「デジャヴ? いや、進化も感じられたさ」マッドマックス フュリオサ Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)
デジャヴ? いや、進化も感じられたさ
2024年米豪製作、日本での公開は米豪から1週間後となった。
監督:ジョージ・ミラー
脚本:ジョージ・ミラー、ニコ・ラサウリス
本作は、2015年公開の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に登場した、シタデル大隊長フュリオサ(前作でシャーリーズ・セロンが演じた)の前日譚という位置付け。よって、マックスは出て来ない。
今作のフュリオサは、アニャ・テイラー=ジョイに代わった。
子供時代役のアリーラ・ブラウンも目ヂカラがあって、とても印象的だった。
1. 到達不能極 (THE POLE OF INACCESSIBILITY)
2. 荒れはてた地の教訓 (LESSONS FROM THE WASTELAND)
3. 潜伏 (THE STOWAWAY)
4. 故郷へ (HOMEWARD)
5. 復讐の彼方 (BEYOND VENGEANCE)
1979年の第一作『マッドマックス』から、すべてジョージ・ミラーがメガホンをとっている。
極めて低予算で作らざるを得なかった第一作を除いて、
すべて同じ世界観だ。
◆2次元の世界から現れたボスキャラ、モブキャラ。
◆近未来という設定ながら、前時代的な武器で戦う面白さ。
◆2輪集団走のど迫力。
◆あくまでメカメカしい巨大車輌。
1979年当時、この企画を考え出し、脚本にし、映像化した時点で「勝ち確」となった。
日本がそうであったように、当時、オーストラリアでも暴走族が社会問題化していたという。
そんな時代背景もあり、バイク(走り屋、暴走族)を主題にした映画はあった。
しかし、『マッドマックス』シリーズは、空想科学(SF)に昇華させてしまった。
本作に話を戻すと、
表面的には、過去作のフォーマット(悪に対する復讐)を踏襲しているようだったが、ラストシーンは少しテイストが違ったように感じた。
ディメンタス(演:クリス・ヘムズワース)に対するシンパシーを感じたのだ。
いま、世界で起きていることを例に取るまでもなく、
単に、「善」と「悪」という2極対比では描けない、
複雑な背景や因果を感じさせる脚本だった。
※例によって?深読みし過ぎの可能性もある(笑)
泣く子も黙る人気シリーズ、
基本的な構成はずっと同じ、デジャヴと言えるほどだが、ラスト数分、「進化しているのか?」と感じられたので☆3.5