「このサイズの娯楽でこの面白さがあるのは今や奇跡」マッドマックス フュリオサ ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
このサイズの娯楽でこの面白さがあるのは今や奇跡
やっぱり80年代を生きてきた監督はひと味違う。今はどんなに金かけても空疎な絵しか並ばないのにジョージミラーは背景もキャラクターもアクションもジョージミラーでないと存在し得ないケレンミのオンパレード。
モーターパンク西部劇みたいな世界観を集団がどっちから走って来てどこに行く、煙がどう立ってどう去ってゆく、とか、今更言う必要すらないが、駅馬車のインディアン襲来のモーター版をとても丁寧にバカっぽく、そして片腕フュリオサのデスロードに至るまでをきっちり繋いだ。正直ここまで金かけてやるとは。
聞けばもともとデスロードの時にこの前日譚はアニメでやろうとしていたそうな。デスロードのヒットのおかげでエンタメとしての強度を補強して新シリーズになったのだと思うけど、「そこに繋がる前日譚」は正直ストーリーとして面白くもなんともない。想像してる方が面白いから。それでもバイクが「そこあがるか普通!」とか「それどんなふうに撮影してんのか!」とかキリがない面白さ。なんとなく、インド映画に対抗できるのはジョージミラーのような職人な気がする。
同じ砂漠でもヴィルヌーヴデューンとは育ちが違う、と思った。そして、デスロードとか書いてるとサンダーロードや爆烈都市がパンク侍を撮ったことを思い出した。
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