プーチンより愛を込めてのレビュー・感想・評価
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貴重な映像
プーチンが大国ロシアの大統領となり、指導者となる様を描いた貴重なドキュメンタリー映像です。
映画のパンフレットに監督のインタビュー記事がありますが監督は
「自由は美しくデリケートな花で、絶え間ないケア、直射日光からの保護、水やり、風からの保護が必要です。自由は非常にデリケートで傷つきやすい生物であり、注意深く監視することが必要です。そのため、自由を守ってください。自由がなければ人生に意味がないので、注意深く、慎ましく自由を庇護してください。(略)どの国であっても、どの民族であっても、自由と民主主義が保証されているわけではないと強く申し上げておきたいです。」と自由の大切さを力説しています。これは、同じパンフレットに記載がありますが、プーチン大統領が就任して1年目に、全ての独立系のメディアを根絶してしまったことを受けての感想になると思っています。
私は常々、自由である国、日本に生まれたことに感謝しています。ロシアとプーチン大統領に興味のある方にはお薦めします。素晴らしい映画を製作してくれた監督と関係者のみなさまのご尽力に深く感謝いたします。
ありがとうございました。
プーチンのしたたかさと選んだエリツィンのマヌケさ
1999年12月31日、ロシア連邦初代大統領エリツィンが辞任し、後継者としてプーチンを指名した。3カ月後に行われる大統領選挙までの間、プーチンは大統領代行として執務に当たった。プーチン大統領候補の選挙用PR動画の撮影を開始したマンスキー監督は、大統領選挙への出馬表明も公約発表もしないまま、全国を駆け巡り問題を解決し、実質の“選挙運動”を展開するプーチンの姿を記録していった。プーチンが大統領代行に就任してから2000年3月の選挙で51%の得票を得て大統領となり、2021年の新年を迎えるまでの1年間を追ったドキュメンタリー。
選挙運動では控えめな印象のプーチンだったが、エリツィンの指名で大統領になったようなものなのに、エリツィンが当選祝いの電話をしても出ず、折返すと返事しておいて、1時間半経っても無視。結局電話はしなかったらしい。
当選直後から恩を仇で返すような事を平気でやってた人物だとわかる。
その時の選挙事務所にいた人たちのうちほとんどが追放されたり不可解な死亡をしたりと、プーチンは権力を握るまではおとなしくしてて、一旦トップに立つと並び立とうとするものを次々と粛清していく、怖い奴だとわかる。
ソ連回帰が目的だとわかり、エリツィンが言ってた、プーチンになったら自由が拡大、なんで夢の夢。
題名はプーチンより愛を込めて、だが、プーチンから愛は全く感じられなかった。この邦題は皮肉なのだろう。
それと、もう20年以上前の映像ばかりで、それからのプーチンを追っかける事が出来てたらもっと良かったが、プーチンが消えるまで、それは無理なんだろう。
奴がウクライナ戦争に負けて戦争犯罪者になった時の楽しみにしておこうと思う。
人は見かけによらないこともある
プーチンは不気味な人物という印象だったが、映像を見る限り意外と親しみやすく、気軽に会話、反論もできる感じ。これが曲者たる所以なのかも。
小柄で控えめで腰が低く、声のトーンが高めで早口でよく喋る。威圧感がない。
遅刻グセがあり叱られるし、嘘が言えない(言葉を濁す)ところも人に対して強気に出られないタイプに見える。
エリツィンみたいな堂々たる体躯で重厚で口の重いタイプだと人々はその存在を重く感じるが、プーチンみたいな人にはどうだろう、無意識に格下認定して軽く見てしまう傾向がないか。
それがプーチンには逆にアドバンテージになったかも。
彼の異例の出世には、周囲の警戒感を薄める存在感の軽さが役立っていないかと思う。
中身は自身の考えに鉄の確信を持ち、実に用意周到で目的遂行の障害は躊躇なく排除する恐るべき性質なのだ。
次期大統領をプーチンに譲ってからのエリツィンをしつこく追っていたのも興味深かった。
大統領当選の本人からの一報の電話をそわそわ待つがついに連絡なし、の心中、当選から1年後の様子からは、子飼いのはずのプーチンにしてやられた、自分は用済みなのが確定した屈辱感がもろに伝わってきて「歴史上の人物」の人間性を直に観られるとは凄いことだと思った。
だけど、いくら密着取材が命とはいえ、入浴中の娘をしつこく撮るのはいかがなものでしょうか。(怒らせて相手の本性を出させる手法、ってことですかね)
プーチン大統領就任後、次々離れていった側近たちへのインタビューがあったら観たい。
生き伸びた人たち限定ですが。 …おそろしあ。
“執拗に”迫られたプーチンの本音
ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンの素顔に迫ったドキュメンタリーとなっているが、密着したのは2000年から翌年までで、完成したのは2018年。監督は、当時大統領候補だったプーチンの選挙用PR動画の撮影を担当した人物で、本作はその映像をベースに作られている。
現在の視点で本作を観ると、なぜプーチンがウクライナ侵攻をしたのかが遠回しに見えてくる。「若さや過去は戻らないが、生活が昔より悪くならないように良くする事はできる」。ここで言う「昔」とは旧ソ連時代ではない。それは、続けて「国民の大半はソ連時代を懐かしく思っている」と言い切っている点でも明らか。大統領になった事で彼は懐古主義を現実にしていったのか。
一方で、プーチンを任命したエリツィン前大統領にも触れているが、テレビに映ったゴルバチョフ元大統領を見るのを拒んだり、大統領に当選したプーチンにお祝いの電話をかけ、折り返しの電話を待ち続ける彼の素顔に“執拗に”迫っているのも興味深い。
この“執拗に”というのはドキュメンタリー映画の定石。冒頭での嫌がる妻や娘にカメラを“執拗に”向けたように(成り行き上とはいえ、さすがに入浴中の娘に迫るのには驚いたが)、終盤で監督は政策への不満をやんわりとながらも、プーチンに“執拗に”ぶつけていく。
ドキュメンタリー作家は被写体の信頼を得る必要があるが、被写体の本音を引き出すには“執拗に”ならざるを得ない時もあり、そうなると途端に不信を与えてしまう。
“執拗に”迫った挙句、ロシアから逮捕状を出された監督。皮肉混じりに『プーチンより愛を込めて』という邦題を付けたのだろうが、やっぱりここは監督を指す原題『プーチンの証人』がしっくりくる。
今のプー様と昔のプー様。
ウクライナ戦争が始まり、このおっさんに改めて興味が湧いた。エリツィンとの関係もわかりやすかった。
昔を懐かしみ、その復興を夢見る人、プーチンや故安倍氏はそこに良い思い出や憧れがある人だ。だからそれを維持するために強硬な手段を使うことになんの躊躇いもない。多かれ少なかれ巨大な国を纏めると言う事はそういう部分が必要だとは思う。
問題はそのやり方と、考え方だ。
プーチンは間違いなく強いソビエト時代を愛する愛国者ではあるが、ウクライナに関しては元カノに一方的な愛情で付き纏うただのDV男になりさがった。
さて映画は夢や希望に満ち溢れた初々しいプーチンが見れる。強力な後ろ盾があるせいだと思うけど堂々としててカッコいい。
民主化されて浮かれていた国民がマスコミや企業を皮切りにどんどん統制されていく様は日本の最近の状況を思い出し、いやな汗がでた。当時の側近達も去っていく。まとめは旧国歌復活問題だったが歌詞を変えた事でプーチンとしてはかなり譲歩したつもりだったのだろう。
しかしよい記憶として残る人が居るように、最悪の記憶として刻み込まれている人達も居るのだ。
上映館は池袋と本厚木しかなく、どちらも同じぐらい遠いので本厚木に...
上映館は池袋と本厚木しかなく、どちらも同じぐらい遠いので本厚木に行った。
エリツインは、自国ロシアを売り飛ばした男とのイメージしか持っていなかったが、後継者にプーチンを選んだという偉業を最近知って、エリツインを見直していた。エリツインもプーチンも愛国者だが、人材の活用も含めた実務能力の差が出てしまったのか?。
ロシア国歌を新たに制定するにあたって、ソ連時代の国家のメロディに新たな詞にすることで国歌とするプーチンの判断に共感を覚えた。ソ連時代の善し悪しはともかく、その時の国歌は人生と共に慣れ親しんだものであり、それが全く無くなるという事は人生を否定されたようなもの。国家の体制が変わっったのだから詞は変わらずを得ないが、せめてメロディは残すというプーチンの優しさを感じた。
報道規制、反体制の投獄や抹殺、そんなものはどこの国、少なくともアメリカでもやっていることは明らかだ。ただ違うのはプーチンはロシアを守るために行っているのだ。
プーチンは世界一の自国を守る国士だと思う。
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