碁盤斬りのレビュー・感想・評価
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技術さんが素晴らしい
囲碁はルールも知らないし、どっちが優勢かも分からないけれど面白い。居合わせた客が見入ってしまうのも分かる気がする。
殺陣を後半に集約して、ドラマ部分をしっかり丁寧。
役者陣もみんなキャラクターが魅力的。草彅さんは、寡黙ながら復讐の想いを滾らす男を好演。『ミッドナイトスワン』『ブギウギ』と、良作に恵まれてる。
國村隼さんは強面だけど声は優しいから、悪から善への振り幅が面白い。
この映画で個人的に好きな点は、回想シーンを昔の映像のような荒い画質にしたり、遊郭の艶やかさを強調するような照明や、行燈だけの灯りでの囲碁など技術面が、斬新とか新感覚ではないけれど多彩。
2時間超えだけど、中弛みもなく飽きない。
傲慢と善良‼️❓
意外と本格的な映像と演技よのう。
落語が基なので、いかんせん時代考証には目を瞑らざるを得ないのかもしれない、その点は敢えて触れない、でござる。
いやはや、草なぎの演技は、期待を遥かに超えるとものであつた。
それは小泉今日子についても同様。
内容的にはまあまあな起承転結だが、腑に落ちないことが一つある。
正義と清廉を主とする柳田浪士が、なぜ、自分の名誉を守るために娘を売り飛ばすのだろうか、それが武士道とゆうものだろうか。
それなら盗み容疑だけで無く、賭け碁に負けても売り飛ばすのだろうか、基本は同じ、だろう。
彦根藩、吉原、質屋、それぞれ本道は、基本に従い、善良に運営されているのだろうが、システムとしては傲慢な存在自体であることは否めない、時代考証が無茶苦茶な分、そんなところが意外と気になる、のでござる。
映画の品質とは無関係なので、わしの戯言でござる、ごめん、かたじけない。
久々の本格時代劇でした、清原かや、中川大志も含めてみんないい演技でした、照明も本物みたいでした、ありがとうございます😊😭
それなりに面白かったけど、期待しすぎたのかも。
舞台挨拶中継付きで鑑賞。
ネタバレこそ無かったが、トークの中で國村さんが「碁仇or碁敵(ごがたき)」という言葉を使ったのを草彅くんは理解できなかった。それなのに作中で國村さんが草彅くんに「碁仇」と言うシーンがあったのでビックリした。草彅くんは台詞の意味が分かって演じていたのかな💦
本編について気になったのは、「すべてが予定調和すぎ」…というのが言い過ぎなら「丸く穏便に納めすぎ」なのが気になった。
例えば、あの50両にしても、
・消えた50両の行方がずっと引っ掛かっていた。流石に旦那がすっトボケているとは思わなかったけど、番頭か丁稚頭かどちらが犯人なんだろう?と考えていたらまさかの拍子抜けの顛末😓
・盗んだと疑われた50両を都合するために娘が遊郭に預けられ、大晦日までに返せなければ女郎にさせられる…これって「文七元結」ですよね。流石に結末くらいひとひねりさせるかと思ったら(もうお店に出されてしまったとかw)、キョンキョンの粋な計らいでセーフって何それ、文七元結のまんまですやん(笑)
あと、納得いかないのは、
・遊郭で着付けをしてもらって着飾った娘との対比で、足抜けしようとして折檻された女郎が序盤で映っていたが、アレは娘が借金のカタに遊郭で下働きをしている時に「ざまあみろ」とイビられる伏線としか…。
・あんなに恨んでいた(首を刎ねようとまでした)旦那と丁稚頭と再び仲良くなり、娘との縁談を成立させるのはやはりおかしい。親も親だが娘も娘だな。
・狩野探幽の掛け軸を彦根藩に返さないのは、果たして清廉潔白な行いなのかね。たとえそれを売ったお金で自分の巻き添えで辛い目にあっている元部下たちへの援助にするにしても、だ。それを見逃すかつての同僚もなんだかなぁ。
覚悟と覚悟 極めて真っ当な時代劇 テンポの良いアクセントの効いた快作品!
映画タイトルは 最後まで鑑賞するとわかる 囲碁は当然カンケーあるが
真田広之さんの『麻雀放浪記』同様 特に その知識は必要なし 勿論囲碁の知識あった方が より良い
五街道の一つが 草むら見たいの
最後が人によっては できすぎ
と言うのに目を瞑れるかどうかが その人の感覚
現実と異なり 悪には悪の大義がある
へなちょこな チンピラとは違う
主人公も 娘も本気だ
名誉は何よりも大事
だが 色々と 変節するかもな スクリーンで確認してな❗️
遊・関係は❓だがな
いずれにせよ 覚悟 潔さ 感じたよ。
俺にしては 珍しく 舞台挨拶付き鑑賞
市村さん元気すぎ 國村さんは素顔も変わらないねぇ
カンケーないが 俺の好きだった 武田祐子アナウンサーの司会 美しいが 自分同様 時の流れ 年輪を感じた
落語がヒントらしいが 原作脚本の勝利かもな
ある程度 推測させない展開は 非常に面白い
復讐・仇討ち【無料リーフ時点で掲載あり❗️】理不尽な指摘に対するものな
俺マジ🥺感動
東映太秦 松竹京都 撮影所のパワーは最高❗️圧巻のラスト
有料🈶パンフは まとまってて 素晴らしい 負担にはならない 部分読み容易だし
有料🈶パンフ中の コラム 草なぎさんを 笠智衆 高倉健の後継みたいに書いてあった。
そもそも 笠智衆 虎さんの御前様の前にお父さんだから チト高倉健とは違うよね
ただ 草なぎさんには頑張ってもらって 笠智衆 三船敏郎 的になってほしい 応援してます
監督 『孤狼の血 LEVEL2』作った人とは思えない 時代劇初作品 俺的には快適カタルシス作品テンポ良し
話の筋も 単純ではないが キチンと整理されてて誰でもOK映画
ツッコミどころはありますよ ただ 中規模器に@30人は不当な評価 もっと3倍くらいお客さん入っても良い好作品
時代劇があんまり趣味でなくても大丈夫 歴史知識は不要です。
意外なストーリー ぜひ劇場で確認して
オレもうやる気ないから いつもの5分の1くらいでテキトーに書いてたが
長文すまない🙇
舞台挨拶付き上映(ライブビューイング)
というものを初めて体験した。草薙ふざけたり真面目な心情を述べたり。
30分ほどのライブ中継の最後は撮影タイム、中継先の方も写真撮ってください!って。
囲碁を少し知ってたから、吉原の主との詰め碁の場面で出てきた『石の下』は、、、と思った。
確かにはじめの國村さんの打ち方は嫌になる。
音尾さんの番頭の考え方もゲスの極み。
草薙の顔の芝居は素晴らしかった。
彦根藩時代の場面が少なくて、草薙の進言でどれだけの不正が暴かれたのか、判りにくかった。
仇討ち道中で何があって心境の変化があったのか?
まあ、どんなことがあれば、吉原の廓の女将と知己になるのかな?
娘の行く末を託すほどの仲とは。
娘をカタに置いて行くっていうのも理解出来ない点の一つ。
親戚の手代?中川は自分の意見なさ過ぎる。番頭の考えで動くか?親戚なら店の主に話をするだろう。
裏長屋までお供を何度もしているのだから。
情、仏、鬼
72本目。
見事に嵌まってる。
始まった瞬間、草彅剛を観て思った事。
時代小説好きだし、監督名を見れば観ずにはいられない。
絹が吉原行く件が、何かゴチャゴチャと言うか、モヤっとはしたけど、時代背景、武士のプライドだったりを考えると、まあいっかなあと。(一分を使おうと思ったけど、それだとあの方の作品名になっちゃう)
でも表題通りで、それが詰まった作品。
観終えて、本当に良かったと思える。
最初は
最初はなんて融通がきかず杓子定規の上に愛想が無いがプライドが高い落ちぶれた武士なんだと思ったが、そこが草彅くんの演技の真骨頂でもあると納得させつつ鑑賞。中盤から終盤に向かっては目的を定め突き進んでいくが、それも草彅くんの魅力と納得。多少の中だるみ感は否めないが國村さんの雰囲気とキョンキョンの自然さに救われた。
それと斉藤工くんが良い味を出していたのも、果耶ちゃんの武士の娘らしさが出ていたのも光っていた。
ただストーリー的に格之進の娘の決断の速さと短絡的である点には少し違和感があった。
総じて鑑賞に値する作品に仕上がっていたと思う。
碁盤切りみてきました
日本人の義理とか人情とか日本人らしさを感じた映画でした。
残念ながら文化が違う国ではなかなか理解できないような気はしますが、草彅さんのとにかく感情を滅多に表に出さない演技、特に最後まで笑顔はなかったと思います。その演技は素晴らしかった
そもそも日本人は感情を出さないからわかりにくいと言われがちですが、その裏側にある感情を読み解くことができるのが日本人らしさなのではと思いました。
ストーリーは勧善懲悪のこれも日本人としては好きな時代劇でした。
細かい所作にストーリーを込めた演技は見ていて気持ちよかったです
次の中村主水に草彅剛を推薦します
会社員として40年過ごして来ました。世間では
●清廉潔白は目指すべきものながら清濁併せ呑む度量もあるべき。
●知に働けば角が立つ、情に棹させば流される。
●事実はひとつだが真実は関わった人の数だけある。
●正論と己の価値観、正義は他人を追い詰める。
などを学んで来ました。
世が変わってもそんなことなのかなぁ。
楽しめました。薄野原を行くシーン、祭りの華やかな提灯屋台、江戸の街並、長屋、碁会所、殺陣、和装、髷などほんの少し前の日本は世界的にも稀有な美を愛でて暮らしていましたね。
囲碁の石の下という手筋の伏線もちゃんと回収されて安心しました。
藩に戻る事を良しとせず後輩の邪魔にならないよう、老害とならないよう身を引くのは良いですね。
然しながら弥吉を救う為に50両を工面したのに50両が出てきたら首を貰うって格之進の論理が破綻してませんか?
また武士として二言は無いとか、汚名を着せられたまま生きるより腹を切るとか、人を殺めて本懐を遂げるとか、殺めてもお咎め無しとか物語を無視したら危険な発想ですね。
そしてラスト
斬鉄剣だったのか!
いやさすがに碁盤は一刀両断出来んだろう
次の中村主水に草彅剛を推薦します。
私は床に座るよりイスに腰掛ける生活なので脚腰痛いだろうなと思いましたよ。
じっくり見れる
冒頭から流れる日常の描写と、その後の復讐へ展開していくまでの間が本当に良い感じ。
演者の小泉さんの変わりように驚きもありましたけど。草彅さんは個人的な相性の問題ですけど時代劇(侍)には向いてないかなって感じてしまいました。皆さんはどう感じたのでしょうね。
出演者が違えばもっと良かった作品
光と陰の映像で江戸の世界に引き込まれる。格之進の融通の利かなさが恨みを買うもとになるが、その父を支えるお絹が健気。
落語の人情噺がもとなので、源兵衛と弥吉の首を斬りに行った時に不自然に置いてあった碁盤で、題の理由(サゲ)に気付く。
ただ、斎藤工の清潔感と小泉今日子の声が、この作品の世界から浮いていた。斎藤はBSドラマのアキラくんにしか見えない。斎藤ではなく、永山瑛太か青木崇高の方が狂気やヤサグレ感が出たのではないか。また、小泉ではなく、鈴木京香か高島礼子の方が女将の色気が出たのではないか。
それでも、日本アカデミー賞の作品賞、草彅が主演男優賞、奥野と國村が助演男優賞、青春18✕2との合せ技で清原が主演女優賞候補に推したい。
いろんな意味で、日本の財産。
藩勤めの武士も町人たちも、女郎屋女将も流れ者も、盤を挟めば対等となれる。
そこにはその場限りの金のやりとりで終わることもあれば友情を育むことも、魂のぶつかりとなることも。
そんな囲碁の魅力がいまだかつてこんなに語られた映画ありました?
そして全編に溢れてたぶん画面には治りきれてないほどの、日本美。
穏やかな日常から激情ほとばしる沙汰ものにそして成るべき成り行きへとすすむストーリーはまさに名人が語る落語のよう。
登場人物は全部、その人物なりの魅力が光っていました。お絹の清らかさとおこうの深さはとりわけ印象深く。助演女優賞を2人一緒にとって欲しいくらい。
そしてやはり圧巻は主演草彅剛さん。あんな眼、知らない。絶対本人じゃない。柔らかくも野太くもなるその声だけが、本人のものだと分かるけれど。
時代劇は日本の宝です
淡々とした中での緊張感とワクワク感が最高でした。裏切らない草彅の自然で且つ迫力ある演技、國村隼と小泉今日子には助演賞をやりたいです。
貪れば勝ちを得ず
今日本で最も新作が楽しみな監督の一人は、間違いなく白石和彌だ。まだ観ていない作品もあるにはあるが、「孤狼の血」「ひとよ」に震えてからというもの、毎作劇場初日に観に行っている。
そんな白石監督初の時代劇「碁盤斬り」、当然初日に堪能してきた。
映画は、実直過ぎて貧する格之進を中心に、娘のお絹、両替商の源兵衛、源兵衛の養子弥吉などの人間模様が描き出される。落語で言うと「人情噺」というやつだ。
最初は賭碁で出逢った格之進と源兵衛だが、対局を重ねるうち、格之進の実直さ・清廉さに源兵衛の角が取れていく。その様を対局する二人と背景だけで描いていく、神妙な映像が美しい。
まさに格之進が打つ碁のような、ゆったりと間をとった序盤の地固が展開されていくのだ。
それでいて、弥吉とお絹のほの淡い、恋愛とも言えないような関係が描かれ、思わずクスリと笑ってしまう甘酸っぱい場面もある。
そんな穏やかな前半と、復讐を決意してからの後半の対比も良い。全てが切り替わる満月の宴からは、一転してハードボイルドなテイストで進行していく。
そう、時代劇ではあるがどちらかと言うとノワール映画のような雰囲気が漂ってくる。実直であるがゆえの、雁字搦めの苦しみ。大切に思うこと、大切な人、手に入れた筈の倹しいが喜びのある暮らしが崩壊していく痛みが切ない。
映画全体において、テーマとなっているのはタイトル通り「貪不得勝」だ。「貪る」は金銭や成功だけではなく、生き様についてもそうなのだろう。
格之進は「清廉であること」を重視し、賄賂を許さなかったが、それ故に彼に恨みを持つものもあるとされている。
「白河の水の清きに住みかねて元の濁りの田沼恋しき」は寛政の改革を習った時に知った歌だが、あまりに厳しく己を律することを求められても、全員が全員遂行できるわけではないし、長所もあれば短所もあるのが人間だ。つまり格之進は実直を貪ったがゆえに、周りを不幸にしてしまっているのである。
面白いことに、最終盤に入ると格之進の実直さを好意的に捉え、感化されて来たはずの周りの人々が口々に嘘をつくのだ。それは優しさから来る嘘である。厳密に言えば嘘は清廉ではない。が、誰かのために嘘までついて何とかこの局面を打開しようとすることは、果たして悪だろうか。
格之進自身も決して褒められたことではない行為について、それでも「善いこと」と感じずにはいられなかった体験をしている。
善もまた貪れば幸せには繋がらない。それは巷に蔓延る、潔癖とも言えるほどの正しさ至上主義に一石を投じるテーマと言えるだろう。不寛容な社会が取り沙汰される中だからこそ、そう思うのかもしれないが。
この映画はかなり観やすく作られている。伝統的な時代劇は、とにかく画面が暗くて見辛いことが多い。それもまた味であり、映らないものを想像するのも楽しめるようになれば気にならないのだが、演者の表情もよくわからないあの暗さは観る側の幅を狭めてしまっていて勿体無い。
白石監督らしいアップの多さも相まって、演者それぞれの感情が伝わってくる。
あと、これが推しポイントになるかは正直わからないが、白石監督史上最もマイルドで全年齢鑑賞可能な作品でもある。バイオレンスが苦手でも大丈夫なので、是非劇場でアップデートされた時代劇を楽しんでほしい。
事前に囲碁のルールを知っているだけでも全然違う
今年191本目(合計1,283本目/今月(2024年5月度)25本目)。
(前の作品 「湖の女たち」→この作品「碁盤切り」→次の作品「ティアーズ・オブ・ブラッド」
2週間続けて正統派の時代劇が続くのも珍しいですね。
このサイトでは「囲碁のパートがよくわからない」という投稿が多かったので、youtubeなどで「10分でわかる囲碁入門」的な動画を見てからいきました。
序盤はいわゆる「賭け囲碁」というものを扱う囲碁パート中心、後半からアクションシーンも多少出てくることになりますが多くの部分で「囲碁」がポイントになる映画で、将棋囲碁が本格的に取り上げられる映画も珍しいのでは?と思います(将棋は確か、2020年か2021年だったか、「AWAKE」で取り上げられたはず。コンピュータ将棋の発達をめぐるドキュメンタリー)。
こうした事情があるので、囲碁に関する初歩的なルールほかも知らないと、ある程度の語句は飛ばしてくるので(完全に囲碁の専門用語をバシバシ飛ばしてくることはないように配慮はある)、そこを知っているかどうかでかなり差が出るんじゃないかなといったところです。
ただその部分の理解がどうであろうと、「囲碁映画」の一面はあっても本質論は本格派時代劇であるので後半楽しめますが、前半の「囲碁パート」は本当にそればかりなので(ほか、(当時の)質屋に行くとか何とかは出ますが)、前半で飽きないかどうか、で大半来るんだろうなといったところです。
このような事情があり、囲碁について「とりあえずルールだけを知っている」(全部相手側を囲ったら石が取れるとか、おいては行けない場所があるとか、といったこと)レベルだと、何を言っているんだろう?レベルの語句を飛ばしてきて前半力尽きたところに後半のアクションシーンが出ても前半の展開も形式的なチャンバラシーンになってしまう点がやや厳しいかなといったところでしょうが、この映画の「想定年齢層」は私よりもっと年上の方でしょうし、囲碁はある程度(私の年齢層よりも)普及しているのだろうと思います。
こういった事情があるので、誰にでもおすすめできるわけではないですが、囲碁の「碁」の字も知らないと前半から???の展開になりますので、ニコニコ動画ほかの「囲碁入門」みたいな動画を見ているかどうかだけでもかなり違います。
先週に公開された本格時代劇の「鬼平犯科帳」との比較もおすすめといったところです。
採点に関しては、こうした「囲碁のルールをある程度要求される」という点は指摘できますが、タイトルに「「碁盤」切り」とあることから「囲碁のルールは常識ですよ」というようにも見ることはギリギリ可能だし、後半のアクションシーンについては囲碁とあまり関係がなく(多少あれば有利程度)楽しめるということまで考えてフルスコアにしています。
囲碁と殺陣、面白かった
冤罪により彦根藩を追われた浪人の柳田格之進は、娘のお絹と江戸の長屋で印鑑を彫り、細々と暮らしていた。堅物な格之進は、囲碁にもその性格が表れ、常に嘘偽りない勝負を心がけていた。そんなある日、旧知の藩士から冤罪事件の真相と妻を自殺に追いやった犯人について知らされた。格之進は妻の仇討ちを決意し、江戸を離れた。さてどうなる、という話。
囲碁好きなので、碁盤の木目や薄い碁石、石の下、など興味深かった。江戸時代も、囲碁が盛んだったのは知ってたが、あちこちに碁会所があり、賭け碁が盛んだった事を知った。たぶん史実なんだろう。
格之進役の草彅剛がやはり素晴らしかった。娘・お絹役の清原果耶も、唇で感情を表すところとか流石だった。仇役の斎藤工は憎たらしさバツグンだったし、殺陣も素晴らしかった。ただし、人差し指と中指で挟むように持つ碁石の打ち方はイマイチだったかな。草彅剛は良かったのに。
碁敵役の國村隼が格之進に会ってからの心境の変化も良かった。
最後、格之進は何処に旅立ったのだろう?
エンドロールに現在の日本最強棋士・井山裕太の名前が有った。どこかに出演してたようだが気づかなかった。
もう一度観に行きたい。
貨幣価値とか時代背景を知ればもっと面白い!?
古典落語や囲碁を知らなくても普通に楽しめました。いつも思いますがもう少し映像が明るいと見やすいです。草彅さんの演技は安定の素晴らしさですが、清原果耶さんも流石は同時期封切があるく乗っている役者さんですね。國村隼さんがTOKYO SPEAKEASY的な案内役で良いと思いました。
公開初日にレイトショーで。 主演の草彅剛さん、 ミッドナイトスワン...
公開初日にレイトショーで。
主演の草彅剛さん、
ミッドナイトスワンとは180度違う役柄ですが、
彼の持ち味を生かした、
見事な「清廉潔白」の武士役を演じてくれました。
J事務所を退所してからというもの、様々な苦労もあったかと思いますが、
彼自らの力によって
新たな世界を築き上げていることを感じました。
「柳田格之進」という落語がベースになっているそう。
でも、映画というエンタメのために
だいぶ手が加えられて
それによって焦点がボヤケてしまった感はあり。
映画のなかでは、
老いも若きも、富めるものも貧しいものも囲碁を楽しむ様子が描かれていますが、
私は全くわかりません。
もし、少しでも囲碁を嗜んでいたら、
この映画がもっと理解できたんだろうなぁ、と思うとちょっと悔しい…
それにしても今の世の中で、
柳田格之進のように
清く正しく生きている人はいるのでしょうか。
正義感は時に
他人を排除したり、傷つけることにもなり得ます。
映画でもそれが描かれていて。
でも、彼の生き方は見習うべきものがある。
特に、
裏金事件で名前が上がっているような国会議員には
是非見てもらいたい、なんて思ったり😁
青春18×2の好演に続き、
清原果耶ちゃんの美しさが
暗くなりがちな時代劇のスクリーンの中で
ひとすじの光になっています。
ストーリーは今ひとつですが、
(私は…です)
それ以上に得るものは多くある作品、ぜひ映画館で。
なぜ、おとなしく泣き寝入りをしているのかが気になる
昼は逆光により、夜は蝋燭や行燈の光により作り出される陰影に富んだ映像は美しく、日本家屋の薄暗い雰囲気がうまく醸し出されている。
武士の誇りを賭けた仇討ちの物語は見応えがあるし、主人公の格之進の謹厳実直なキャラクターには好感が持てるのだが、余りにも融通の利かないところには、少しイライラさせられた。
そもそも、彼は、何故、いわれのない罪で藩を追われたのに、身の潔白を証明しようともせず、おとなしく泣き寝入りをしているのか?
彼が、五十両を盗んだという嫌疑をかけられただけで、切腹をしようとすることにも納得がいかないが、それだけの矜持があるのならば、彦根藩で濡れ衣を着せられた時点で、とっくの昔に切腹していてもおかしくないのではないか?
あるいは、自分に嫌疑をかけた両替商に、「五十両が出てきたら首を差し出せ」と迫るところを見ると、相当、激昂しやすい性格のようにも見受けられるが、それだったら、彦根藩でも、すんなりと罪を認め、罰を受け入れたとは思えないので、それなりに反論するなり、抵抗するなりしたのではないか?
それ以前に、両替商にそんな約束をさせたら、もし、五十両が出てきても、命惜しさに隠蔽されてしまう可能性があるので、「五十両が出てきたら、その金で、吉原の遊郭から娘を引き取ってくれ」と頼むべきではなかったのではないか?
それから、自分の清廉潔白さのせいで、多くの同僚を困窮させてしまったことに罪悪感を抱いているとはいえ、彦根藩に戻ることを固辞する姿も、意固地になっているとしか思えない。藩に戻った上で、改めるべきところは改め、困窮している者を救えば良いのではないか?
などと考えながら、クライマックスの復讐劇を観ていたせいで、せっかくの緊迫した碁の勝負にも、派手な大立ち回りにも、すんなりと入り込むことができなかったのは残念だった。
両替商との決着については、タイトルから事前に結末が分かってしまうのだが、それでも、主人公が、「一度決めたら絶対に譲らない」性格を改め、柔軟さを身に付けたことが分かって良かったと思う。
主人公が、困窮する同僚達を助けるために、仇敵が横領した掛け軸を頂戴するくだりも、善い目的のために悪いことを許容するという、彼の人間的な成長(年齢的には円熟?)を実感することができ、これは、これで、納得のいくエンディングになっていた。
こうなると、やはり、最初の冤罪の時点で、主人公が、どうして、それを甘んじて受け入れたのかが気になってしまい、そこのところの詳しい経緯を知りたくなってしまった。
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