「許すというのがこの作品のテーマかも?」碁盤斬り 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
許すというのがこの作品のテーマかも?
色々な事実が少しずつ明らかになってくるので、ある意味どんでん返しの応酬のようなところがある作品でした。私は武士の生き方については不勉強ですが、一度抜いた刀は決着をつけなければ鞘に戻せないとか、一度約束したことは覆すことができないというその堅苦しさに、すごい不自由さを感じていました。草彅剛は1つの藩の中で、中堅どころの侍ですから、武士の掟を守らなければならない立場です。その掟のようなものを、最後の題名にある碁盤切りというシーン(題名の意味がそこで分かります)で、二人の商人を許します。そこに到達するまでハラハラドキドキでした。また、吉原の遊郭を営む鬼の女将の小泉今日子が、清原伽耶が遊女になる約束を許すシーンも、まるでサプライズのようで、泣けてしまいました。そしてさらにもう1つ。藩に持ち帰るべき高価な掛け軸を、同僚が目をつぶって草彅剛に渡すシーンも、1つの許しでした。この3っつの許しは、まさに宇宙(神)の許しのようで、ガツンと心に迫ってくるものがありました。元々草彅剛は真っ正直すぎる上に、何事も正義でなければ行ってはならないという堅物でした(武士の生き方の見本)。その堅物のせいで、多くの藩士に迷惑をかけてしまったという過去も持っています。その贖罪のために、掛け軸を売って、藩士のために尽くそうと最後に一人で旅に出ますが、その行為も堅物ゆえかもしれませんが、観ている方はホッと心が癒されたような気がして安堵しました。
追記 あと3っつの私の感じたものは次の通り。1吉原も舞台になっていて興味深い2囲碁の世界にハマりそう3清原伽耶が娘としてあまりにもできすぎていて好きになりそう笑。
共感ありがとうございます。
許し、キーワードだと思いました。あとガチガチに肩肘張っていても良い方向にばかりは行かない、周囲に助けてもらうのに甘えるのも手だと学んだ事ですかね。