「物語の価値」AIR エア SP_Hitoshiさんの映画レビュー(感想・評価)
物語の価値
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面白かった。お腹ぽっこりのマット・デイモンがかわいい。
いわゆるプロジェクトX的な実話ベースの成功物語ってことだが、世の中を変えるような転換というのはこんな風に起こるのか、という面白さがある。
エアジョーダンはいくつもの前例をくつがえす異例の要素があったけど、それは「世の中を変えてやるぜー」みたいな感じでそうなったわけじゃなく、むしろ追い込まれてそうせざるをえない状況でそうなってしまった、ということ。
「くつは単なるくつだ」というセリフがけっこう印象的。
エアジョーダンの何が革命的だったのか、というのがこのセリフに集約されていると思う。
たぶん、それまでは「商品の価値は商品の機能や品質だ」という世界観だったのが、エアジョーダン以降、「商品の価値は商品のもつ物語だ」に変わったのだと思う。
たしかにふり返ってみると、エアジョーダンあたりの時代からこういう考え方の転換がされてきて、今は「商品の価値は商品のもつ物語だ」というのが当たり前の世界に我々は生きている。でもこの考え方は昔はそれほど当然でもなかった。
あと、この映画の魅力としては、1980年代のアメリカの空気感がよく分かる、ということ。日本人の僕には分からないけど、アメリカ人には「三丁目の夕陽」とか「世界の中心で、愛をさけぶ」的な良さがあるんかなと思う。
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