ダークグラスのレビュー・感想・評価
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昼間のローマに漂う不気味な雰囲気も怖い
変質者、ストーカー殺人、ダークネス、スプラッタ、シンセサウンド、というコンセプトをデビュー以来貫いているイタリアンホラーのレジェンド、ダリオ・アルジェント10年ぶりの監督作はやっぱり同じ設えだった。
見えないハンデを突いてくる血みどろの惨劇が、無機質の音の増幅によって繰り返される時の、なんとも言えない快感はアルジェントならでは。これを古いと取るか、懐かしいと取るかは世代によってまちまちだろうが、もし、同じことをハリウッド映画でやったら、この退廃感は出なかったと思う。惨劇は夜に起きることが多いが、傘を広げたような形状からイタリア笠松と呼ばれる木々が側道に聳える昼間の街に漂う、不気味な雰囲気には魅了される。たとえ、時々度を越した残酷描写に若干引いたとしても。
殺人者に付け狙われる娼婦と中国人の少年の間に芽生える友情は、ジョン・カサベテスの名作『グロリア』を彷彿とさせるところが新鮮だ。欲を言えば、当初音楽を担当するはずだったダフト・パンクとのコラボが実現していたら、より映像と音の融合が楽しめたはず。アルジェント現在82歳。若々しい感性は鈍ってないと感じた。
アルジェントが『ダリオ・アルジェントのドラキュラ』(2012)以来...
【”鮮血の帝王、10年振りに再降誕!”キャー!ッとはあんまりならないが、ダリオ・アルジェント作品だなあ、とシミジミする作品。と共に、ダリオ・アルジェント監督が、映画界に与えた影響を少し考えるの巻。】
■ローマで娼婦ばかりを狙った連続猟奇殺人事件が発生する。新たに狙われたディアナ(イレアニ・パストレッリ)は、犯人の乗る白いバンに追われるも、ギリギリ難を逃れるが逃走中に交通事故に遭い、失明してしまう。
その事故で両親を失った施設に入っていた中国人の少年チン(シンユー・チャン)に懐かれて同居を始めるが、殺人鬼の魔の手は徐々に迫っていた。
◆感想<Caution!余り、内容に触れていません!>
・ダリオ・アルジェント監督と言えば、代表作は「サスペリア」「サスペリアPART2」「フェノミナ」である。キッパリ!
・ダリオ・アルジェント監督と言えば、多くの人は”ホラーの帝王”と呼ぶのかもしれないし、実際に今作のフライヤーにも”ホラーの帝王、再臨”と大きな惹句が書かれている。
・だが、個人的な意見では、ダリオ・アルジェント監督作品はホラーではないと思う。今作はサスペンス要素が強いが、全体的にはオカルトサスペンス映画に近い気がする。
何故、ホラーの帝王と言われるのかというと、今作の冒頭で娼婦が喉を切り裂かれ、鮮血が迸る、正に”ダリオ・アルジェント”だよ!”という”鮮血の美学”で貫かれているからであり、これはダリオ・アルジェント監督初期作品に熱狂したタランティーノ監督作品に、多大なる影響を与えているのは明らかである。
・更に、ダリオ・アルジェント監督作品に欠かせない、芳醇な抒情性とクラシカルなテイストを持つ、劇中に流れるゴブリンに代表されるイタリアン・プログレッシブの存在が、それまで低俗とみなされがちであったホラーを、官能的且つ抒情的雰囲気を持つスタイリッシュな存在としたのであると思う。(今作の音楽は、アルノー・ルボチーニが担当。雰囲気が良く出ていると思う。)
<今作が、比較的に低評価なのは確かに分かる気がする。
犯人の動機も単純だし、アッサリと撃退される所も、何だかな、なのであるが、それでも私は今作制作時に82歳だったダリオ・アルジェント監督が10年振りに公開した今作は、ナカナカだったのである。
と共に、彼の監督が影響を与えたタラちゃんや、ルカ・グァダニーノ監督、ジェームズ・ワン監督の活躍を見ると、映画界における存在の大きさを感じるのである。>
見えないんだから・・・
主人公は娼婦、連続殺人鬼のサイコパスに命を狙われ、生き延びるも視力を失ってしまう。
巻き添えを食らった中国人少年と一緒に暮らし始めるが、再び魔の手が・・・。
盲目の設定があまり生かされず、ちょっと残念だったが、久しぶりのダリオ・アルジェント監督を楽しむ。
盲目の娼婦と中国人の少年
10年ぶりの──という謳い文句だが、行き当たりばったりみたいな筋書きと派生みたいな出来事で構成された猟奇殺人の話。82歳にしていつものダリオアルジェントだった。
日食、盲目、白杖、アグレッシヴな盲導犬、水蛇。ディティールに相関性はなく、唐突で過剰。どのシークエンスも「いったいなにやってんだこのひとたちは」というばかばかしさ。
だが雰囲気は楽しかった。
盲目の娼婦と中国人少年の異色コンビ。主人公Ilenia Pastorelliの誇張の激しい恐怖演技。Ilenia Pastorelliは盛りを過ぎた感じながら、痩身なのにメリハリもあって、好ましいあばずれ感があった。イタリアで人気のリアリティ番組で有名になった人だそうだ。笑うところは一切ない映画だが終始可笑しかった。
娼婦と少年の逃避行になっているのがグロリア(1980)風で、多少そこをドラマ盛りにしてもいいはずだが、なにがなんでもジャッロでもっていく。虚栄心のない筋金入りのダリオアルジェントだった。
ホラーは新しいアイデア披露の場でありジャンルである。アリアスターやジョーダンピールなんかを見ると「恐怖映画も進化したものだなあ」と思う。
かえりみるとダリオアルジェントもかつては旗手であり、80年代(アルジェントが書いた)デモンズは当時新しいホラーとしてもてはやされた。フェノミナやシャドーもあのころとしてみれば今のA24みたいな鳴り物入りだったように思う。
ただし前期を深い紅として後期をシャドーとすると、前期は不完全なアントニオーニのようで後期は不完全なデパルマのようだった。個人的には一貫性をもたない山っ気な監督とみている。
いったい何度愛娘の惨殺シーンを撮ってきたか解らないが娘アーシアの惨殺シーンで家族愛がつたわってくる人もめずらしい。ご高齢とはいえ健在なのはわかった。
imdb5.1、RottenTomatoes52%と40%。
終始グダグダ
主人公の娼婦は命を狙われるほどのことはしていないと思うが、殺人鬼の...
心地良い映画
あーあ
アルジェント信者は我慢が大切
一貫性のない描写、突然鳴り響く音響
論理的整合がないストーリー
これらすべてを飲み込んでのアルジェント作品ではあるが
さすがに今作はどうなんでしょうね。
後半のグダグダ感はアルジェント健在だが
前半がなまじっかまともな音楽
残酷シーンも少なく
普通のこじんまりした作品に見えた分
トータルとして期待感に届かなかった。
けど100点
2
イオンシネマ草津 20230412
パンフ購入
斬新で芸術的なホラー
娼婦ばかりを狙う連続殺人事件を題材にしたブラインドホラー。ホラーでありながら斬新で芸術的なビジュアルとポップな音楽の融合が印象的。非常にテンポの良い展開で短時間で上手く纏まられていて目を覆いたくなるような残虐な殺人シーンも見どころです。
2023-87
サスペリア2
いよいよ我が県でも上映が始まり、片道約70キロを走破し観に行きました。前日には、今回はジャーロ系と聞いたのでサスペリア2を復習して、万全を期しました。
ダリオ・アルジェントの作品をスクリーンで観るのはいつ以来か記憶はないのですが、もうないかとも考えていたので感慨深きです。
内容は、至ってまともで起承転結もあり、過去作に散見される意味が繋がらない展開や、本題とは全く関係ないシーンの挿入もなく(しいて言えば日蝕?)とても楽しめました。
こうしたどこかで観たことありそうなストーリーでは主人公を応援したくなるかどうかが大事だと思います。その意味で、ダリオ監督、実にうまく可愛く愛おしく、思わず応援したくなってしまうヒロインを作ったと思います。
500ユーロの太客、本当にいい奴だし(あの照れ笑いセリフ、素晴らしい)、「困ったわ、お金がないわ、仕事しないと」としてこのジジイを頼ってしまうディアナ、とっても可愛いですよ。
最後は、心底、「おいおいおい」大丈夫かよとドキドキしました。結果大満足です。
ダリオ監督、これまでは美女をいたぶるのに蛆虫を多様してましたが、今回は〇〇〇〇です。正直、少々無理筋かとは思いました。
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