「シリーズのこれまでを知らずとも、少女の成長譚として単体で楽しめる」マッドマックス フュリオサ Tofuさんの映画レビュー(感想・評価)
シリーズのこれまでを知らずとも、少女の成長譚として単体で楽しめる
熱狂的なファンは信じられないほどに熱狂するマッド・マックス・シリーズ。正直、私自身はそこまで熱くはなれず、このオーストラリア映画を一歩引いたところから眺めている感じ。でも、新作が出れば一応観ておこうという気にはなる。
本作はシリーズ前作の『怒りのデス・ロード(Fury Road)』でシャーリーズ・セロンが演じていたキャラクター「フュリオサ」に焦点を当てた前日譚。本作は故郷である緑の大地で生活していたフュリオサの少女時代から物語が始まる。
シリーズのこれまでを知らずとも、一人の少女の(かなり過酷な)成長譚として単体で楽しむこともできる作りになっている。
異様な造形と荒唐無稽な世界観、そして次から次へと繰り出されるハードなアクションと改造車などを生理的に受け入れられない人はきっといるだろうな、とは思うが、マッドマックスは平たく言えば「グループ間で貴重な資源の取り合いをしている」というだけの物語りだ。
それは現実社会においては、資源を奪い合うために紛争や戦争という、一歩引いた目で見れば実に荒唐無稽で馬鹿げた行為を実際に国同士がやっていることをカリカチュア的に描いているに過ぎない。そこにエコロジーやジェンダーのスパイスを効かせることで物語が構成されている。
生理的に無理でなければ、大きな画面を観ながら爆音を体感するための作品なので、テレビ画面や、ましてやスマホ画面などではなく、劇場で鑑賞するのがお勧め。
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