「白塗りおじさんのザッツ・ライフはこちら」ジョーカー フォリ・ア・ドゥ うらさんの映画レビュー(感想・評価)
白塗りおじさんのザッツ・ライフはこちら
お笑い賞レースとかでたまに2本目のネタをやらかすことあるじゃないですか。その2本目を観た気分ですね。
「え?なんでそっち系のネタやるの?幅を見せたいとかいらないよ。これはこれで面白いけど、笑いを取るなら1本目の流れでいいのに。ほら、逆転された。優勝逃した。もったいない。」
いや、すごく緻密で凄まじい出来の映画だと思います。
でも、これを観たかったんじゃない。
いや、こういう言い方すると「迎合しろ」って捉えられるかもしれませんが、そういうことじゃなくて、えーっと、なんというか、普通じゃん!そりゃそうだろうよ!ただの人生じゃん!末路じゃん!ってなりました。
妄想部分のミュージカルテイストなところは好きです。ただ、こういう映画にしたのはガガをキャスティングした前なのか後なのかが気になるところ。
ホアキンの声が好きです。吹替版で観ましたが、歌唱部分は元音声で字幕です。しゃがれてくたびれてるけど強く響くような声だと思います。
いろんなところで考察にあがってるラストの部分、刺したサイコパスが後ろでゴソゴソしてるのが本当に真・ジョーカーということなら、それをはっきりすれば作品として成り立った気がします。今作も前作も実はバットマンと戦ったジョーカーのことではなかったんだ、という筋立てなら納得できます。でもはっきりしてませんし、ホアキンの目は開いたままですし、後ろで何やってるのかはちゃんとわかりませんし。惨たらしい人生を生きたアーサーの目は閉じて、安らかに眠らせてほしかったです。
なんか「自分の思ったとおりになってない!」みたいなみっともない感想になったような気もしますが、前作の衝撃を忘れられなかったからなのかなぁ…