「ハマの革命」ハマのドン regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
ハマの革命
カジノ誘致問題に揺れた2021年の横浜市長選で反対派の急先鋒に立った政治家・藤木幸夫。地元政財界に顔が効くどころか、山口組三代目組長の田岡一雄(美空ひばりや田端義夫も所属していた神戸芸能社の社長)ともつながりがあったという豪傑。
当初はカジノ誘致に理解を示していたが、「ギャンブル=博打は人をダメにする」と反旗を翻す。「日本にカジノは必要はない。やりたかったら海外に行けばいい」。面白いのが、海外のカジノ建築を手掛けてきた日本人デザイナーの村尾武洋までもがカジノ構想反対を訴えている点だ。
確かにカジノがある町は税収が上がる。ラスベガスがあるネバダ州が全米でも屈指の福祉施設が充実した都市なのもそれが理由だ。遠い目で見ればメリットがないわけではない。でも藤木は今の視点で反対を訴え、市民も決起する。まさにハマの革命。日本の裏も表も知り尽くした93歳(2023年現在)が吠える姿は、失礼ながら観ていて楽しい。
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