、基本の演技レベルは永瀬廉にそろえて、脇を固めるために名優を使ってるから、そこまで「演技を観てれば、それでいい」という作品ではないよ。
全667件中、321~340件目を表示