劇場公開日 2023年4月7日

  • 予告編を見る

「チームプレーでの勝利が、逆転劇の爽快さを増幅する」AIR エア tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5チームプレーでの勝利が、逆転劇の爽快さを増幅する

2023年4月17日
Androidアプリから投稿

会話劇が主体で、決して映画的な派手さはないが、主人公たちが、検討し、議論し、説得し、交渉する様の「熱さ」に引き込まれる。
この映画を観ると、NIKEがマイケル・ジョーダンとの契約に成功した最大の要因が、彼の素質を見抜いて交渉を推し進めた主人公の信念と情熱であったことがよく分かる。
ただし、それだけでなく、シューズの赤い部分の割合を増やすために一試合毎に罰金を払うことを決断した上司や、シューズの売り上げに応じた報酬をジョーダン側に支払うことを許可したCEOの姿もしっかりと描かれており、まさに、チームプレーで勝ち取った勝利であることも分かるようになっている。
そこには、まさに、スポーツ・ドラマのような感慨があるのだが、これは、一発逆転の爽快さだけでなく、NIKEの面々から、旧弊を打破するチャレンジ精神が感じられるからだろう。
一つ、物足りないところがあるとすれば、主人公が、これまでどのような人生を送ってきたのか、その背景がよく分からないこと。
ジョーダンの才能を見極める慧眼の持ち主でありながら、NIKEにしか雇ってもらえなかった主人公は、決して華々しい経歴の持ち主には見えない。
そこが描かれたならば、「一発逆転」のドラマが、更に際立ったのではないだろうか?

tomato