「ピストル」ビデオドローム 4K ディレクターズカット版 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
ピストル
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ティザーやポスターに載っているブラウン管からラバーのように伸張するあの形はピストルを掲げている事が観賞で分った程、今作の情報はなるべく入れないようにした 初見では、指差ししてるとばかり思ってて、『テレビを捨て街に出よ』的な、寺山修司臭を感じたのだが(苦笑
エログロが表現として携っているという情報だが、現在のレベルに置き比べるとかなり易しく演出されている 台詞では"四肢切断"等が語られていたが、もっと前に、邦画では残虐時代劇が上映されていたりして、シネフィルな人達からすれば甘い内容だったと思うし、自分もそこまで残虐性は感じないのは、私も、このヴィデオドロームに堕ちてしまっていることの証拠であろう 特にエロ漫画なんか観ていると、こんなレベルではなくトコトン非人間性を追求している作風も多く、あっという間にその世界に取り込まれてしまう 今作の主人公の気持が痛い程理解出来る 監督はその危険性を説いているのか、それとも、デビルマンのラストのように残虐性をトコトン解放する表象を突きつけているのか、兎に角、マグマのような心の叫びを一本の作品に仕上げたという、咆吼を感じてしまったのである 私は"滅びるならば全て灰になってしまえ派"なので、ラストの自死は取って付けたような収拾に些か寂しさを禁じ得ないが、映画的には正解なのかも知れない
つまりは、私は病院に行った方がいいという事を教えてくれた作品である(苦笑
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