「毎日が木曜日」アナログ 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
毎日が木曜日
2023年映画館鑑賞62作品目
11月3日(金)イオンシネマ新利府
dポイント−300円→1500円
原作未読
原作は『教祖誕生』のビートたけし
監督は『鳩の撃退法』のタカハタ秀太
脚本は『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』『あゝ、荒野 前篇・後編』『宮本から君へ』『MOTHER マザー』『とんび』の港岳彦
あらすじ
喫茶店ピアノで出会ったことをきっかけに付き合い始めた男女の恋物語
毎週木曜日に喫茶店ピアノで会う約束をしている悟とみゆき
ある日浜辺で糸電話を使いプロポーズをした悟だったがあまりにも遠いためか波の音が邪魔してかみゆきには聞こえていない様子だった
突然みゆきが木曜日に来なくなった
タクシーでピアノに移動中の追突事故でみゆきは意思疎通ができない脳障害及び下半身麻痺で車椅子生活を送っていた
みゆきの姉の香津美にみゆきの日記を読ませてもらった悟は香津美に頼み込んで毎日少しでもみゆきに会うことを決心した
ビートたけし原作の純愛小説を元にしている
酔った勢いで恋愛小説は書けるが酔っ払いながら映画監督をやるようではスタッフや俳優から顰蹙を買うし『首』のスケジュールの関係もあるんだろう
監督は北野武ではない
以前北川悦吏子が脚本を担当した木村拓哉常盤貴子共演のTBSドラマ『ビューティフルライフ』をディスってたビートたけしだが『アナログ』は若干だが設定が似ている
ビートたけしも歳を重ね視野が広がり大人になったのだろう
小説を発表し若い女性インタビュアー相手に「アレが役に立たなくなったから純愛小説を書き始めた」というニュアンスで語り始めたのがビートたけしらしい
突拍子もない発言をして滑るか下ネタで笑いを取るしかないビートたけしだが元相方のきよしが突っ込めば少しは救われたかもしれない
まっありふれた話のような気がする
映画でCGを嫌う北野武らしい話である
ありふれている故にそこそこハマる人は多いかもしれない
展開が読めるしこのタイプの作品は本来なら映画館で観ないのだがやはりそこは知識人でもあるビートたけし作品だから映画好きとしては観ないわけにはいかなかった
うまく言えないが編集が2シーン1回ずつ不自然に飛んだ
焼鳥屋のシーンはあれを数回やるから様になるわけで1回では意味がないというか不快
映写機の方に問題があったのかなと思ってしまう
鈴木が演じた上司岩本は横文字を多用するが気取っているだけでルー大柴のような熱量は感じられなかった
そこはインテリアデザイン企業の管理職となかなか売れなかった芸人の違いかもしれない
佐津川がちょっとだけ太ったような気がするが役者馬鹿の彼女だから監督から頼まれたわけでもないのに役作りのためか体重を増やしたのかもしれない
夫や子供の残り物を勿体無いからときれいに食べてしまい太ってしまう主婦あるあるだが体重が増えたというのも自分の気のせいかもしれない
板谷由夏の涙にもらい泣きした
どちらかと言うと好きなタイプの女性俳優だからかもしれない
今回のリリー・フランキーは上品な方だ
ラストシーンは決勝で対戦するウォーズマンが怖くて逃げ出そうとするキン肉マンをベアークローで脳障害を負い車椅子生活を送ることなったラーメンマンが手を握り激励する名場面を彷彿させた
配役
顧客のためCGではなく手作りの模型を作ることをモットーにしているインテリアデザイナーの水島悟に二宮和也
ピアニストの夫と死別後バイオリンを辞め現在は小さな雑貨輸入会社で働くいまどき携帯電話を持たない美春みゆきに波瑠
悟の幼馴染で独身の高木淳一に桐谷健太
悟の幼馴染で妻子持ちの山下良雄に浜野謙太
悟が転勤した大阪支社の後輩の島田紘也に藤原丈一郎
玲子の主治医の浅井陽子に坂井真紀
悟がデザインを担当するイタリアンレストランのオーナーの椎名順子に筒井真理子
島田の上司の高橋俊和に宮川大輔
山下の妻の山下香織に佐津川愛美
東京本社の悟の上司で横文字を多用する岩本修三に鈴木浩介
みゆきの姉の香津美に板谷由夏
癌で入院中の悟の母の水島玲子に高橋惠子
喫茶店『ピアノ』のマスターの田宮にリリー・フランキー