「前日譚としての作りこみに満足」マッドマックス フュリオサ ぽんぱるさんの映画レビュー(感想・評価)
前日譚としての作りこみに満足
賛否両論のレビューをチラ見しつつIMAXにて鑑賞。
確かに前作に比べてストーリー性が高く、会話も多い。だから若干の間延び感、スケールのダイナミックさは劣っているような気はした。
がしかし、この作品はあくまでも前作「怒りのデスロード」の前日譚。であるからして、前作を超えるような大興奮映画でなくて良いのではないか、いやむしろそれが正解のではないかとさえ思う。
その観点からいくと、アニャ・テイラー=ジョイ演じる若干頼りなさを感じるフュリオサが実に心地よい。これが最初からシャーリーズ・セロンだと強すぎて逆に若干引いたかもしれない。
イモータン・ジョーへ復讐する前にまずは母を殺したディメンタスへ復讐するあたり、しかも殺し切らず新たな生命、緑へと再利用するあたり、なかなか面白かった。
前作では作りこまれた車を通してのアクションが魅力だったのに対し、今回のバイク集団も
なかなかの魅力。特にディメンタスの乗る馬車のような仕立てのバイクは古代ローマを思わせるよう。
ウォー・ボーイズの銀のスプレーのシーンは個人的に大好きなので、今回も観れて大満足。
観客の期待に応えるというより、監督がやりたいように思ったままを映像化するのがマッドマックスシリーズなので、途中、話の展開が最後まで描かれていなくても、多少強引な話の進め方でも、そんなのは超越できる世界観で今回も大満足。
ただ1点苦言を呈すなら、映画館へ。なぜ続けて前作を上映してくれないのか。この映画を観たら絶対前作を続けて観たくなること間違いないのに。それも家でではなく、映画館の大きなスクリーンで、大音量であの興奮を味わいたいのに。
ただそれは映画館への苦言なので、映画そのものの評価としてはあくまでも満点で。
このシリーズは噂によるとどうやら3部作とのこと。世界的には今作の興行が上手くいってないようなので心配だけど、ぜひ次回作も観てみたい!ジョージ・ミラー監督がまだお元気なうちに、どうか完成披露をお願いしたい!と願って止まない。
何ならイモータン・ジョーにスポットを当てた作品も観てみたい。