劇場公開日 2024年10月11日 PROMOTION

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ジョーカー フォリ・ア・ドゥ : 特集

2024年9月30日更新

【ネタバレなし解説・考察&速報レビュー】ジョーカー
になった男のその後とは?観客の証言をもってこの映画
は完成する…“世界を狂わせた傑作”を超える“個人的
大傑作”の衝撃を100倍強く味わうための徹底攻略ガイド

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“社会現象となった「ジョーカー」をも上回ることが約束されている”作品がある。10月11日から日本公開を迎える「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」(ジョーカー2)だ。

果たしてどれほどの衝撃作か? 第80回ベネチア国際映画祭で世界初上映され、「前作の高いハードルを超えてきた」との激賞の一方、「結末には熱狂的なジョーカー信者でさえ激怒するだろう」と穏やかではない評も飛び交っている。

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絶賛一色ではない「真っ二つの賛否両論」が、むしろ観客の鑑賞意欲を煽りに煽り、「どうやらとてつもない作品らしい」という期待感が劇的、異様、加速度的に広まっている。

そんななか、ひと足先に鑑賞した映画.comスタッフは“大傑作”だと確信。1人でも多くのユーザーに深く味わってもらいたいので、作品の見どころ紹介と、ネタバレなしで“初見の人は作品をもっと楽しめるようになり、鑑賞済みの人は今すぐまた観たくなる”解説・考察、鑑賞レビューをご用意した。

前知識なしで本編に挑むのも最高だが、これを読んでから観れば、その衝撃は容易に“魂”まで貫通するはず。

※本記事は、本編鑑賞の驚きを奪うようなネタバレは避けていますが、予告編に収録されていない内容に一部、触れる箇所があります。一切情報を入れたくない人など、十分にご注意ください。


【予告編】取り扱い危険! その笑いはもう、誰にも止められない。

【鳥肌モノのとんでもない映画】ジョーカーの狂乱が、
世界中に感染する…何かが起こる?衝撃のラストとは?

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圧巻のクオリティ、前作からパワーアップしたスケール、ゾッとするほど真に迫った時代性、そしてとんでもないことが起きるラストを目撃してほしい。


◆あの傑作から、はるかにスケールアップした“大傑作”
“世界三大映画祭”などで激賞に次ぐ激賞、驚嘆に次ぐ驚嘆…世紀のショーは誰にも止められない
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前作「ジョーカー」(2019)は米アカデミー主演男優賞®を獲得したほか、日本では動員4週連続No.1を獲得し、興行収入は50億円を超える大ヒットとなり、世界興行収入は1500億円と、R指定映画史上No.1(当時)の記録を樹立、世界的な社会現象となった。

あれから約5年。「ジョーカー2」が満を持して放たれる。

ベネチア国際映画祭・ワールドプレミアでの様子
ベネチア国際映画祭・ワールドプレミアでの様子

世界三大映画祭のひとつである第81回ベネチア国際映画祭(コンペティション部門)で世界初披露され、上映後には12分間におよぶスタンディングオベーションと、上述のような賛否両論を巻き起こした。

“世界を狂わせた歴史的一作”と名高い前作をしのぐスケールへ進化した“世紀のショー”は、もう誰にも止められない――。


◆物語は、“ジョーカーになった男”のその後を描く…
悪のカリスマか?ただの弱き人間か?ジョーカーとは一体誰なのか? 衝撃のラストに備えよ。
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誰もが一夜にして祭り上げられるこの世界――理不尽な世の中への反逆者となったジョーカー(演:ホアキン・フェニックス)の前に、リー(演:レディー・ガガ)という謎めいた女性が現れる。2人の狂気は群衆へと伝播し、暴走し、世界を巻き込む新たな事件が起こる。

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「誰もが一夜にして祭り上げられるこの世界」というテーマは、SNSが発達した現代社会の映し鏡。ゆえに、物語は驚異的な同時代性と共感をもって我々に襲いかかり、息を呑む映画体験を味わわせてくれるのだ。

ジョーカーに待ち受ける運命とは? やがて訪れるラストを心して目撃せよ。


【解説・考察】物語の意味は?現実か妄想か?これに
気づくと「ジョーカー2」の衝撃は“魂まで貫通する”

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本作は非常に刺激的な“仕掛け”が幾重にも施されており、そのショックを120%味わうためには「感じ取れるか否か」が重要になってくる。

そこでこの項目では、未鑑賞者は「これを読んだから、存分に楽しめる状態に」なり、鑑賞済みの人は「そういうことか、もう一回観たい」となる“6つの必見ポイント”を映画.comスタッフの見解により解説・考察していく。


◆ここが必見①:「現実か、妄想か」という大仕掛け…紐解く鍵は“冒頭の演出”? 初見の人もリピーターも冒頭から見逃さないで
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本作は「現実か、妄想か」という意識を差し込むと、大きく進化する。

前作もそうだったが、本作も「現実だと思っていたら妄想」「妄想だと思っていたら現実」というシーンが多く挿入され、観るものを“沼”に引きずり込むのだ。

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そこで「現実/妄想」を判断する鍵を、おそらくトッド・フィリップス監督は用意してくれている。それは“冒頭の演出”=アニメーションだ。

ネタバレを避けるため詳述しないが、初見の人は、冒頭の演出とアニメーションがどのような意味を持つのかを、鑑賞しながら考えてみてほしい。リピーターは「もしもあれが妄想だとしたら…」と考察を深め、もう一度、映画館へ急ぐことをオススメする。


◆ここが必見②:“視点”によって映画体験が大きく異なる…あなたはアーサー目線で観るか?リー目線で観るか?群衆の1人として観るか?
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「どの人物に感情移入するか」で映画体験が様変わりする作品構造のため、何度観ても発見がある。

例えばアーサー目線で観ると、世界を翻弄する快感と、メイクの下に隠れた戸惑い、やっと見つけたリーという希望の灯のまばゆさ、自分は孤独ではないと思えた嬉しさがポッカリと開いた胸からドッと入り込む。

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続いてリー目線で観ると、心酔する“悪のカリスマ”との狂乱が波のように伝播していく過程を、ゾクゾクしながら体験することになる。さらには群衆の1人として観ると……ジョーカーを崇拝するか?それとも、イカれた連続殺人犯と唾棄するか?

登場人物の1人になった感覚で臨めば、あなたは“歴史的な瞬間”を目撃できるだろう。


◆ここが必見③:楽曲の歌詞に要注目…“物語展開の暗示”をたどれば、“見えていなかったテーマ”が浮き彫りになる――
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本作では、ジョーカーの一挙手一投足をサスペンスフルに描きながら、「What the World Needs Now Is Love」など、名曲の数々をホアキン・フェニックスやレディー・ガガ自らがカバーし歌唱する「ジュークボックス・ムービー」の演出が随所に用意されている。

耳で楽しむのもいいが、映画.comユーザーには歌詞に着目してもらいたい。普通、映画で登場する楽曲や本は、その歌詞、記述内容が物語の行く末を暗示している。本作でも同様なのだが……どっこい、一筋縄ではいかない。

注意深く歌詞の意味に思いを巡らせ、物語を追うと、気づけばあなたは想像だにしない場所へと運ばれているはずだ。


◆ここが必見④:“ジョーカー”とは何者なのか…アーサーか?新たな悪の誕生か?
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前作よりも深く、アーサーとジョーカーについてスリリングに掘り下げ、やがて「“ジョーカー”って一体、何者だ?」という本質的な問いにたどり着く……これこそが本作の真髄のひとつなので、ぜひ頭の片隅に置いていただければと思う。

さらに言えば、アーサーの外側にいる“悪”にも注目してみるといい。物語はアーサーが本当の意味でジョーカーへとなること、新たに悪が誕生すること、はたまた彼を操る“黒幕の存在”すらも示唆する――?

「ジョーカーとは一体誰なのか」。考えた瞬間、あなたはもう後戻りできなくなる。



◆ここが必見⑤:ラストシーンの衝撃に備えよ
ベネチア国際映画祭・レッドカーペットでのレディー・ガガ
ベネチア国際映画祭・レッドカーペットでのレディー・ガガ

ネタバレになるため具体的に言及しないが、本当に本当に、ラストシーンに気をつけてほしい。

鑑賞済みの方には共感していただけるだろう、あの驚きを。そして初見の人は、画面で一番目立つところだけでなく、背後のボヤけている部分も凝視してほしい。

衝撃のラストをどう解釈するかは観客次第。ネタバレを食らう前に映画館へ駆け込み、ご自身の目で確かめていただければ幸いだ。

ベネチア国際映画祭・レッドカーペットでの様子
ベネチア国際映画祭・レッドカーペットでの様子

……余談だが、本作の製作費はおそらく1億ドルはくだらないだろう。それほどの巨額をかけ、この結末を実現させたスタッフ・キャスト、許可を出したワーナー・ブラザースみ~んなシャカリキに狂っている、と“いい意味での畏怖”を感じる。それほどの迫力に満ちた“映画史に残る伝説的ラスト”である。


◆ここが必見⑥:つまり、解釈と考察が果てしなく楽しい…観客の証言で進化し、完成する“ピエロのメイクをした映画”
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本作は実にさまざまなジャンルと演出――サスペンス、ミュージカル、ラブストーリー、コメディ――が代わる代わる顕現し、万華鏡のように観客を翻弄する。

トッド・フィリップス監督はさまざまな解釈ができる物語を創り上げたうえで、「(目的は)まるで狂人によって作られたかのように感じさせること」「リスクは付きものだが、リスクがあるから前に進める」とコメントしたとおり、普通ではない型破りな作品なのだ。

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さらに言えば、観た人同士で語り合う時間が本当に豊かで、本作は無数の観客の証言=考察を交換し合うことで進化し完成する、驚異の構造を有している。さしずめ「ピエロのメイクをした映画」――。

作品から感染した“何か”を言葉にすれば、あなたは「ジョーカー2」の一部になれる。映画という枠を超えた“唯一無二の体験”が、すぐそこで待っている。


【レビュー】人生に殴り込みをかける切実さ…完璧な
前作を豪快に乗り越えた、気が遠くなる程の“大傑作”

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最後に、実際に目撃してきた映画.comスタッフのレビュー(ネタバレなし)を掲載して特集を締めくくろう。ご鑑賞の参考にしていただければと思う。

●筆者紹介
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※以下、レビュー


正直、鑑賞前の期待感は半信半疑だった。この続編、大丈夫なのか?完ぺきだった「ジョーカー」を超えることは難しいのではないか。そんなふうに考えていた。

ところが、である。鑑賞してぶっ飛んだ。「これは気が遠くなるほどの大傑作だ」と私は思った。


●ジョーカーに共感し、自身が変革していく没入感…本当にヤバい映画だからこそ、人々の関心をとらえて離さない
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もちろん異論は認めるが、個人的には“「ジョーカー」を豪快に乗り越えている”と断言する。

ホアキン・フェニックスは前作もすごかったし、本作での集中力は輪をかけてすごい。肉体は痩せさらばえまくっているのに、反対に狂気はギラギラさを増し、筆舌に尽くしがたい怪物的名演をスクリーンに刻みまくっていた。アカデミー賞待ったなしだろう、これは。

ベネチア国際映画祭・レッドカーペットでのホアキン・フェニックス
ベネチア国際映画祭・レッドカーペットでのホアキン・フェニックス

そして特筆すべきは、演出、映像、音楽、演技などが総動員されることで生まれる没入感だ。否応なしにアーサーへ共感し、自分がリアルにジョーカーに触れた感覚を得る。それはやがて世間の革命的な狂乱に取り込まれていく感覚に繋がり、観客席で私はひそかにゾッとしていた。

この映画は本当にヤバい……だからこそ、本作は人々の関心をとらえて離さず、ベネチアをはじめ世界中を騒然とさせているのだと、言葉ではなく心で理解できた。


●呼吸も忘れ、上映時間が吹き飛んでいく…その切実さは、観る者の人生に殴り込みをかける
ベネチア国際映画祭・ワールドプレミアでの様子
ベネチア国際映画祭・ワールドプレミアでの様子

ほかにも“孤独なアーサーとリー”の関係性に涙腺崩壊寸前だったり、歌唱シーンに「イカれていることはこんなにも美しい」と魂が共鳴したり、悪も正義も視点次第で変わるのだとハッとさせられたり、後半1時間は開いた口が塞がらなかったりと、感情が休む間もなくドライブし、上映時間が吹き飛んでいった。

呼吸も忘れるほどの物語だったが、観る者の人生に殴り込みをかける切実な傑作だと、ひたすらに染み入った。脳内麻薬みたいなものもドバドバ出ていたと思う。

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そして空っぽな人気を欲するのではなく、「この物語が今の時代に本当に必要だから描き切る」、製作陣のそんな信念が伝わってきたことも大満足だ。さらに言えば「熱狂的なジョーカー信者も激怒する」との賛否両論も、すべてはトッド・フィリップス監督ら製作陣の計算通りなのでは? そう考えると、さまざまな演出が腑に落ちる。

意図を探れば探るほど事件的な作品だという思いが強まっていく……。こうして執筆する間もまだ魂が震え、尊敬の念がこんこんと湧き上がり続ける「ジョーカー2」。もう一度映画館で観られる日を、今か今かと待ちわびている。

インタビュー

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