「柳田格之進だった」碁盤斬り taさんの映画レビュー(感想・評価)
柳田格之進だった
落語の柳田格之進を聴いていたので、どこまで柳田格之進なんだろうという気持ちで観ていた。
思った以上に柳田格之進だった!
SMAPの頃から役者の草彅剛さんがすきだったのだけど、碁盤切りも素敵でした。
碁盤のアップや、碁を置く手の動きや、光の差し込み方や、碁を置く音まで、とても美しく描写されていて、碁がわからなくても、あれほどまでに夢中になる気持ちがわかるような気さえした。
中川大志さんがとてもいいなと思ったし、キョンキョンもとてもよかった!
ただ、武士道を全面に押し出している割に、娘も刀も売ってしまったところはちょっと…と思ってしまった。
落語では娘を売るのがポピュラー。
武士にとって刀は命より大事みたいな位置付けらしいから。
現代において、娘より刀のが大事ってのは意味不明なのですが、現代の人に合わせてか、娘ではなく刀を売るという落語もある。
わたしは娘でなく刀を売って欲しいけど。
映画としては、あの時代になぞって娘を売ったんだなと。
刀まで売るのはちがう!って言いたいが、もうそんな事はどうでもいい。
娘が無事だったことにホッとして涙が出た。
全体的に面白かったし、音楽もとてもよかったし、時代劇は見ないわたしにとっても、あっという間に終わるほど夢中で観れたから。
無念を果たして吉原へ向かう途中の橋の上を走るシルエットが妙に印象に残った。
多分、時代劇の良いとこが凝縮されたシーンだったんじゃないかな。ちょっとモヤがかかってとてもハッとするような景色だった。
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