「非公開のミュージカル」ジョーカー フォリ・ア・ドゥ berkeleyさんの映画レビュー(感想・評価)
非公開のミュージカル
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Joker: Folie a Deux
脱獄は成功していない。だから、予告編で盛り上がりを期待したカットのほぼ全ては、ミュージカルのシーンだ。現実には公開されていない。
思えばずっと動いていたのは周りで、開いた閉じていたものが、また戻っていく。アーサー自身、人格は、本当は何も変化していない。
法廷に化粧を連れ出しても、支離滅裂さで狂気を演出するには、まともなことを話すガイドの存在も隣に必要だ。マレーがそうだったように。だからジョーカーを続ける上では、アーサーは弁護士を解雇すべきではなかった。それはそうなのだが、ジョーカーが消え、判決が下った後のいつもの笑いも(それこそが)、十分に狂気的に見える。
化粧が消えかかったアーサーの表情が新たな始まりを示唆しているようで、息子と面会者という言葉を残し、しかし幕は下ろされる
共演して間もなく、笑いのフリとはいえ、ジョーカーは銃で撃たれている。これもタイトル通り伝染した妄想だとするなら、アーサーの心理状態を再考したくなる。
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