「面白いけどちょっとつまらん」ジョーカー フォリ・ア・ドゥ STさんの映画レビュー(感想・評価)
面白いけどちょっとつまらん
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前作は、弱者を見ないでいる社会や強者がジョーカーを作るんですよって感じのメッセージだったけど、今回はそれに加えて弱者もジョーカーを作ってるんですよって感じだった。
悪のカリスマを望んでいる人には嫌な展開だろう。この作品では、社会に馴染めない者達の革命と狂気の象徴(夢)がジョーカーであって、カリスマ的なカッコイイ悪役の話では無い。
アーサーはジョーカーという、あぶれ者達の夢を生み出してしまったがために、ジョーカーで居る以外の道は許されなかった。
彼はジョーカーを捨てて、アーサーに戻ろうとしたからジョーカーに殺されてしまった。
ハーレイは、何も無いからナニカに憧れる厨二病的若者。主要人物は惨め。その上、作品は裁判や隔離施設での描写ばかりで、画面も話も暗い。盛り上がりが少ないし、スカッとできなくて、正直、前作の方が好きだ。
劇中でミュージカルをしているやつは夢を見ている(狂ってる)って演出だと思うが、それにしても曲が多すぎて少し疲れてしまった。
曲中にやたらキリスト教系の言葉が多いことが気になった(ハレルヤ、大天使ガブリエル、審判の日etc)
ハーレイと語っていた山って、自由の象徴と捉えてたけど、キリスト教のシオン的な自分たちの聖地って意味もあるのかな?
とにかく、何を伝えたいのかって考えながら見ると面白いんだけど、多すぎる歌と代わり映えのない隔離施設と裁判所の行き来で緩急が少なく、暗い。
ジョーカーの概念化の流れは好きなんだけど、映画の半分は精神異常者同士のラブストーリーで退屈、私個人は浅はかな愛の話を求めていない。
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