「ゼンデイヤの存在感!」チャレンジャーズ ドラゴンミズホさんの映画レビュー(感想・評価)
ゼンデイヤの存在感!
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悪女を挟んだ男女の三角関係を描く。
滑稽にも取れる内容を絶妙な駆け引きやバランス、ゼンデイヤの存在感で押し切った良作だった。
●とにかくゼンデイヤの存在感が作品に説得力と魅力をもたらしている。
ただのお色気悪女に写ったらすべてが水の泡になる内容だ。そこをあの憂いの眼差し、時
に攻撃的な視線、肉感で観客を納得させてしまう。
彼女が単純に男を手球に取るキャラクターだったら、こうも魅力的に映らない。
ひたすらテニスのために全存在を追い求める。ゆえに何を求めているのか明確にわからな
い。どちらの男性に気があるのか?そもそもどちらも求めていないのか?
複雑なのに強烈にシンプルに映る女性を表現したゼンデイヤには脱帽。
●男たちもいい。嫉妬に狂う心情をただ発散するわけでもない。恋愛と友情に揺れ動く感情
を見事に演じている。
●オナニーのバカ話から3人のキス、気づくと男二人でキスして煙にまかれて…。このやり
とりひとつとってもセンスがいい。
●映像センスもいい。撮り方が変わっているだけでなく、人物の心情を追うことを忘れてい
ない。
ラストでヒロインはどちらかの男を選ぶのか?あるいは男たちが彼女を捨てるのか?
3人の結びつきを説明ではなくまさにド直球で映像で押し切ったのが素晴らしい。
●音楽もいい。音楽なのに不協和音に聞こえる。ゴダールのソニマージュのリスペクトかな?
この監督、毎回、変わってるけど面白いなぁ・
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