「人物像の古さが好き。」法廷遊戯 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
人物像の古さが好き。
古いと思うんですよね、やや。人物像が。昭和どころか、江戸時代じゃね?って言うくらいに。だってですよ。これ、まるで仇討ちの構図じゃないですか?
でですよ。
そこが良いと。
司法制度に真っ向から立ち向かい、父親の無罪を立証するには、美鈴を被告として法廷に立たせるしか無く。罪悪感を使って清義に罪を償わさせるために、日記を読ませる。
これがシナリオの骨子ですが、見応えありました。捻りすぎず、突拍子でも無く、繋がりも良く、素直に頭に入って来ますもん。
ラスト。
「僕たちは、またここから始める」
清義は、判決公判の直前、美鈴の元を訪れ弁護士バッチを外し、コトの真相を美鈴に問い詰めます。
馨は「清義の償いは美鈴が最も望まない形で実現する」と予言。「目には目を」は復讐法では無く、償いの原則。命を奪ったなら命で償う。
法廷で判決の主文を聞いた美鈴は狂った様な笑いが止まらなくなります。清義が自殺すると考えたから。
大学で、議論を交わす馨と清義。それを眺める美鈴。
「僕たちは、またここから始める」とは、涅槃で語り合う2人と、それを見守る美鈴。
なのか。
馨の仕掛けた復讐、司法制度への問いかけに向き合う清義と、それを眺める美鈴。
なのか。
ここは見る人の解釈に任せる。
って事で。
良かった。
とっても。
これは邦画の年一候補です。
もう少し、人が入っても良いと思うけどw
順当に考えるなら、セイギは自首ですが、「目には目を 歯には歯を」と考えるならそうかもしれませんね。
多分時間が足りなかったのでしょうか、薫の父親の描写が薄かったかな。自殺するの早い。
罪悪感を使う復讐と予言、たむけてくれと頼んだ花。本望を達成するための策まで整え、覚悟ある意志が貫かれたつながりは、あの狂気の笑いを呼ぶ…
なるほど。
bloodtrailさんの考察にぞぞっとしました。
美鈴の視線の、さらにうしろにあるような視線のラストが印象的でした。
願わくばそこで沈黙の間を長く感じたかった気もした作品でした。
ロースクールをやめていったあいつの大根演技には、苦笑いしかありません。
まさか、監督の演技指導なんてことはないですよね。
こんな演技にOK出さないで欲しいです。