「スベンニャ〜」ヒッチハイク ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
スベンニャ〜
昨年の衝撃作「きさらぎ駅」に続く、都市伝説をホラー映画にする試み、この手の話が好きな自分としては楽しみな一本でした。エンドロールを除けば70分という超短い作品、この前後に映画を詰め込んでも行けるという強行作戦を実行してしまいました笑
思ったほどの恐怖が感じられず、かといってド派手なコメディに振り切っているわけでも無い、かなり中途半端な作品になっていました。
ヒッチハイクしたキャンピングカーがどう考えても怪しくて、案の定危険なカニバリズム一家に襲われる人たちの話です。2ちゃんねるの元ネタ、しっかり考えられていて読み応えがありました。
その実写となると中々難しいのではとおもっていましたが、その予感は的中し微妙な出来、テンポが無く淡々と進んでいくのがどうにも乗り切れなかったです。
一家の大合唱のシーン、これは抜群に不気味で良かったです。息の合った綺麗な声から太い声のハーモニーから染み渡る狂気は観ていて楽しかったです。
一家のキャラクター性はとても良くて、アカとアオ姉妹の相反する物への執着がかわいい狂気に様変わりしていて好きでした。
追いかけっこが始まるって感じまでは良かったんですが、いざ始まってみるとたまたま見つかったと思ったら逃してくれたり、何気なくジョセフィーヌが銃をぶっ放してみたり、アカとアオの姉妹がナイフを振り回してみたり、ジョージが斧持って闊歩したりと雰囲気だけでそこまで血みどろにならないのがもったいなかったです。
最後のトイレ小屋での攻防もなんだかパンチが足りず、姉妹は健がジョージ弟から奪った斧で一撃で殺したのと、ジョセフィーヌが放った銃弾を食らって死亡(どう考えても娘に当てる事は阻止できたはずなのにぶっ放してて笑いました)し、ジョセフィーヌも銃を奪われて顔面に1発でノックアウトですし、ジョージは立ち往生してたら撃ち抜かれるというなんだか呆気ない全滅でした。
色々終わったかと思いきや、涼子が何やら不穏な事を言い出して、そしたら死んだはずの一家が全員復活し、なんだか取り囲まれて、そのまま闇に飲み込まれて、一家の一員に…という終わり方もしっくりこなかったです。死んだのか死んでないのかも曖昧ですし、完全に雰囲気だけ醸し出して、雑に終わっていった感が否めませんでした。
ヒッチハイクを決行する瞬間に全員IQが0になるのが不思議でたまらなかったのですが、最後の方の種明かしで幻覚的なものに誘われて、キャンピングカーに乗るという形になっていたので、そこら辺のモヤモヤは後出し感はありましたが解消されたのでまだ良かったです。
期待していた分の肩透かしはかなり大きいですが、1時間と少しのホラー映画を観たいなというピンポイントな時にはピッタリだと思います。今年は「リゾートバイト」の映画化があるので、そっちに期待したいと思います。
鑑賞日 7/10
鑑賞時間 19:00〜20:25
座席 E-3