劇場公開日 2024年10月11日

「このジョーカーは、あのジョーカー?」ジョーカー フォリ・ア・ドゥ 豊島区のはずれさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5このジョーカーは、あのジョーカー?

2024年11月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

直前に前作のリバイバル上映を見てから、新作を見ました。前作を見ておくのは、必須ですね。
バットマンの敵のジョーカーは、バットマンを振り回し、笑気ガスを使ったり、場合によってはおちょくって、騒ぎを起こす印象。この映画のジョーカーは、周囲に振り回されて、酷い目に遭ったり、逆に祭り上げられたり。ようやく愛せる相手ができたのに、その相手も彼の本質ではない一面にしか興味がないという悲劇。
この2作だけを他のバットマンとは別系列として、この2作におけるジョーカーというキャラの人生を見れば、非常に興味深いストーリー。周囲の影響を受けて、自分の思う通りにならないフラストレーションを抱えている人は多いでしょうが、それが原因で爆発しても、挽回はできないということを示しているようにも思います。
ミュージカル仕立ての部分は、アーサーが現実逃避しているということなんだと思って見ていました。昔のスタンダードナンバーが多く使われていることに関しては、そういう曲を観客が知っていることが前提になっている感じがしました。それらの曲の一般的なイメージが各シーンに関係しているような。
前作では、ブルース・ウェインはまだ小学高学年ぐらい。本作のラストで、ジョーカーがどうなったのかを明確にはしていませんが、ここで息絶えてしまっていると、バットマンの敵にはなれないですね。

豊島区のはずれ