劇場公開日 2024年4月5日

「アンは実は脇役、でもやっぱり華がある」ブルックリンでオペラを imaxmaxさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5アンは実は脇役、でもやっぱり華がある

2024年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

原題"She Came to Me" 、何も想像できない。英語ポスター、地味なデザインで大きめの3人の写真。これもつまらない。それに比べて日本版は素晴らしい。ポスターは全体がPOPな黄色に上部に鍵盤、イラストの街並みと主要3人と犬。アン・ハサウェイのイメージに合う街と重要なアクセントになるオペラを盛り込み、ラブコメをイメージする。しかし自分がイメージするラブコメではない、さらに上をいく映画であった。

①スランプの作曲家スティーブンとタグボート船長カトリーナの話と、②子供の恋愛と娘の父との闘い、③その2つが融合する。そこにオペラテイストが加わる。

ネタバレあります

①船長との出会いを元にこっそりオペラを作るが、バレて恋愛依存症の船長はストーカーまがいに?でもタグボート船長って変わった設定。しかしそれがのちに生きる。
②18歳の男性と16歳の女性の本気の恋愛。しかし娘の父は南北戦争再現ごっこをする堅物が許すはずがない。本気の恋愛でも法的には犯罪。母もショックではあったが、父にバラしてしまった負い目もあり娘を理解してくれる。

もっとネタバレ

③ここはアメリカ。州によって法律が違う。結婚していれば問題ない州も。タグボートで脱出。宣教師資格も24時間で取れる。ここでもオペラできました。

それぞれの立場で将来を考え、最適解を探す(父以外)。観客側も若い恋愛や他人対する気持ちや依存症などいろいろ考えてもいい。オペラも短いながらしっかりと舞台演出の見応えがあった。
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アン・ハサウェイはメインキャストではあるが、なんか出番が地味? でもこれでも良いんです。アンは脚本が気に入ったが、今のアメリカでは小規模作品の制作が難しいらしい。その為製作に加わって実現できたわけ。(パンフインタビューより)
でもアンはいるだけで華があるよな。作品の格がグッと上がる。

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エンドクレジットで流れる曲は、Bruce Springsteen の書き下ろし"Addicted to Romance"(歌は夫妻)。この曲も素晴らしい。やっぱりブルース。74歳現役です。

imaxmax