ダークグラスのレビュー・感想・評価
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昼間のローマに漂う不気味な雰囲気も怖い
変質者、ストーカー殺人、ダークネス、スプラッタ、シンセサウンド、というコンセプトをデビュー以来貫いているイタリアンホラーのレジェンド、ダリオ・アルジェント10年ぶりの監督作はやっぱり同じ設えだった。
見えないハンデを突いてくる血みどろの惨劇が、無機質の音の増幅によって繰り返される時の、なんとも言えない快感はアルジェントならでは。これを古いと取るか、懐かしいと取るかは世代によってまちまちだろうが、もし、同じことをハリウッド映画でやったら、この退廃感は出なかったと思う。惨劇は夜に起きることが多いが、傘を広げたような形状からイタリア笠松と呼ばれる木々が側道に聳える昼間の街に漂う、不気味な雰囲気には魅了される。たとえ、時々度を越した残酷描写に若干引いたとしても。
殺人者に付け狙われる娼婦と中国人の少年の間に芽生える友情は、ジョン・カサベテスの名作『グロリア』を彷彿とさせるところが新鮮だ。欲を言えば、当初音楽を担当するはずだったダフト・パンクとのコラボが実現していたら、より映像と音の融合が楽しめたはず。アルジェント現在82歳。若々しい感性は鈍ってないと感じた。
見えないんだから・・・
主人公は娼婦、連続殺人鬼のサイコパスに命を狙われ、生き延びるも視力を失ってしまう。
巻き添えを食らった中国人少年と一緒に暮らし始めるが、再び魔の手が・・・。
盲目の設定があまり生かされず、ちょっと残念だったが、久しぶりのダリオ・アルジェント監督を楽しむ。
盲目の娼婦と中国人の少年
10年ぶりの──という謳い文句だが、行き当たりばったりみたいな筋書きと派生みたいな出来事で構成された猟奇殺人の話。82歳にしていつものダリオアルジェントだった。
日食、盲目、白杖、アグレッシヴな盲導犬、水蛇。ディティールに相関性はなく、唐突で過剰。どのシークエンスも「いったいなにやってんだこのひとたちは」というばかばかしさ。
だが雰囲気は楽しかった。
盲目の娼婦と中国人少年の異色コンビ。主人公Ilenia Pastorelliの誇張の激しい恐怖演技。Ilenia Pastorelliは盛りを過ぎた感じながら、痩身なのにメリハリもあって、好ましいあばずれ感があった。イタリアで人気のリアリティ番組で有名になった人だそうだ。笑うところは一切ない映画だが終始可笑しかった。
娼婦と少年の逃避行になっているのがグロリア(1980)風で、多少そこをドラマ盛りにしてもいいはずだが、なにがなんでもジャッロでもっていく。虚栄心のない筋金入りのダリオアルジェントだった。
ホラーは新しいアイデア披露の場でありジャンルである。アリアスターやジョーダンピールなんかを見ると「恐怖映画も進化したものだなあ」と思う。
かえりみるとダリオアルジェントもかつては旗手であり、80年代(アルジェントが書いた)デモンズは当時新しいホラーとしてもてはやされた。フェノミナやシャドーもあのころとしてみれば今のA24みたいな鳴り物入りだったように思う。
ただし前期を深い紅として後期をシャドーとすると、前期は不完全なアントニオーニのようで後期は不完全なデパルマのようだった。個人的には一貫性をもたない山っ気な監督とみている。
いったい何度愛娘の惨殺シーンを撮ってきたか解らないが娘アーシアの惨殺シーンで家族愛がつたわってくる人もめずらしい。ご高齢とはいえ健在なのはわかった。
imdb5.1、RottenTomatoes52%と40%。
終始グダグダ
ジャンルを知らずに見始めた。サスペンスだと思ったけど、ホラーなの?
登場人物の行動が徹頭徹尾グダグダでイライラした。
追ってくる車から逃げるためスピードを上げて事故る。
迫ってくる車に発砲してはねられる刑事。
不用意に運転席に近づいて倒される刑事。
電話して犯人を呼び寄せる中国人のガキ。
暗い森に逃げ込んだのに声で敵を呼び寄せる。
茂みに隠れたのにヘビごときでキャーキャー。
隠れ家を見つけたのに誰か来たって閉じこもらない。
犬をちゃんと繋いでおかず鍵もしっかり掛けてなくて噛み殺される犯人。
まぁでも意外と現実なんてこんなもん?グダグダかもね。現実ってホラー。
主人公の娼婦は命を狙われるほどのことはしていないと思うが、殺人鬼の...
主人公の娼婦は命を狙われるほどのことはしていないと思うが、殺人鬼の恨みを買ったのは事実。
しかし、なぜ歩行訓練者の女性まで襲われたかが理解できない。
娼婦ばかりが狙われることに何らかの意図があると思っていたのだが。
心地良い映画
アルジェント作品は四匹の蝿以来でいろいろすっ飛ばして最新作を観たが、なかなかの古典具合もさながら設定はシンプルで王道であり観やすい。
演出はこってりだが人の命はアッサリと失われていく様はエンタメになっており気落ちせず観られる。
あーあ
色彩やテンポや内容など全てがアルジェントの昔の作品を見て来た期待感からするとかなりがっかりで劇場に行かなくて本当に良かったと思うくらい見せ場もなにも無く淡々と終わるのがキツかったです! みんなこれくらいの評価なのが納得です。
やはり初期の作品は凄かったってつくづく思います。
アルジェント信者は我慢が大切
一貫性のない描写、突然鳴り響く音響
論理的整合がないストーリー
これらすべてを飲み込んでのアルジェント作品ではあるが
さすがに今作はどうなんでしょうね。
後半のグダグダ感はアルジェント健在だが
前半がなまじっかまともな音楽
残酷シーンも少なく
普通のこじんまりした作品に見えた分
トータルとして期待感に届かなかった。
けど100点
2
イオンシネマ草津 20230412
パンフ購入
斬新で芸術的なホラー
娼婦ばかりを狙う連続殺人事件を題材にしたブラインドホラー。ホラーでありながら斬新で芸術的なビジュアルとポップな音楽の融合が印象的。非常にテンポの良い展開で短時間で上手く纏まられていて目を覆いたくなるような残虐な殺人シーンも見どころです。
2023-87
サスペリア2
いよいよ我が県でも上映が始まり、片道約70キロを走破し観に行きました。前日には、今回はジャーロ系と聞いたのでサスペリア2を復習して、万全を期しました。
ダリオ・アルジェントの作品をスクリーンで観るのはいつ以来か記憶はないのですが、もうないかとも考えていたので感慨深きです。
内容は、至ってまともで起承転結もあり、過去作に散見される意味が繋がらない展開や、本題とは全く関係ないシーンの挿入もなく(しいて言えば日蝕?)とても楽しめました。
こうしたどこかで観たことありそうなストーリーでは主人公を応援したくなるかどうかが大事だと思います。その意味で、ダリオ監督、実にうまく可愛く愛おしく、思わず応援したくなってしまうヒロインを作ったと思います。
500ユーロの太客、本当にいい奴だし(あの照れ笑いセリフ、素晴らしい)、「困ったわ、お金がないわ、仕事しないと」としてこのジジイを頼ってしまうディアナ、とっても可愛いですよ。
最後は、心底、「おいおいおい」大丈夫かよとドキドキしました。結果大満足です。
ダリオ監督、これまでは美女をいたぶるのに蛆虫を多様してましたが、今回は〇〇〇〇です。正直、少々無理筋かとは思いました。
久しぶり
久しぶりのダリオ アルジェント監督作品という事で楽しみにしておりました。
小学生の時に見たサスペリアの印象が強烈だったので期待して見ていると序盤の残虐なシーンから一気に引き込まれていきました。
が、最後まで皆既日食の意味がよくわからなかったのが心残りです。
音楽も良かったですが、ダリオ アルジェント作品なので可能であればゴブリンだとなお良かったのではと思いました。
潔くB級に徹している
演出、シナリオ、カット割り全てにおいて良い意味でのB級感。気持ちが良いくらい。犯人も出てきた時からわかるし、蛇関係ないのに面白い。何も考えない休日に映画館で観るから面白い。テレビの配信では全くつまらないだろう。
映画好きのための映画。
これが遺作にならないように
ダリオ・アルジェント監督10年振りの監督作品「ダークグラス」を見てきました。前作の「ダリオ・アルジェントのドラキュラ」から10年経つんですね・・・・
また、ダリオ・アルジェント監督が本作品のコメントで「数年前に想像したものの、制作することができなかった作品です。でも頭から離れることはありませんでした。バイオレンスでくだらない作品を求める市場での需要に左右されることが難点でした。一方で、ようやく自分の悪夢との和解を経験することができました」なんだか凄く期待できると思い見に行ってきました・・・・
まずは、本作品・・・・ダリオ・アルジェント監督の遺作にしないでね・・・とひと言・・・
正直、内容ですが、全編、内容に沿った好都合主義に出来過ぎていて、何とも・・・・
主演の女優さん、助演のアジア系の少年の演技の悪さにイライラ・・・・
どうしょうもないラストで、最後は笑うしかない・・・・
要所要所のアイデアは分かるんだけど・・・効果的ではないし・・・
前半にこそアルジェント節があり、アルジェント監督ファンは嬉しい演出はあるものの・・・
何ともスタイリッシュなアルジェント監督作品には及ばないね・・・
映画を撮る情熱は決して年齢は関係ないと思うので、本作品を遺作にせず、アルジェント監督らしい究極のサスぺンス映画をもっと見れるように期待している・・・・
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