AIR エアのレビュー・感想・評価
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夜明けを追い求める密度の濃い熱意が良い。
◯作品全体
本作のような何かの目標にのめり込む人物を描く時、多くの作品では目標達成に至るまでに「主人公の躓き」を挿れる。よくあるのはミスやライバルからの妨害、あとはのめり込むことで家族を疎かにする、と言った描写だ。それによって目指すべきものに辿り着くまでの困難さを表現するわけだが、本作ではその「主人公の躓き」が物語を左右しない。
特に特徴的なのは、主人公・ソニーの家族についてほとんど語られない部分。中年男性の主人公にありがちな妻や子との対立などは一切なく、そもそも結婚しているのか、していたのか、子供はいるのかなどの情報がない。ソニーの情報で出てくるのはジョーダン母に語った、自身の母がずいぶん前に亡くなったということだけだ。上司のロブは自身が離婚していて、別居の子供がいるという話をするにも関わらず、だ。
ではなぜそれを描写しないのかといえば、おそらくソニーの物語にしたいのではなく、マイケル・ジョーダンと出会ったナイキを描きたいからだろう。薄暗い中でソニーが見つけたマイケルという輝きと、それに魅入られたナイキという構図を大事にしているからこそ、焦点がブレる要素を入れなかったのだと、そう感じた。
そしてそれによってソニーの屈託のないマイケルへの熱量と、それを信じるナイキ職員の「チーム感」が際立つ。中年男性の集まりでありながら、業界の常識すら破ってマイケルの背中を追うその熱意。そこに物語の密度を集約させた本作は、学園祭の準備をしているような「楽しい徹夜の時間」に熱を入れ、没頭するソニーたちの姿のようにも通じているような気がして、とても魅力的だった。
ナイキとしては株式市場で上場し、安定した経営を進めたいと思う時期。お腹に脂肪がついた中年男性のような動きの鈍さを覚え始めた時期とも言える。その時期にさらなる一歩を進めようとするソニーたちの若さに、なんだか励まされたような気がした。
◯カメラワークとか
・淡い青色が画面にかかっていることが多かった。ナイキにとって、そしてマイケルにとっての「夜明け前」というイメージだろうか。週末に会社に残って仕事をするソニーたちを映すシーンも明け方のカットが多かった。
◯その他
・ラストシーンでソニーが走るのをすぐ辞めてしまうのが良い。マイケルへの熱意という以外では普通の中年男性なんだ、と思わせてくれる。普通の人間だけど、熱意をもってすれば世界を大きく変えることができる。そんなメッセージをこのシーンから感じた。
NIKEの秘密が明らかに!起業家の苦悩と立て直しを命じられたイチ社員の努力
今回は圧倒的なイメージを作ったNIKEの歴史に迫る映画を堪能しました。
あのマイケルジョーダンをモデルにしたAIRジョーダン
私たちが若いころから流行っていましたが、そこには歴史がありました。
1980年代にNIKEは負け犬と呼ばれるほど、競合ブランドが圧倒的なシェアを誇る時代。
そんなときに、CEOのフィルと立て直しを命じられたソニーのドラマが始まりました。
シェアを取るために仕掛けた一発逆転のチャレンジ!
それがマイケル・ジョーダンだったというから驚きです!しかも、ジョーダンのお気に入りブランドはNIKEではなかったとのこと!
結果的にはジョーダンとの独占契約を結ぶのですが、実るまでにはソニーの様々なチャレンジがありました。CEOのフィルと共に走ってきたソニーにとってNIKEは思い入れのあるところ。情熱を持ってプレゼンし、何度断られてもアプローチを変えてチャレンジする。
そんな姿勢からはイチ起業家として、学ぶことが多いものでした。
果敢にチャレンジする姿勢、NIKEが一流だと信じ揺るがぬ信念をもって取り組む姿、会社としての利益を宣伝効果としてとはいえ一部譲渡してまでも拘りぬいた魂。
多くの決断に迫られ、その中で自分の手で判断し、道を選んでいく。
私もそういう毎日を過ごしているので、胸にぐっとくるものがありました。
これからも変わらず、信念をもってチャレンジし努力し続けて事業に取り組んでいこうと奮い立たせられるそんな映画でした。
NIKE好き、そうではない、関係なくおススメの作品です!
実際のエピソードを知ってる人が多い NIKEとマイケル・ジョーダン...
実際のエピソードを知ってる人が多い NIKEとマイケル・ジョーダンとの逸話を再現した「お仕事系」実話ヒューマンドラマ。
私も毎試合 罰金を払いながらNIKEのシューズを履いていたエピソード位は知ってたが、それ以外は全く知らなくて 業界のアレコレも知れて楽しめた。
頭が良く 機転が利くマイケルの母親が一番のやりてか?
・当時、黒と赤のシューズはNBAのルールに違反しており、シューズの51パーセントは白でなければならなかったとの事でNBAリーグはジョーダンがこのシューズでコートに立つたびに5000ドルの罰金を課し、NIKEはその罰金を支払ってたらしい。
・NIKEのエア ジョーダンは、今もなおスニーカー市場で熱い支持を集めていて2022年には売上高が50億ドルを超え、2003年に引退したマイケル・ジョーダンはNBAでの全キャリアを通じて得た8670万ドルのほぼ倍にあたる「1億5000万ドル(約200億円)の利益を得た」と言われている。
・NIKEの予想では「4年目でトータル300万ドル売れていたらいいだろう」というものだったが1年目で2600万ドルを売り上げたらしい。
・映画『AIR/エア』の最後で描かれている様に1足売れるごとにインセンティブが入るという契約は革命的で、その後の、そして世界中のスポーツとスポーツスターのマーケティング方法を大きく変える事になった。
・2021年 サザビーズで「マイケル・ジョーダン最古のレギュラーシーズンのNIKE / ゲーム着用&サイン入りエア シップ」は147万2000ドル(約2億円)で落札され、オークションで販売された最も高価なスニーカーとして当時話題になったらしい。
エア・ジョーダン誕生秘話。腹の出た中年おっさんのマット・デイモンが見どころ。
昨年AmazonPrimeVideoで視聴したがレビューを忘れていたので、遅ればせながら投稿。
あらすじは「AIR」のタイトル通り、ナイキのバスケシューズ「エア・ジョーダン」誕生のお話。おそらく史実を元にした内容。
劇中にはコンバースオールスターやアディダスといった有名ブランドも登場し、今ほどの人気のなかったナイキが当時まだ無名のマイケル・ジョーダンと契約し、エア・ジョーダンを生み出すことになったかがよく分かる作品。
面白かったのが、マイケル・ジョーダン役はあまり登場しないってところと、主人公の腹の出た中年おっさんを、あのマット・デイモンが好演しているところ。役作りなのかは分からないが、マット・デイモンといったら「オーシャンズ」シリーズや「ボーン」シリーズのスタイリッシュ俳優のイメージが強かったので、良い意味で驚かされた。
私はシューズとかはてんで詳しくはないが、それでも「エア・ジョーダン」の名前くらいは知っている。「あの有名シューズはこうやって生まれたのか」っていうのが、率直な感想。
ストーリーは分かりやすく、一言で言ったら「サクセスストーリー」な訳で、見た後の後味も悪くない。前述の通り、マット・デイモンのいつもとは違う一面を見たい方には是非チェックしていただきたい作品。
マットデイモンが太い
エアジョーダン制作秘話
今でこそバスケシューズの代表といえばエアジョーダンって感じだが、当時はadidas >converse>NIKEだったと
陸王的な、社運を賭けた大勝負の話
てっきりマイケルジョーダンというスター選手が先にあってそれをモデルに靴を作ったのとばかり思っていた
実際はスターになる手前の段階で投資していた
マットデイモンが冒頭シーンでラスベガスで賭博をしているが、まさにエアジョーダンを賭博そのものだと
その賭博にNIKEは勝った
話は実話ベースでもあり極めてシンプルだが、テンポも音楽も良く見てられる
何よりこの年代のアメリカが個人的に好み
エアジョーダンの配色がNBA規定から逸脱していて毎試合NIKEが罰金を払っていた話は初耳
あとマットデイモンが太い笑
自社のプレゼン自画自賛!新人獲得の研修用なのか。
映画スラムダンクはメッチャ良かったが、
やるバスケなんて全く興味ねぇ~
ましてや履くバッシュもだ。貰っても履かないし、イラン。
そんなテンションで何故か今日は『エア』観たぞ。
1984年の話。業績不振のナイキのバスケットボール部門。
ナイキCEOのフィルからソニーは部門の立直しを命じられていた。
自身と上司のロブが目をつけたのは、後に世界的スターとなる
選手マイケル・ジョーダン。アディダス派を宣言する彼をいかにして
自社に専属契約させるのか、その成功の逸話が今作です。
AIR/エア
監督:ベン・アフレック氏
脚本:アレックス・コンヴェリー氏
(出てる人)
ソニー・ヴァッカロ:マット・デイモンさん
フィル・ナイト:ベン・アフレックさん
ロブ・ストラッサー:ジェイソン・ベイトマンさん
ハワード・ホワイト:クリス・タッカーさん
デロリス・ジョーダン:ヴィオラ・デイヴィス
最初観たとき、ほぅ~って感心したわ。
いかにして スタ-見つけてそして 自社に専属契約させるのか。
靴の開発(凄さ)自慢ではなくて、プレゼンつまりは
どうやって 難局を乗り越えたのか・・・ていう
今思えば あの時俺たちは凄かった~ ていう
終始自慢話です。
出迎え方やプレゼンに予め 意識を向かせる仕掛けをしておき
いかにも特別感を出さす。
話の切り返しの妙技に尽きる。
受けた相手も長けてて、同額な契約金同士に対して
他社提示の高級車以上に匹敵する
売り上げに比例して一部の対価支払いを求めるという凄さ。
今では何処も当たり前かもだけど、当時任意の選手専属契約で
そこまで飲むとは この先の業界の未来を変えてしまう程の
事だったんでしょうね。
CEOの天を仰いだこのシ-ンは良く表していたと感じた。
総てはエアジョ-ダンが成功したからこそ
今 こうして映画にも成って言えることで、
失敗してたら 今頃靴部門は終わってたよね・・・
それだけだと思う。
今 何でこの作品やるんだろうか?
誰か関係者亡くなったのかな、それとも
自社の落ち込みカバ-用の宣伝なのか。
いずれにしても、久しぶりに
ベンとマットの共演作みれたな。
昔の『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』が懐かしい。
マットがちょいと肥満(親父体型)で
最後にカッコつけて グランドでランニングする~って
やる気をこっちに見せておいて・・・
数歩走ったら ガラジャねぇって 走るの止めて。
そこんとこは ワロタ! (^_^;)
えぇぞぉマット。そうこなくっちゃと思うね。
しかし、”ジェイソン・ボーン役”は もうヤランのかいな。ハハハ。
興味ある方は 劇場へ。
凄い母親
バスケファンでなくとも世界中の若者にナイキブームを起こしたエアージョーダンのことは知っていますので、誕生秘話のドラマ化は興味深いです。似たようなスニーカーの開発ドラマではテレビで観た「陸王」が思い出されました。
プロモーション用の新人ハンティングを担うソニー(マット・デイモン)が立ち上げた企画でナイキCEOのフィル(ベン・アフレック)は経営者らしく保守的な対応なので敵役かと思いましたが、終盤、一変、見事においしいところを持ってゆくあたりはベン・アフレック監督の特権というか、見せ場づくりでしょうね、「グッド・ウィル・ハンティング」以来の名コンビ復活と言うところでしょう。
事実に基づいているといっても映画ですから脚色はつきもの、将を射んと欲すれば先ず馬を射よの例えではありませんがジョーダン攻略には母親に取り入るのが鍵と策を練るソニー、情に頼るだけで資金潤沢な大手の契約を阻むことはできるのかと途中、訝しく思いましたがなんと母親は契約金以外に売り上げの歩合を要求、おそらく代理人の入知恵だと思いますが実にしたたか、凄いお母さんでした。
設立時は弱小メーカー、ナイキのロゴデザインがたった35ドルだったという裏話、それがコンバースを買収するまでの大企業に成長、映画の中で度々披露されるNIKE Principlesと呼ばれる10か条の企業理念もビジネスマンには興味深いことでしょう。(以下、概要)
1. Our business is change.( 我々のビジネスは変化である。)
2. We’re on offense. All the time.( 私たちは常に攻撃的である。)
3. Perfect results count — not a perfect process. Break the rules: fight the law.
(完璧 な結果が重要である - 完璧なプロセスではない。ルールを破り、法律と戦うこと)
4. This is as much about battle as about business.(ビジネスだけでなく、戦いでもある。)
5. Assume nothing. Make sure people keep their promises. Push yourselves push
others. Stretch the possible.
(何も当たり前に思わず、人々が約束を守るようにする。自分たちを追い込み、他人を追い込む。可能性を広げる。)
6. Live off the land.(地に根ざす。)
7. Your job isn’t done until the job is done.(仕事が完了するまで、あなたの仕事は終わらない。)
8. Dangers. Bureaucracy. Personal ambition. Energy takers vs. energy givers. Knowing our weaknesses. Don’t get too many things on the platter.
(危険なのは、官僚主義、個人的野心、エネルギーを奪うものと、エネルギーを与えるものを知ること、自分たちの弱点を知ること。けして多くのことを手に入れすぎないこと。)
9. It won’t be pretty. (美しくはならない。)
10. If we do the right things we’ll make money damn near automatic.
(正しいことをすれば、お金をほぼ自動的に稼ぐことができる。)
彼こそがシューズだ
NBAには全く詳しくないが、マイケル・ジョーダンがどれほど凄い選手かは知っている。
そしてエアジョーダンが世界中から愛されているブランドであることも、過去には3億円という破格の値段で落札されたことも。
しかしこの映画を観るまでは、ナイキがバスケットシューズ業界の完全な負け犬であったことを知らなかった。
そして名声を得るためには時に常識やルールを破ってでも信念を貫き通す覚悟が必要なのだと改めて考えさせられた。
まずバスケットボール部門の立て直しを命じられたソニーの直感力が凄い。
彼はまだデビューしたばかりのマイケル・ジョーダンのプレイを観て、彼こそがNBAを牽引していくスーパースターになると確信する。
しかしマイケル・ジョーダンはアディダスを贔屓にしており、ナイキのことを毛嫌いしていた。
それでもソニーは予算を全てマイケル・ジョーダンに注ぎ、契約を取るべきだと訴える。
直接マイケルの自宅に赴き、熱意を伝えようとするところにソニーの揺るぎない自信が覗える。
しかしジョーダン一家を実質的に取り仕切る母親のデロリスは簡単にマイケルには会わせてくれない。
このデロリスもまた揺るぎない信念を持った人物で、マイケルにとって常にベストな選択を行おうとする。
そこに妥協は一切ない。
エアジョーダンの試作品が出来上がる過程も興味深かった。
NBAではシューズの配色に規定があるのだが、出来上がったのはマイケルの所属するブルズのカラーでもある赤を基調とした斬新なデザインのものだった。
そして規定違反の罰金はすべてナイキが負担することになった。
ソニーはプレゼンの席で、このシューズはマイケルが履くことで初めて意味を持つ、人はいつか忘れられるものだが、このシューズによってマイケルは永遠の存在となる、そしてそれだけの価値がマイケルにはあるのだと訴える。
マイケルにとって常にベストを考えるデロリスはこのソニーの言葉に心を動かされるが、彼女は契約するための条件を付け加える。
それはエアジョーダンの売上の一部をマイケルに支払うことだった。
業界では完全に常識破りの条件だが、デロリスは一切折れない。
契約が取れなかったことで項垂れるソニーだが、CEOのフィルはソニーの信念を信じ、契約を受ける判断を下す。
フィルもまた名声を得るために大きなルール破りを犯したのだ。
結果的にこの判断が後にナイキに大きな利益と名声をもたらすことになる。
もしマイケルと契約が取れなければ、ソニーは職を失う運命にあった。
さらにリスクを負ったのは彼だけでなく、フィルもマーケティング担当のロブやハワードも同じだ。
並の神経ならまず思い留まってしまうが、それでも彼らを突き動かす運命の力のようなものが働いたのだろう。
サクセスストーリー
映画館で見たかったが機会がなく見に行けなかった。
Netflixに出てたので視聴。
マット・デイモンとベン・アフレックという私得の映画。
エアージョーダンは友達とか兄が着てたし履いてたから存在やマークは知ってた。
だが、なぜエアージョーダンがジョーダンのマークなのかとか考えたことも無かった。
Airという会社が、次来ると踏んだジョーダンをスカウト(?)して契約したからエアージョーダンという名前だったのか。
先を見越して動く経営チームは凄い。
莫大なお金を費やして失敗したら、と考えたら私にはこんな仕事できない。そもそも任せられないが、、。
ちょっと前に見たからあまり記憶が無い、、
もっと集中してみればよかった。
エアジョーダン欲しくなる!
マット・デイモンが好きで気になり鑑賞。
後半、ジョーダンがナイキを選ぶ瞬間はたまりませんでした!
あと、ビジネス的なところで、お母さんはすごいなと!
フローの収入だけではなくストックの収入が入る契約を提案したことが学びでした。
信じること、諦めないこと、やり切ること、学び多い作品でした。
そして、エアジョーダン欲しくなり、見た翌日早速靴屋に行きました!
『陸王』『ドリームプラン』とも共通する
スポーツシューズメーカーと選手との契約関係を巡るテレビドラマとしては、池井戸潤氏原作の『陸王』があった。アメリカでも熾烈な競争があるのは当然であろう。担当者と代理人や経営責任者、開発担当者との気持ちの温度差を埋める遣り取りは面白かった。黒人家庭における選手の親の権限の大きさについては、テニスのウイリアムス姉妹の父親の育成計画を描いた『ドリームプラン』にも匹敵するし、ウイリアムス父と同じように、ジョーダン母も、プロスポーツ新人選手の地位向上に多大な寄与をしてきた功績が認められるし、ナイキ社も会社の利益だけでなく、潤沢に寄付をしているというのは、日本でも倣ってほしいものである。
「エアジョーダン」誕生秘話。
「エアジョーダン」で起死回生の一発逆転を狙う男たち。
スケールは違うけれど、池井戸潤作品そっくりな熱気!!
根性と先見性そして逆転劇は、日本人にも馴染みやすい展開。
1984年経営不信に陥ったNIKEでバスケットボール選手の
スカウトを担当するソニー(マット・デイモン)は、
CEOのフィル(ベン・アフレック)から、
バスケットボール部の立て直しを命じられる。
ソニーの秘策は、NBAにまだ出場前の新人・マイケル・ジョーダンを
獲得して「エアジョーダン」と彼の名前を付けたシューズと
共に売り出すこと。
マイケル・ジョーダン獲得のソニーの秘策と彼の無謀ともとれる
獲得作戦を、熱く熱く描いています。
【マット・デイモンのスピーチ】
歴史に残るくらい感動的!!
マイケルの成功を信じ、
「マイケル、君が「エアジョーダン」を履いた時、
「君のストーリーは、人々を飛び立たせる」
カッコイイ!!!
しかし感動的スピーチと25万ドルの契約金だけでは終わらなかった。
【契約サイン前に、マイケルの母親登場!!】
「靴の収益の一部を分配してほしい」
そう要求して来たのだ。
歴史的一歩。
ここからスター選手がグッズの収益の一部を分配されるようになった。
はじめてそれを要求して、前例を作ったのがマイケル・ジョーダンの
母親だった。
なんと強欲な!!(と、一瞬思った)
その第一印象はラストで覆される。
マイケルの母親は貧しい少年たちへの支援や育成に財団を創って
慈善事業に寄付したり学校経営をしているのだ。
はじめから息子の価値を誰よりも信じて、
その稼ぎを慈善事業に注ぐ心積りがあったのだ。
黒人の両親にびっくりするような人格者や先見の明のある両親がいる。
①ビーナスとセリーナ・ウィリアムズの父親。
彼も実に知的な賢い人間だった。
娘たちのテニスコーチとしての理念はプロ顔負けだった。
②マイケル・ジョーダンの母親。
交渉能力に優れ、ソニー(マット・デイモン)の熱意を瞬時に本物と見抜き
信頼に足る男だと理解した。
この映画はスポーツ具メーカーのNIKEがいかにしてNIKEに
全く興味のなかったマイケル・ジョーダンを獲得してNIKEとの契約を結び、
「エア・ジョーダン」と名付けられたバスケット・シューズが、
マイケルに憧れる全世界の人にいかにしてバカ売れしたか・・・
という物語です。
1984年。
時代も熱かった!!
それにしても、ベン・アフレックとマット・デイモン。
彼らが2人揃うと、なんといい映画が出来るんだろう!!
ベンの監督作品で、または共演作品で、2人は輝きを増す。
信頼関係の厚さ、熱さ、暑苦しさ含めて、
2人の化学反応は信頼を媒介に他の作品にない熱気と完成度を生む。
すごい2人だ。
でも詰まるところ、ソニーがマイケルの資質に惚れ込んでいて、
本気で嘘偽りなく口説けたから・・・
心に一点でも曇りがあれば、「感動のスピーチ」に至らない。
マイケルにソニーは惚れ込んだんです。
それにしても「エア・ジョーダン」と名付けられたシューズが、
土日の2日間で完成したのには、本当に驚いた!!
(もちろん後からサイズを測って作り直したんだろうけど、)
映画「AIR/エア」は2023年4月7日に劇場公開された。
そして、
2023年5月12日からAmazon primeにて世界240の国と
地域に配信された。
サラリーマンサクセスストーリー…
子供の頃、誰もが履いてたエア・ジョーダンのできるまで、そこにはNIKEの社運を賭けたストーリーがあったという話。今でこそ、NIKEは当たり前、おじさんすら帽子を被っている時代(流石にNIKEのロゴ入りは見なくなった?けど)で、今はどちらかというとUNDER ARMOURやNew Balance他、ブランドの隆盛、移り変わりは早い世の中だけど、当時はバスケに興味がなくても、エア・ジョーダンを履くことがファッショナブルであったと懐かしく思えた。その当時、アマチュア時代から自社製品を身に着けさせようとアパレル側も金に糸目をつけず、動いていたこと、選手やその親もそれが当たり前で交渉していたことがアメリカらしい、スポーツビジネスの世界と感心した。日本もそうなのかも知れないが。映画はバスケットボールの世界を描くというより、当時は3番手だったNIKE社にいるソニーの信念、そこに賭けたCEOフィルたちの想いが、やがてはバスケの世界の枠を超えたスーパースターとなったジョーダンによって結実したことが描かれている。サラリーマンの応援劇のように感じた。ベン&マットコンビ作品で期待通りの面白さだった。
シンプルな感動
判官びいきは日本特有のものではないのだなあとあらためて。そして皆が知っていると思っていた事実が、更に一回り大きい歴史的事実であったことを教えてくれる本作。どこまでが真実かはわからないが、本質をあきらめずに追及する信念の男たちと、凄い才能の息子を持ったおかげで歴史に名を残すことになった超切れ者の母親の話。劇場でかかっているのに配信が始まっていて驚きながらも見てしまいました。
NIKEの代名詞
ルールを破れば名が残る。
こんな標語があるのかないのか分からないが、使い所によっては金言だとも思う。
NIKEを現在の地位にまで押し上げた者達の話だった。痛快という訳ではないが、結果となる未来に僕達は生きてるので、その神話の内側をみる事が出来る。
ある時期のNIKEの社運をかけたプロジェクト。
エアジョーダンの誕生が無ければ、現在のNIKEは無かったのだろうと思われる。
当事者達の間柄が作品通りなわけもないのだけれど、エンドロールの御本人、特にNIKEの社長の写真を見れば、近いのかもななんて事を思う。
ラストに至り、ロイヤリティの発生を承諾した時の呆気なさといったら…あの社長ならやりかねんとも思うのだ。
その実、その決定の裏には、明確な戦略があるわけでもなく、仲間の意見を全面的に信じるという、信頼感だけがあった。前代未聞でスポーツ界に革新と革命を起こすような決断なのに!
…おそらくMジョーダンが先駆者なのであろう。
彼のスター性は、スポーツを取り巻く業界の構図をも変えてしまう程だった事に驚きを隠せない。
ソニーのジョーダンへ向けてのスピーチが圧巻だった。実際の映像を挟む事で説得力は上がるし、何よりその熱量が途轍もない。
あの熱意を向けられたら絆されもするとは思う。その後の返答を待つソニーのカットも秀逸である。
天命を待つとは事なのだろう。
後半になって俄然盛り上がりを見せる作品だった。
にしても…今期の計上利益を目にしたadidasの担当者は愕然としただろうと思う。
NIKEのシューズの最高売上が300万でエアジョーダンがもたらした売上が16200万…50倍強って。
空前絶後のビジネスチャンスを逃した事になるわけだ。
当時のNIKEに稀有な才能を持ちながらも燻ってた連中がいたとはいえ、天啓とも言うべきタイミングだったのだろうなぁ。
もうNIKEとジョーダンは一連托生なのだろうし、こんなあからさまなWin-Winな関係が実在するなんて…靴のロイヤリティは家族によって大衆に還元され、その事がジョーダンの名声にも繋がり、結果、靴の売上にも貢献する。完全無欠なビジネスモデルに思える。
ノーリスクハイリターンなんて幻想はないと思った。
アメリカ黒人家庭におけるビッグママ!
実話ベースビジネス物として素晴らしい出来栄えと思います。シリアスになりすぎず笑える台詞やシーンも豊富です。町山智浩氏によればこの映画は「全部主人公の功績」のように描いており、後にNIKEは解雇しているので、NIKEの公認を得ていないとのこと。でも映画を見れば主人公の慧眼と情熱が原動力になっているものの、次第に周囲を巻き込み、CEOも説得してチームで成し遂げた物語(当たり前ですが)として描かれていると思ったので公認が得られていないのは他に理由があるのかもしれません。
NIKEチーム以外での準主役はマイケルジョーダンの母でしょう。アメリカの黒人家庭においてはママの力が絶大で、治安の悪い地区の不良でもママの言うことには逆らえないというのが「可愛い」ところです。マイケルのパパは人懐こくて人の良さそうな好人物として描かれてますが、主導権はママにあるからね、というのがさり気なく描かれています。そして実際にこの聡明なママがロイヤリティビジネスの道を開き、引退後も(現役時よりも多くの)収入を得ることになります。その後成功者の義務として(米国においては節税目的もありますが)今でも人道支援で寄付してますから、企業だけでなく選手個人にも莫大なお金を稼ぐ道筋をつけたことは素晴らしい功績だと思います。
面白かったのですが‥
(完全ネタバレですので鑑賞後にお読み下さい)
映画を見た後の感想は面白かったなとは思われました。
ただ一方で食い足りなさも感じました。
その理由は、以下の3点に問題あったと思われました。
1点目の問題は、この映画『AIR エア』は、鑑賞前に期待していたナイキが今のように大きな企業になったサクセスストーリー+そこにマイケル・ジョーダン選手が絡む映画に、そこまでなっていなかった点です。
もちろんその期待は半分は描かれていたのですが、この映画『AIR エア』は、ナイキが今のような大企業になる話というより、マイケル・ジョーダン選手といかに契約を取るかという鑑賞前の期待より遥かに小さな話になっていたと思われます。
さらに、マイケル・ジョーダン選手とナイキとの関わりを描くというよりも、ナイキのバスケシューズ担当の主人公ソニー・ヴァッカ(マット・デイモンさん)と、マイケル・ジョーダン選手の母親であるデロリス・ジョーダン(ビオラ・デイビスさん)との関係の描写が中心のストーリーになっていました。
つまり、マイケル・ジョーダン選手は映画の中ではほとんど登場せず劇中では顔も映らず、マイケル・ジョーダン選手の映像はほぼ現実の過去映像に終始していました。
2点目の問題は、主人公のソニー・ヴァッカがマイケル・ジョーダン選手との契約を取れなければクビになるという描写にリアリティを感じなかったところです。
主人公のソニー・ヴァッカと、ナイキのCEOで創業者のフィル・ナイト(ベン・アフレックさん)との関係性を見ていると、契約を取れなければクビになる話は映画を盛り上げるための演出に感じ、とてもリアリティがあるとは思えませんでした。
3点目の問題は、主人公ソニー・ヴァッカもマイケル・ジョーダン選手の母デロリス・ジョーダンも、互いの信念がほぼ揺らぐことがないところにあるように感じました。
もちろん主人公ソニー・ヴァッカも母デロリス・ジョーダンも、互いに信念が揺らがないというのは感動的で映画にとって重要な柱であるとは思われます。
しかし互いの信念の揺るがなさは、逆に映画のドラマ性としては単純化されているように感じました。
映画のドラマ性としては、互いに押し込まれたり逡巡したりする揺らぎが必要になって来ると思われます。
しかしソニー・ヴァッカもデロリス・ジョーダンも、互いの信念が揺るがない場面がほとんどであったので、逆にドラマ性は薄まっていたと思われます。
唯一といっていい主人公ソニー・ヴァッカの主張の揺らぎは、最後の電話での交渉の場面での、シューズの売り上げの何割かをマイケル・ジョーダン選手に支払うという条件提示が母デロリス・ジョーダンからされた時に、それは出来ないと抵抗するところです。
しかし、それまでのソニー・ヴァッカの信念がほぼ揺るがなかったことから、この最後の交渉場面での揺らぎは映画を盛り上げる作為に思われてしまいました。
(案の定、CEOフィル・ナイトのすぐさまの受け入れ決断により契約は成立します。)
この映画は
1.ナイキの企業サクセスという大きなスケールの話でなかった、マイケル・ジョーダン選手の劇中描写も実際映像で済ませていた
2.主人公ソニー・ヴァッカが契約が取れなければクビになるという話にリアリティを感じられなかった
3.主人公ソニー・ヴァッカと(マイケル・ジョーダン選手の母の)デロリス・ジョーダンの信念の揺るがなさは感動との引き換えにドラマ性を単純にさせた
の3点によって、個人的には残念ながら傑作にはなり得てないような感想を持ちました。
ただ、ナイキのライバル会社の(後にナイキが買収したコンバースはともかく)決して良く描いてないアディダスを、ロゴ含めてそのまま描けるハリウッドの底力はさすがだと改めて思われました。
日本映画が、実際の企業の社名や商品や実在の人物を否定的な描写を含めてそのまま描ける日は来るのでしょうか。
とはいえ、様々な問題を個人的には感じましたが、それを差し引いても面白くは見ることは出来ました。
物語の価値
面白かった。お腹ぽっこりのマット・デイモンがかわいい。
いわゆるプロジェクトX的な実話ベースの成功物語ってことだが、世の中を変えるような転換というのはこんな風に起こるのか、という面白さがある。
エアジョーダンはいくつもの前例をくつがえす異例の要素があったけど、それは「世の中を変えてやるぜー」みたいな感じでそうなったわけじゃなく、むしろ追い込まれてそうせざるをえない状況でそうなってしまった、ということ。
「くつは単なるくつだ」というセリフがけっこう印象的。
エアジョーダンの何が革命的だったのか、というのがこのセリフに集約されていると思う。
たぶん、それまでは「商品の価値は商品の機能や品質だ」という世界観だったのが、エアジョーダン以降、「商品の価値は商品のもつ物語だ」に変わったのだと思う。
たしかにふり返ってみると、エアジョーダンあたりの時代からこういう考え方の転換がされてきて、今は「商品の価値は商品のもつ物語だ」というのが当たり前の世界に我々は生きている。でもこの考え方は昔はそれほど当然でもなかった。
あと、この映画の魅力としては、1980年代のアメリカの空気感がよく分かる、ということ。日本人の僕には分からないけど、アメリカ人には「三丁目の夕陽」とか「世界の中心で、愛をさけぶ」的な良さがあるんかなと思う。
「エア・ジョーダン」その名前こそが重要なのだ
コンバースの足首まであるバッシュ―は、少女漫画のイケてる男子の定番シューズでした。ボタンダウンシャツにスタジャンにコンバース、ラガーシャツ(襟があるヤツね)にもコンバース。実際、今のニューバランスほどは普及してませんでしたが、おしゃれな男子はコンバースを履いてました。アディダスは、サッカー部が履いていた(気がします)
本作は、1984年、バスケ部門でコンバースとアディダスに大きく差をつけられていたナイキが、起死回生の一手を打ってみごと成功する話。ランニングシューズでは実績をあげていたのでバスケ部門の方は廃止する話も出ていた……
オープニングの”Money For Nothing”からテンションが上がって、演出も楽しかったんですが、内容はドキュメンタリー番組でも良かった感じです。
「エア・ジョーダンの誕生秘話」だし「お仕事映画」なんですが、私は勝手に、凄いバスケットシューズを開発して、それを宣伝するには是非マイケル・ジョーダンに履いてもらいたい、その為に奔走するナイキ社員たち、という話を期待していました。
だから、「靴はただの靴。誰が履くか、そこで初めて意味を持つ」というストーリーにがっかりしてしまいました。試作品も短時間でちゃちゃっと作った(ような演出)
実際は、コンバースもアディダスも見た目がかなり違うのだから、製品の特長もアピールして欲しかったです。
ジョーダンの、その名を冠した靴に、貧しい若者が働いた金をつぎ込む価値があると思えるようにプレーを頑張るという考えは良かったです。ブランドってそういうものでしたね(自分はあまり興味がないもので)
でもそれ以外には彼のキャラクターを造形しなかったのもドキュメンタリーっぽく、マット・デイモンとベン・アフレックだから映画として成立していましたが、私は、お金を払って観なくても良かったなと思いました。でも、ナイキ愛好家とプレゼンや契約のドラマが好きな方は楽しめると思います。
おまけ
アディダスの由来は何だったかなと確認したら、前身は『ダスラー兄弟商会』。兄のルドルフが会社を飛び出して新たに『PUMA』を設立。弟のアドルフが社名を『Adidas』に変更しました。本作でも、アディダスは親族会社だから揉めていると言っていました。どこかで聞いたような話…
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