碁盤斬りのレビュー・感想・評価
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劇場で見て、正解かも
囲碁の対局中は、嘘偽りない正々堂々戦わねばならない。
その心は、武士の生き方にも似ている。
あらぬ疑いをかけられた主人公が、どう晴らしていくのか。
それを見守る周囲の人は?。
主演の草彅さん他豪華出演陣で。
全く見ずに行ったので、「あれこの人?!」の驚きの連続。
まさかキョンキョンが、あの役ねえ・・・。
囲碁のシーンが4割、残りは人間模様。
ルールは全く知らないけど、碁を打つ音の響きや。
交響曲的音楽が、実に美しく。話を盛りあげてました。
家じゃこんなふうには、響かないもんね。
周いはシルバー世代がたくさん、来てました。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「殺すのか、生かすのか」
身分を囚われず行われた囲碁勝負、面白かった
正義感が強く潔い侍の格之進の姿に共感を持てたけど周りでは様々な負の連鎖が起きていた事には困惑しながら観ました
碁盤を囲む勝負、賭け事から商人との友情は武商の間をぬって当時の力関係も描かれていたと思う
ようやく見つけた仇討ち相手、その後の行方に泣けました
さまざまな美しさが心に染みる
碁盤斬りの舞台挨拶
みんな楽しそうだった
草彅さんは相変わらず天真爛漫で自然体なトークを繰り広げていたが
最後は「覚悟」をもって生きていきたいと
これまた柔らかな表情で心に染みることを言っていた
豪華俳優陣の
お互いへのリスペクトが伝わってきた
その後の本編を拝見して
草彅さんが格之進の人生を生き、格之進として存在している姿を目の当たりにして
深く感動を覚えた
國村さんの繊細で人間味あふれる演技に引き込まれた
中川さんと國村さんがお互いをかばい合う場面は涙が出た
その場面を説得力のある物にしているのは
格之進のえも言われぬ青い業火のような迫力
俳優陣の表現力の奥深さ
脚本の秀逸さ
映像の美しさ
演出の品の良さすべてに魅了された
様式美、心の美学、人情がすべて美しさとして心に染みた
素晴らしい作品を創りたいという職人たちの熱が伝わってくる上質な映画でした
格調高く正統派の時代劇
2回目の鑑賞。草なぎさん、清原さん、國村さん、3人とも苦手だったのですが、(そして今でも苦手ですが)素晴らしいお芝居でした。
特に、國村さんには、何でもない前半のシーンでも、見ていてジーンとしてしまいました。(ストーリー等でなく、その演技自体が)
*評価変わりました
<最初のレビュー>
評価が5でないのは、単に私が主要な人物の方々が苦手なだけ。素晴らしい作品です。
悪役が悪いと映画が締まります。
「死体の人」の人が出ていたのがとてもうれしかった。
囲碁が好きな人には堪らないのでは。
キョンキョンの圧倒的存在感
【追記しました】
・狐狼の血を見たのでさぞかしと思いきや、序盤から中盤にかけては意外とあっさりしてました。
・ラストの殺陣も、ご時世なのか人がバッタバッタと斬られる感じではなかったものの、本懐を遂げるくだりで若干の白石監督っぽさを感じ取れたかな?
・清貧を体現する柳田と元悪徳商人源兵衛が、碁盤を挟んで季節の移ろいの中で交流を深めるところは良いシーンでしたね。碁盤と対峙する源兵衛の心情の変遷を表情で演じわける國村隼人さん、流石の貫禄。
・時代劇には明るくないため考証はわかりませんが、蚊遣や風鈴等の小物にもこだわってるところが良かったです。刀の柄も細かい拘りがありそうです。音響にも注目?です(大きなシアター推奨)回想シーンの映像は、ひと昔の時代劇のようでしたが、技術的な違いをうまく説明できません(^_^;)
・ストーリーについては、それほど捻った脚本構成でもなく、ラストも想定内で着地。特に刺さるところもなしでした。てか人生で二度も窃盗の嫌疑をかけられる柳田の持ってなさよ…
・個人的に、疑いが晴れて、怒りのまま弥吉と源兵衛を斬り捨てようとしたその瞬間「ちょっと待ちな‼︎」と、キョンキョンがスパーーーンと障子を開けて割って入って来て欲しかった。
それを期待させるほどの圧倒的存在感。さすがキョンキョン昭和世代のスーパーアイドル!!女郎屋の女将キャラもピッタリ!
でも娘の身売りと言う最大の危機で、この物語のクライマックスなのに、結局女将キョンキョンの漢気ひとつでチャラになるんかーい!って裏拳が空を切った人も多かったはず。
そもそも除夜の鐘鳴り終わっても翌日の営業開始まで時間あるんやん、そんな悲壮感出して走らんでもええんやん。って言うか清原かやの花魁姿見せて欲しかったわ。
最後は娘の幸せを見届けたあと、兵庫の巻き物をお金に変えて、自分のせいで苦境に陥った人々への贖罪の旅エンド。
昨今、碁のルールを知ってる人はそれほど多くないはずなので、石の下とか何とかのクダリについて、ナレーションなり説明セリフなりで弥吉とか源兵衛に解説させればもう少し興味持てたかもしれません。ここは観客置いてけぼりでした。
それと、日本刀で碁盤をあんな綺麗に真っ二つにできるものなのか、疑問に思った人も多いと思います。
久々の傑作時代劇
白石和彌監督 × 草彅剛くん
今年の日本映画のベストの一本となる傑作時代劇になった。
剛くんが演じたのは冤罪で故郷の彦根藩を追われ妻も失った柳田格之進。清原果耶さん演じる娘のお絹と江戸の貧乏長屋で暮らしていた。
前半の囲碁を打つ無欲で動じない格之進が好きだった。あまりの実直さ故にお絹が可哀想だったのだが。
冤罪事件の真相が明らかになる後半、激しく動揺する格之進も好きだった。
テレビのバラエティーで見る天然な剛くんとは一線を画す力強い格之進がいた。凄い役者さんだと思う。
ちなみに豪華キャストの中でも剛くんと囲碁で対峙する國村隼さんの存在感が圧倒的だった。助演男優賞を総ナメにしそう。
コミなし
格之進、白で6目勝。メッチャクチャ強い。
囲碁が分からなくても楽しめますが、囲まれると石が死んじゃう位の知識はあった方が良いかな?
俳優の演技で、碁盤の優位かどうかを見せるあたり、見ごたえがありました。
良かったです。
時代劇の様式美
原作未読だが、白石和彌監督の『孤狼の血』に感銘を受けたので本作を鑑賞。封切日の初回上映で観客は20人ほど。
彦根藩の進物番「柳田格之進」(草彅剛)は掛け軸の紛失の責任を問われて改易され、妻は琵琶湖で入水自殺してしまう。江戸に流れた格之進と娘「お絹」(清原果耶)は、貧乏長屋に住まう。格之進は篆刻作り、お絹は吉原の遊女屋の女将「お庚」(小泉今日子)から仕立て仕事を引き受けて生計を立てる。
篆刻を納品した帰りに碁会所を覗いた格之進は、こすっからい手口で勝ち誇る両替商「萬屋源兵衛」(國村隼)を見かけ、懲らしめてやれという気持ちから勝負を挑むが、あと一手というところで勝ちを源兵衛に譲る。彦根藩時代に「柴田兵庫」(斎藤工)と囲碁で勝負し、兵庫を追い詰めすぎて刃傷沙汰を招いた苦い経験を思い出したからだった。
萬屋で、質草の茶器を壊された、五百両払えといって脅す浪人者を見かけ、進物番の鑑定眼を活かし、茶器が安物だと看破して、店の窮地を救う。源兵衛は礼金を渡そうとするが、格之進は受け取らない。それでは私と囲碁で勝負して私が勝ったら礼金を受け取ってくれと申し込まれ、わざと負けて金を受け取ることもできたのに、勝負に勝ってしまう。実直な人柄に惹かれた源兵衛は、格之進と水魚の交わりを持つようになる。格之進に感化されて商いのやり方も実直になり、それがまた客の評判を呼んで店はますます繁盛。お絹と萬屋の手代「弥吉」(中川大志)は互いに好意を抱く。
格之進とお絹が萬屋の月見の会に招かれて楽しいひとときを過ごしているとき、彦根藩の後輩「梶木左門」(奥野瑛太)が格之進を訪ねてくる。あることから柴田兵庫を取り調べて、掛け軸を盗んだのは兵庫だと判明したという。格之進の妻が自害したのも、格之進の無実を証言できるのは自分だけだと兵庫に迫られ辱めを受けたのを苦にしてのことだった。兵庫は彦根藩を出奔して行方をくらませたという。
激高した格之進は仇討ちの旅に出ようとするが、そのとき苦悩の表情の弥吉が格之進を訪ねてくる。源兵衛の手元から五十両が紛失した、行方を知っているのは源兵衛と碁を打っていた格之進しか考えられないという。
身に覚えのない格之進は自刃して潔白を証明しようとするが、お絹に盗人の汚名を着せられたまま母上の仇討ちもせずに死ぬのかと制止される。お絹はお庚に身売りして五十両を作る。お庚は、お絹の心意気に惚れたから五十両を貸すが、大晦日までに返済されなければ心を鬼にしてお絹を店に出すと格之進に宣告。五十両を弥吉に渡した格之進は、左門とともに仇討ちの旅に出る——といったストーリー。
草彅さんは諦観を漂わせる主人公がハマり役だ。清原さんは貧乏長屋に咲いた一輪の花の風情だし、斎藤さんも憎々しい敵役を好演している。
ただ、城内で刃傷沙汰を起こしたら、その時点で兵庫も格之進も厳重な処分を下されたのではないかと思う。それに最後、正義にこだわりすぎる格之進のせいで藩を追われた人々の暮らしを助けるために、格之進はせっかく取り返した主君の掛け軸を売り払って金に換えようとするが、これはかなり唐突な感じを受けるし、左門がそれに同意するのも不自然だ。ハードボイルドな『孤狼の血』と違って本作は人情味のある結末だったが、これは監督が時代劇の様式美を尊重したのだろう。
馴染がなくても観やすい時代劇
普段時代劇を好んでは観ないですが、気になり観てきました。静かに始まりワンシーンワンシーンがとても綺麗で繊細で少し違和感がありながらも穏やかな空気から徐々に炎が燃え広がり爆発するような展開が最高でした。終わり方も白石監督って感じで、、、良かったです。
前半後半両方楽しめました
前半は、柳田格之進と萬屋源兵衛のブロマンスを描いた静の映画
後半は、2つの冤罪を解決していく動の映画
草彅剛さんが両方をうまく演じていてとてもよかったです。周りの國村隼さんはもちろんのこと、イケメンなのにちょっと頼りない役の中川大志さん、清貧というイメージそのものの清原果耶さん、みんなよかったです。
すなおに、面白かったです
草彅剛の首
草彅剛はやっぱりすごい役者だ。バラエティーで見せる首がボブルヘッドな姿がおそらく素なのだと思うが、映像の中の彼はどんな作品でも首が座っていて迷いがない。最近では徳川慶喜が良かった。そして本作も普段のイメージを覆すTheサムライを矛盾なく演じきった。新たな代表作だ。(ただテレビで本作の宣伝をするときくらいはビシッと落ち着いてください〜)
筋は、絹さんのタイムプレッシャーをも少しうまく描けなかったかなとは思う。またあの騒動の後、あの二人が祝言に至るにはちょーっと時間がいるのでは?とも。
映像はほぼ満点。清原果耶に小泉今日子と新旧の推し共演で眼福じゃった。他では奥野瑛太が良かった。
主演の草彅さんの役作りが若過ぎでは⁇
か、娘役の清原さんをもっと若い俳優にした方がしっくり来たかも⁉︎(例えば芦田愛菜さんとか田牧そらさんとか、清原さんはある意味ベテランすぎて)
実は時代劇が大好きです。それも実際にあったような…晴れた日は砂がザラつきそうな、、雨の日はこちらも濡れてしまいそうな、、そんな時代劇が好きです。私の中では綺麗な時代劇は時代劇ではありません。演劇です。そういう意味ではこちらの映画は及第点でした。國村隼さんと小泉今日子さんが良い味を出していました。
殺陣の練習たいへんそぅ。
たくみくん悪役、きっちりうまし草なぎくん、舞台オヤジ市村パパ、若手うまし青年中川くん、老舗ベテラン國村さん、歳そぅ応に成長キョンキョン、これからガンバレ清原果耶ちゃん。ラスト辺の中川くんと國村さんの感動演技に涙涙。ここらへんで碁盤斬りの意味が解る。良かったですねぇ。
登場人物の行動原理がよくわからない。
期待していたが、あまり良くなかった。
基本的に主人公の行動に一貫性が感じられない。
清廉潔白な生き方をしていると自ら言うわりには、生活のために稼いだ金を賭け碁に使って失ったり、家賃を滞納し取立屋への言い訳のため娘に嘘をつかせたり、金を盗んだ嫌疑をかけられた際になぜかその金を払おうとして娘を遊郭に売りに出したり、碁会所で果たし合いを勝手に始めそのせいで死人まで出し周囲に迷惑をかけたにも関わらず詫び一ついれずにその場から去ったり、苦労して奪還した軸を盗んだり、そして最後は失踪(?)したりすると挙げればキリがない。どれも心理描写がないので行き当たりばったりの行動にしか見えないのである。基本的に自分にしかベクトルが向いていない感じ。
その上、急にキレだすきらいがあり、情緒にも問題があるようにも見える。
武士は恥を晒して生きるよりも自ら腹を斬るか、雪辱を果たすしかないといった精神性を描きたかったのかもしれないが、町人相手に情けもなく首を取ろうとするのは武士の行動なのだろうか?そもそも武士らしい人格を持っているようには見えず説得力がないので、やはり情緒が不安定な人にしか見えなかった。
小説が原作のようだがそちらではそれらの行動の変化について心理的な描写があるのだろうか?少なくともこの映像からはそれがまったく感じられなかったのが残念。
主人公の周りの人間も不器用な人が多すぎる。もっと上手くやれば大事にならなかったような出来事ばかりで見ていてストレスを感じた。娘もあれほどひどい目に会ったにもかかわらずその元凶となった家に嫁ぐのは無理があるのでは?碁盤斬ったから全部水に流すってそんな理屈は理解できない。
あと例の碁盤斬りのシーン、斬ったあと何も起こらずに少し立ってから碁盤が割れるみたいな演出はさすがに寒いからやめて欲しい。普通に斬って二つになった様子だけ見せてくれれば良い。劇場では観客から失笑が起こっていた。てっきり昔修めた剣術流派の奥義が「碁盤斬り」で、相手を碁の目のように十文字に斬るとか、必死の状況で逆転する剣みたいなものを想像していたが全然違った。
藤沢周平の隠し剣シリーズのような浪漫を期待していたが、タイトルの回収方法があまりにも安っぽく本格時代劇には到底なりえないと思う。
と思っていたが、これ落語が元なのか。
どうりでリアリティのない展開が続くわけだ。
これは武士道なのか?
草彅剛、清原果耶、國村隼ら俳優陣の演技はよかったと思うし、中盤までは楽しめたのですが、途中からの展開に納得できなくてちょっと冷めた目で見ていたので、ラストもあまり感動しませんでした。近くの席でスマートウォッチを何度も光らせて、うっとうしかったおばさんが泣いていたのでよけい白けてしまいました・・・
まず最初で、滞納していた家賃を払うためのなけなしのお金を、一時の感情のまま失うダメさ加減にイラっとしましたが、それは一本気な武士のありさまとして受け入れはしました。しかし中盤のある場面からはあまりにも展開がバカバカしくて脚本家に腹が立っていました。いくつかを列挙すると、
①50両のことを確認するために番頭に言われるまま中川大志が草彅に話をしに行くけど、あれだけ一本気の武士に疑いをかけたらどうなるかは火を見るより明らかなのに、大旦那の了承も得ずにノコノコ言いに行くなんてありえないです。しかも街中で。脳みそないんじゃないですか?
②草彅も疑いをかけられただけで、なぜそれを弁償しようとするのか意味が分かりません。しかも愛する娘を女郎屋に預けてまで。そもそも50両返したら、盗んだことを認めることになりませんか?
③草彅が50両を持って行ったときに、中川に冤罪の時は命をもらう約束をしましたが、その時大旦那の命ももらうといい、それを勝手に中川がOKを出したのでずっこけました。いや他人の、それも命の恩人の大旦那の命を何だと思っているのでしょうか?
④女郎屋の小泉今日子は、足抜けしようとした女郎には鬼の扱いをしたのに、自分が気に入っている清原には甘いんですね。てっきり期日を過ぎたのでそこは約束通り女郎にすると思ったのに、あっさり帰すなんて拍子抜けしました。草彅も武士なのに、都合のいい時は約束をたがえてもあっさり受け入れるんですね。
⑤最後に國村と中川がお互いにかばい合う場面も結果が見えちゃってるので、茶番にしか見えませんでした。だってあの状況で映画のタイトルが「碁盤切り」ですよ。誰だってオチは見え見えですよ。見ていて「あー、はいはい予定調和ですよね」と思っちゃいました。
⑥一番腹が立つのは性悪説の塊の番頭ですが、こいつのせいでトラブルが発生しているのに、大旦那はなぜかクビにせずにそばに置いているのが不思議です。ラストの祝言でも音頭を取っているし・・・
⑦あとは碁会所での殺陣の場面ですが、なかなか草彅に刀を渡さないのは、ハラハラさせるためなんでしょうか。ほかのサンピンたちの一人が渡せば簡単なんですがね。
⑧最後に草彅が清廉潔白なだけではだめだと悟り、お金を藩にいた人たちに渡すために旅立つのだと思いますが、そもそもその人たちは草彅のせいで不幸になったのではないのに、なぜか責任を感じているのがよくわからないです。斎藤工が「お前が藩主に直訴したからだ」とか言っていましたが、いや、お前が草彅を陥れるために画策したことが原因だろうと突っ込みを入れてしまいました。
と、いろいろ書いてしまいました。脚本さえちゃんとしていたらもっといい話になったと思うので残念です。
見応えあり!ただし、囲碁・落語・江戸時代に関心がない人は辛い作品か
映画で時代劇を観るのは初めて。
今回の作品は草彅剛が、映画の時代劇初めてであることと、白石和彌監督作品、落語の演目をベースにした作品が気になったので鑑賞した。
草彅剛の時代劇はパンフレットによると舞台蒲田行進曲以来とのこと。
作品は見応えがあった。後半は時代劇でもおなじみの設定だったが、草彅剛をはじめ出演者の演技に説得力があった。囲碁のシーンは素晴らしかった。
白石監督さすが。
ただ、囲碁や吉原、落語や時代劇に詳しくない人には辛いかもしれない。
見事な作品でした。
囲碁、時代劇、落語、江戸時代に関心がある方はおすすめしたい作品です。
ちなみに囲碁の日本棋院も撮影に協力していて囲碁ファンなら御馴染みの井山三冠と藤沢女流二冠がエキストラで出演していたとの事ですが、全然見つかりませんでした。
良質の時代劇。画竜点睛を欠く
ストーリー、脚本、伏線の張り方や回収の仕方、人間ドラマ、役者の演技の質や各登場人物の個性の表現方法(カット割りなども)など、あらゆる点が素晴らしかったです。お見事でした。
ここ十年二十年の作品では記憶にないくらい良質な時代劇作品でした。また、國村隼さんの演技とそれを中心としたカットがあまりに素晴らしかったです。キャリアでも一番と感じるほどの記憶に残る名演でした。
最後の最後、あるワンカットが今までの流れから急に変化して意味不明&説明不足で置いてけぼりになり消化不良になりましたがその点以外は本当に非の打ち所がありませんでした。
貪れば勝ちを得ず
身に覚えのない罪を着せられ、彦根藩をおわれ浪人となり、
娘お絹と二人、江戸の貧乏長屋で暮らしていた、柳田格之進。
実直な性格、そして武士としてのプライドを併せ持っている。
趣味の囲碁においては人柄が表れ、嘘偽りない勝負を心掛けていた。
そんなある日、訪ねてきたかつての同僚、旧藩士より冤罪の真相を聞き、
復讐を決意。ところが時同じくして、新たな冤罪、嫌疑がかけられる。。。
予備知識なかったけど、評判がよかったので、観に行ったが、
もっと時代劇かと思ったら、ちょっと違った。
おまけに囲碁はわからないし・・・
ただ、冤罪の真相を聞いてからの格之進の変貌には驚き。
そして、復習、仇討ちのため、旅に出るわ、娘は吉原に行くわ。
ラストでは碁盤が・・・タイトル回収~
でも、あの掛け軸はどうしたのよ、まさかエンディングの資金?
そして、ハッピーエンドかと思いきや、彼はいずこへ?笑
主人公格之進役の草なぎ剛さん、性格や表情の変化、
前半は静寂、後半は熱いものを前面に出しての仇討ち、まさに復習の鬼、
さすがでした。
娘お絹さん役の清原果耶さん、可愛らしいですね。
先日の青春18に続けての映画でしたが、すっかりファンです笑
萬屋源兵衛役の國村準さん、さすがの渋さ。ちはやふるの先生だもんな。
でも、お金をちゃんと・・・
それに、柳田さん信じているのなら、もう少し対応の仕方があったのでは。
弥吉役は中川大志さん、こういう弱々しい役もとても合うよね。
番頭さんの言いなり、そしてあらぬ疑い、ダメっぷりがばっちり。
お庚役は小泉今日子さん、久しぶりに観たよキョンキョン。
お絹さんだけひいきしてるし。
敵である柴田兵庫役の斎藤工さん、かっこいいのに、嫌な役でした。
六尺の大男、やっぱり仕込んでいたか、って。
役者さんの芝居はさすがの一言だったのだが、
ストーリーがいまいち入ってこなかった。
貪れば勝ちを得ずという言葉だけが頭に残り、
映画を観終わった後、スマホでメモに書き留めた。
・・・映画終わってから、ネットで見て知ったのだが、
柳田格之進というのは、古典落語の演目らしい。
別名として「柳田の堪忍袋」「碁盤割」とか。
なるほど。。。笑
現代にはもう無い真っ直ぐ過ぎる生き方
とにかく真っ直ぐな生き方をする主人公。
多くの人に影響を与えているが、今を生きている自分からすると、それは多くの人に迷惑をかけた生き方になってしまっているのではとも思い、価値観の違いと価値観は変化していくことなのだと考えさせられた。
役者陣の演技はさすがで特に草彅剛の演技には真っ直ぐ過ぎることによる恐怖を感じることができとても楽しめた。
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