「誰にも共感できないがそれが魅力」法廷遊戯 しゅんさんの映画レビュー(感想・評価)
誰にも共感できないがそれが魅力
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母校がプロモーションに使われたため縁を感じて鑑賞しました。
見終わった後、「楽しい」という感情になる映画ではなく、考えさせられる映画です。
特筆すべきはキャストの皆さんの演技です。
素晴らしく、特に杉咲さんは他作品も観てみたいと思うくらいでした。
狂気の役が本当にあっていました。最後の永瀬さんの目と杉咲さんの目が記憶に残っています。
いつもは誰かに感情移入を図らずもしてしまうタイプなのですが、今回はタイトルにもある通り、私は主要三人のどの方にも感情移入せず、共感できませんでした。
「誰が正義か」、明快ではありません。
個人的には結城にも共感しきれませんでした。
やっていることは脅迫ですし、「自分にも父親の事情があるように、2人にも何か事情があったかもしれない」、そう思い至らず恨みに走ったのも、同情はしますが共感まではいかなかったです。
「冤罪」は難しいテーマです。本当に神様しかわからない。
ニュースでさまざまな事件が報道され、それを元にSNSなどで意見が広がります。
当事者でない限り、全てを知ることはできません。
この映画は、他所で起きる出来事に対し、一歩俯瞰的に見る必要があることを思い出させてくれました。
追記
主題歌が「愛し生きること」だそうですね。
音楽もタイトルも映画にピッタリでした。
皆、自分ではない誰かへの「愛」が向けられていた作品でした。
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