「何かと粗が目立つ法廷サスペンス。」法廷遊戯 レントさんの映画レビュー(感想・評価)
何かと粗が目立つ法廷サスペンス。
学生同士で行われる模擬裁判のような遊び、無辜ゲーム。この無辜ゲームがおそらく後半の法廷劇で伏線として生きてくると思ったんだけど、生きてたかな。そもそもこの無辜ゲームが本作に必要だったのかさえ分からない。結局本作がやりたかったことが何なのかがわからない。
本作のメインストーリーは清義と美鈴の共犯関係、そしてその二人によって父を奪われた馨の復讐劇。
馨としては父の冤罪を晴らしたいがためにその原因となった二人を巻き込んだ。美鈴の虚偽告訴による父の冤罪を晴らすために。
しかしそもそも元となる冤罪事件にかなり無理がある。警官であった馨の父佐久間は車内で痴漢冤罪による恐喝事件を捜査していた。それを当然所轄署は承知してるわけだし、その容疑者として拘束した女子高生が痴漢されたと言って周りが彼に嫌疑を抱くだろうか。この点がどうしても引っかかる。細かいことかもしれないがこういう法廷サスペンスは見る側も頭をフル回転させて見るわけだからどうしても細かなところが気になってしまう。
そして、公開法廷で父の冤罪を晴らすために事件をでっち上げたわけだけど、美鈴がなぜ馨の誘いに乗って裁判を受けたのかがわからない。自分の無実の証拠は映像に残ってるのだからわざわざ裁判に至る理由もない。清義の犯した傷害罪が時効になってないということで彼をかばうために裁判したということか?証拠は馨の目撃証言だけだが、事件当時馨はそのことを告発していない。日記に残してあった点は証拠能力ありとして認められるかもしれないが、そのデーターを馨の身に万が一のことが起きた保険として警察やらマスコミに自動的に送る手はずもされてなかった。あえて清義に見つけてもらうために佐久間の墓に置かれていただけで。これは清義自身に自分の罪と向き合えというメッセージなんだろう。結局美鈴が裁判を受けた理由はわからない。うーん、なんか見逃したのかな、でも再度見るほどでもないしなあ。
冤罪事件はこの日本でもかなり深刻で刑事裁判におけるこの問題を作品テーマとして訴えたいのは理解できる。ただ、本作では先の佐久間の冤罪に無理があるためにメッセージとして伝わりにくくなっている。
肝心の司法手続きのどこに欠陥があるのかが具体的に示されていないからだ。例えば現在の刑事裁判手続きでは、検察側がもつ証拠の開示請求が全般的に認められていない。認められるのは公判前整理手続きが行われる場合のみであり、その公判前整理手続きでさえ行われるのは全体の事件の2%に過ぎない。
検察側が有罪立証する証拠とは別に無罪の疑いを生じさせる証拠を握っている場合、弁護側はそれを出すように請求できないのだ。現時点では裁判官や検察の裁量に任されているだけである。だから検察側は有罪を主張する自分達が不利となる無罪を証明する証拠を意図的に隠すこともできるのだ。これによって多くの冤罪事件が生じている実態がある。そういう具体的な問題点をできれば指摘してほしかった、原作者は司法試験合格者らしいけど実務にはついてないのかな。
内容もいまいちだが、演出も難ありだった。法廷サスペンスと人間ドラマ、人間ドラマの方に重きを置いたせいなのか途中演出がもたついてる感じがした。杉咲花や大森南朋の過剰な芝居が少々ノイズにも。作品全体的にテンポはよくない、接見室での杉咲花のための演技とかも長すぎる。
そういえば清義と美鈴の関係を見ていて東野圭吾原作の「白夜行」を思い出した。女が幼いころ性的虐待を受けてからその加害者の息子である男と犯罪を共に行うようになるという内容で、本作と異なるのは女が男を結局いいように使い捨てて、自分は成功を手にするという内容だった。
奇妙な共犯関係という点では似てるし、偶然にも同じ監督によって撮られていた。ただ「白夜行」も本作もやはり演出にキレがなかった。
原作は受賞もしていて面白いのかもしれないが、本作はさほど面白いとは感じられなかった。
どんでん返しも特に驚くようなものではないし。一番驚いたのは佐久間を筒井道隆が演じていたということ。最後までどこに出てるのか気づかなかった。若いころの面影さえなくなるほど老け込んでしまったことに一番驚いた。
↑いっぱいコメントすみません。
共感が消えていまして失礼いたしました。他の方のところでも、最近消えていて、レビューが一つ無くなっていました。『ハウス•オブ•グッチ』です。本サイトの基準が全くわかりません🦁
こんばんは♪
コメントしていただきましてありがとうございました😊
本作鑑賞中はおもしろかった、ですが、しばらくしたら、色々疑問が出て来て、筒井道隆さんの役、おっしゃる通りです。本人の言い分なども無く。ですが、レントさんと疑問点や違和感について共感できて良かったです。皆さん、褒めちぎりなので。🦁
なぜかフォローが外れてしまってました。失礼いたしました。🙏
『白夜行』は本を読んでいます。
最初韓国版→本→ドラマ•日本版←これが一番しょうもなかったです。 おじゃまいたしました🦁
こんばんは♪
コメントありがとうございました😊
少し前に、‥夜が明けて‥も高評価なので観に行ったら、穴ボコだらけなのに皆さん感動❗️同じくその作品のみの方が多かったですが、フォロワーの方も概ね良い評価、本作もですよ。なぜか⁉️どの仕事でもですが、弁護士なんて
経験も重要だと思うのに、こんな子たちだけで作るのも❓❓❓
↑う〜ん、難しい❗️作品が穴ボコだらけなのはわかりますが、レントさんのレビューを再読します。+コメントも期待します。
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私程度の今朝のコメントのお返事、ソン•イェジンだからでは❓
ああ〜情け無い程、低い。
uzさんヘのコメントと、『白夜行』のレビュー待っています🦁
こんにちは。
裁判を受けた理由としては、
無罪となるには証拠となるビデオを公開しなくてはならないが、そこには過去の告発がある
→清義の時効はまだきておらず、下手に編集などしたら証拠能力そのものがなくなる
ということかな、と解釈しました。(それでも美鈴が情報を隠しすぎですが)
正直分かりづらいですし、仰る通り粗が目立つ作品だったと思います。
最後の5行も共感❗️
‥‥でも再度観るほどでもないしなぁ。←そうそう。前評判の割に。
『白夜行』については、日本版、もひとつです。韓国版の方が、ゾクゾクしてお薦めです。
検察が持つ無罪となるべき証拠の隠蔽を扱ったドラマ、観てみたいですねぇ❣️レントさん、いつもながら賢い❣️いろんな知識をお持ちですね。ありがとうございました😊🦁