「政界ねっとり、家族もねっとり」おまえの罪を自白しろ xmasrose3105さんの映画レビュー(感想・評価)
政界ねっとり、家族もねっとり
政界だけでなく、企業やあらゆる組織にはびこる、ねっとりとした力の駆け引き。ああ、そうでしょうね、そうでしょうね、どこもかしこも結局は同じ。汚れ役を請け負うことで、利権を得る。J事務所だけじゃないでしょう。
その駆け引きに才がある人は、出世の階段を駆け上がっていく。なにかもう一段深い志しがあればまだしも。
駆け引きを繰り返すうちに、初めの志しも忘れてしまう。
このお父さん(堤さん)のように。
慣れとは怖いですね。
根はそこまで腹黒ではない。
元は下町の苦労人。
副大臣にまでなりました。
が、なんのため利権が欲しかったのか。
そうか、自分じゃなくって総理が欲しがっていたんだっけ。
総理のため。
でも尽くしてあげたって、昨日の味方は今日の敵。
結局は総理もただの自己保身おじさん。
利用しあうだけの関係性でした。
末娘役のイライザさん、脇役ながら重要。
この方の芯の強さ。控えめながら、決して従順ではない。
ムコ殿、幸い心根の優しい議員さん。
でも父や夫が政治家やってると、家族も周囲に愛想振りまかざるをえない。
人気商売だものね。
それなのに、辛抱して生きる彼女と娘に不幸が襲いかかる。
彼女は負傷し、娘は誘拐される。
いろんな因果や運命が、まさかの模様で織られている。
実際の人生もそうでしょう。
次男坊(中島健人さん)。
なんか特徴無さそうですが、徐々に開眼していきます。
肝が太い。
後々長男坊が妬まなければよいですが...
二人はお父さんへの恨み、ないのでしょうか。
まさかの運命の糸。町工場家族。
彼らだって、なんのために工場を大きくしようとしたのか。
初めは家族の幸せのためだったかもしれない。
が、しまいにはお金のため、そしてそれさえ頓挫して、罵り合い、最悪の結末に。
それでも女は自分が孤独になりたくないがために、隠蔽する。
自己保身。
誰かを責めたところで、
じゃあ自分は無実なのか?
自分の中のねっとりとした闇の黒さを、見つめる覚悟。
それがあるか無いかの違いは大きい。
政治家もファミリー・ビジネスなんですね。
マフィアのように。
警察とも「ねっとり関係」、似ていますね。
未来や展望は、どうやったら生まれるのでしょう?
きれい事ばかりじゃダメにしても、
この「ねっとり」に絡みとられ、変われなさすぎるのも危険な兆候。
誰かの失脚によって、思わぬ運命でお鉢が回ってくる。
変化が起きるのは、そういう偶然が多いのかもしれません。