劇場公開日 2023年11月10日

「無罪と冤罪」法廷遊戯 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5無罪と冤罪

2023年11月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

知的

う、嘘だろ!?まさかの予告詐欺じゃないだと!?
「ドクターデスの遺産」の監督だし、予告は大袈裟だし、不安要素でいっぱいだったのに、まさかの今年1番のミステリー。ドラマ「リーガル・ハイ」ぶりの法廷ドラマ大傑作。なんということでしょう。しばらく時間がたった今でも、興奮が冷めません。

正義とはなにか。
常にこのことを問いながら、無理のない展開で観客を驚かせてくれる。二転三転どころか、四転五転とまで言ってしまった予告に若干引いていたけど、まんまと騙されちゃいました。とても「ドクターデスの遺産」の監督だとは思えない、演出力の高さ。この前はたまたま失敗しちゃったんだね...。原作小説も評判が高いし、相当面白いんだろうな。映画を見て原作を買うという行為、最近はあまりしてこなかったのですが、今回は確定です。

人間ドラマとしても抜かりなく、役者の良さを最大限活かしながら見事なラストを見せてくれる。100分に満たない短尺なのに、びっくりするほど濃厚。これだよ、これ。映画はこうじゃなくっちゃ。記者の野望や咳き込むばあさんなど、この尺では収まりきれなかった人物もいたが、多くの登場人物を無駄なく使っていて後味爽快だった。永瀬廉の出る映画は面白い。いい主人公しますもん、彼。頭脳派な北村匠海は新鮮で良かったし、柄本明や大森南朋といったベテランも絶妙な役どころだった。杉咲花はお得意のお叫びを披露。スゴすぎて笑っちゃうよね。

法律や刑事事件についてこれ以上なく深く描かれています。どう足掻こうと、我々は全てを知ることは出来ない。ほんの一部で判断しなくてはならない。北村匠海の言う、無罪と冤罪の違いはこの映画の全てであり、原作者が1番に伝えたかったことだと思う。弁護士、容疑者、そして死者の3つの視点から描かれる1つの事件。事件の動機にはいくつもの事件がある。目に見えるものが真実とは限らない。コンフィデンスマンJPの名言が本作にもピッタリ当てはまるのです。

この手の映画が好きな私にとっては、もうたまらなくワクワクしました。心理をついた法廷ドラマとして、主人公含めた3人の成長物語として、文句なしの最高の映画でした。大コケを予想していただけに、個人的には大満足。もっともっと見たいな。キンプリ永瀬廉。圧力に押しつぶされず、俳優活動頑張ってください。

サプライズ
クリストフさんのコメント
2023年11月20日

邦画にありがちの煽り広告、今回は満更でも無い感じでした。

クリストフ
humさんのコメント
2023年11月18日

ポスターのイメージを覆す?そんな感じがありましたね。
私もムコゲームのはじまりあたりはちょっと苦手なやつかと戸惑ったんですけれど。
いや〜ミルフィーユのように重なる間から滲み出る味わい…。
いい意味で、おっしゃるように予告詐欺でした。

hum