「3人が貫いた正義に考えさせられる作品」法廷遊戯 ringoさんの映画レビュー(感想・評価)
3人が貫いた正義に考えさせられる作品
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モノクロの駅のホームでのシーンからスタートするが原作を読んでいない限りいつのなんの場面なのかいまいち分からない。
無辜の説明のナレーションでぐんっと法廷遊戯の世界へ進んでいく感じがした。
映画の世界観に一瞬で惹き込まれる無辜ゲームのシーンは舞台が洞窟ということもあり不気味さと異様な空気感があった。
暴かれる清義の過去と開かれる無辜ゲーム。
そこで真相を明らかにしていく清義に弁護士の素質を感じ、新たな謎もうまれる。
この物語は久我清義、織本美鈴、結城薫と言うロースクール同級生の3人がそれぞれの過去を抱えながら自らの正義に気付いたり、それを貫こうとする物語だが、現実はそう簡単に思い通りに正義は貫けないことを痛感させられる視聴者にも委ねられている映画。
主役3人のそれぞれの役の性質をしっかり理解した上で細やかに時に大胆に描かれている演技が素晴らしかった。
決してハッピーエンドではない。
誰の目線で見ても確実に救われた人物は見当たらない。
重くのしかかる作品のラストシーンがテラスでのシーンであったこと、エンドロールに流れる主題歌の儚くも強く優しい曲がどこか救ってくれた印象を感じた。
主人公の3人それぞれの目線で見るとまた違った感情が湧き上がり、苦しさ、絶望感、面白さなど見終えた後の心持ちもかなり違う。
ぜひそれぞれの目線でも楽しんでみてほしい作品。
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