「山とは?」ジョーカー フォリ・ア・ドゥ orokamonoさんの映画レビュー(感想・評価)
山とは?
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前作でアーサー・フリックことジョーカーが5人を殺害した事件についての裁判がメインとなる物語。
賛否両論で盛り上がっている本作だけど、前作『ジョーカー』を振り返ると、今作はかなり誠実な決着だったように思う。
パンフレットにも監督の言葉として「クレイジーでぶっ飛んだ、ジョーカー自身のような映画を作りたかった」とあった。
ただ、それが面白ったかどうかは別!というのが個人的な感想。
理由として一番大きかったのは、レディー・ガガが演じたリー・クインゼルが、この続編で活かしきれていないように思えた。
ミュージカルや歌を口ずさむシーンは抜群にウマいのは言うまでもないのだけど、リーの全てのシーンが本当だったのか?あるいは一部はアーサーの妄想だったのか?
その答え合わせがあるのかと思っていたら特に言及はしていない(だとしたら全部ほんと?独房に入り込んだところも??)
まぁ、そんな種明かしや、わかりやすさが本作にとっては蛇足な気もしなくもないというのは正直なところ。
リーの言う「山」というのもあまりピンとのこなかったなぁ……。
アーサー自身がつまらない、笑えない男だから、妄想(ミュージカル)もつまらないのだ、という感想も見かけるのだけど、うーむ……。
ただ裁判シーンにはけっこう満足している。
その中でも前作の登場人物たちが証言するシーンは見応えがあった。
たぶん皆ジョーカーにはもっと「覚醒」「超越」して欲しかったんだろう思うけど、一人の人間としてのアーサー自身に誠実に向き合った物語だったことは個人的には良かった。
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