劇場公開日 2024年5月17日

「切り離された白と黒」碁盤斬り ジョーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5切り離された白と黒

2024年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

「碁盤斬り」という意味を悟る前と悟った後では気色が変わる。
復讐の意味も変わってみえる。
復讐がなぜかスタイリッシュになる。
碁という文化がなせる業か。
碁に勝ち負けを求めない主人公の世界観も伝わってくる。
ある事件で藩を追われ、江戸の長屋で素浪人生活を送る彼に、粋を感じる。
古典落語の演題をここまでアレンジした白石監督の想像力に感服。
武士の誇りとやらを渇いた感性で包み込む、草なぎ剛の演技力も凄みがある。
脇を固めた斎藤工、国村準、小泉今日子の演技には風情を感じる。
白黒決するのが碁であるなら、ここでいう碁には、切り離された白と黒の陽炎が揺らめいているような気がした。

ジョー