バービーのレビュー・感想・評価
全109件中、1~20件目を表示
〈私〉至上主義ではバービーの鬱は治らない
本作をみてジェンダー不平等の現実を感知して、エンパワーメントされた経験は何にも代え難い。これほど多くの人々に観賞された事実も大きな意義があると思う。
しかし本作をみて、現代の問題が的確に描写されて、万事解決とされるならそれは困る。少なくとも私は本作をフェミニズム映画とは言えない。そうしてしまったらアニエス・ヴァルダやケリー・ライカートの仕事を、そして今も闘っている人々を無視することになってしまうから。
「バービーが女性の地位を向上させた」
私はバービーランドをオルダス・ハクスリーの『すばらしい新世界』のようにすばらしいディストピア世界とみたから、上述のセリフも大いなる皮肉だと思っている。もちろんそうであって、女性の地位を向上させたのはバービーといった「人形」ではなく、現実に闘った「人」である。
フェミニズムの「運動」が洗われている。バービーランドでは定型のバービーと同等にアフリカン系やアジア系、肥満体型や車いすのバービーが存在している。もちろん彼女らが同等に存在していることはすばらしいことだ。しかし浅はかな多様性とも思ってしまう。まさか自明に存在していたとでも言うのだろうか。バービーを産み出したマテル社の企業努力とも?そして彼女らの間には同じ「女性」だから何も問題がないとでも?
そんなわけがない。定型以外のバービーが存在できるようになったのは、アフリカン系のフェミニストの運動の成果だし、障害者運動やボディー・ポジティブの運動も起こったからだ。そして現在は同じ「女性」でも人種や階級、宗教、世代、障害などの差異の尊重と連帯が問題になっている。それは「インターセクショナリティ」という概念で記述され、今なお議論されていることである。
もうひとつバービーランドがディストピア世界と思うことがある。
それはケンが現実世界でホモ・ソーシャルを学び、「Kengdam」という王国をつくるが、バービーらが闘って元の世界を取り戻したとき、ケンのアイデンティティーを回復するためにバービーが放つ言葉である。
「ケンはケン」「自分でいることが幸せ」
〈私〉は〈私〉であって、〈私〉であることは幸せ。グロテクスだと思う。〈私〉であることの根拠が〈私〉でしかないことに。この自己参照。関係するのは〈私〉だけ。それは男といった他者や母といった役割、仕事によるアイデンティティー獲得からの解放にも思えるが、とても残酷だ。〈私〉を構成するのは何なの?もし〈私〉に何もなければ、または根拠を摩耗したら何を参照することになるの?
バービーの鬱は治らない。バービーランドを取り戻したとしても、この「〈私〉至上主義」からは解放されない。むしろその果てで〈私〉が死ぬ。バービーのプライベート空間であるハウスは、別のバービーに開かれていてー悪く言えば相互監視だー、バービーである〈私〉とバービーである〈あなた〉の境界はなくなる。みんな名前がバービーなのだから。
〈私〉はバービーであって、〈あなた〉もバービーである。〈私〉であることは〈あなた〉であることであって、それは幸せ。
私は気が狂うと思う。
気を狂わせないためには「ダブルシンク」をしなくてはいけない。グロリアのスピーチで語られた現在の女性の状況のように。ジョージ・オーウェルの『1984年』のように。でも「ダブルシンク」は鬱を治さない。
スピーチ=言論が洗脳を解くためには重要だ。けれどもうケンとの闘い方で「バカなふり」とかやめてほしい。いつの時代の誰のフェミニズムの闘い方ですか。そしてバービーが仕事でアイデンティティーを獲得するふりをして、産婦人科に行く結末も。もっと闘いは切実だ。それこそ法の逸脱が必要だし、死と触れあっている。だからケンたちの「ごっこ遊び」の闘いで終わらせてはいけないんです。
私たちはバービーランドをみて、ジェンダー不平等の現況を感知しなくてはいけない。と同時にバービーランドではない別の仕方の世界を創造/想像しなくてはいけない。その「ダブルシンク」が求められている。そしてそれを現実に反映させる運動が。そこまでの射程があるなら本作はアカデミー賞の作品賞に相応しいし、グレタ・ガーウィグが監督賞にノミネートされていないことは抗議してしかるべきだ。
ただ私はそもそもファーストシーンで人形を宙に投げることからアヴァンクレジットに繋げる仕方があまりにもダサいと思っているから、複雑な心境にいる。
アホになれれば楽しいはずが、フェミニズム要素で我に返る
マテル社公認映画でありながらいわば自虐的描写てんこ盛りなのはさすがハリウッド映画。廃盤バービーへのツッコミや男だらけの役員メンバー、一人ずつ壁で囲われて閉鎖的なオフィス空間。
なんだかゆるーく行き来できてしまう、現実世界とバービーランド。陽キャが過ぎてどこかシュールなバービーランドの住人たち。この辺はB級すれすれのノリというか、根底に流れるフェミニズム的テーマがなければ完全にB級と言ってしまいたい雰囲気だ。
世界のピンク塗料を枯渇させた、ガーリーにむせかえるようなバービーランドのセットはなかなかの見応え。バービースタイルでないと着こなせないようなファッションを次々びしっと決めてみせるマーゴット・ロビーはさすがの美しさ。ある意味狂気じみたケンというキャラを徹底的にやり切るライアン・ゴズリングも見どころだ。
こういうノリの映画は深く考えずに見られればアホになれて楽しいのだが、これだけフェミニズム色が濃いと、あれこれ考えてしまわざるを得ない。
(この辺さまざまな見方があるかとは思いますが、私個人が素直に感じたことです)
まず感じたのは、バービーランドにおけるケンたち男性の立ち位置は、現実世界における(少し古い時代の)女性の立ち位置をそっくり表象しているということだ。バービーに比べるとはるかに個性に欠け(ると見做され)、バービーランドという社会においてはバービーの付属物としか見られず、軽視される存在。
物語の中で、人間の世界に行って男性が活躍する姿を見たケンは、バービーランドに人間界の男性観(マチズモ限定)を持ち込む。そしてバービーランドの憲法を変えようとするが、バービーに煽られ男性同士の対立にかまけているうち憲法改正を阻止される。憲法改正は出来なかったが、バービーの「ケンはケン」と個性を認めるかのような言葉に満足する。さらにバービーは「ケンたちもそのうち力をつけるでしょう」(だっけ?)みたいなことを言い放つ……
それでいいのか?
フェミニズムは男女同権主義に立脚するはずだが、バービーはケンたちと共同で新たな憲法を制定したりはしない。彼らを(バービーランドの)法的には元の社会的に劣後した立場に戻し、バービーがケンに個人的ガス抜きをしただけで解決扱い。
これが男女逆ならば炎上案件になりそうだ。
純粋にバービーランドの中のケンだけを見れば、生まれながらに女尊男卑の世界の弱者なのに、本作のケンに対する扱いは、現実の男性優位社会へのカウンターになっている。
そもそもバービーの世界観の起源自体が、女児向けの玩具という性質上女性優位なので、男性の存在が空気にならざるを得ないという側面はある。男の人形に凝ってみたところでマジョリティには売れないということなのかもしれない。
だとしても、目覚めたケンの描写が現実世界の男性への偏見に満ちている様子には少々うんざりした。私自身はそういうことに人一倍神経質というわけではないつもりだが、多様性を押し付け……もとい標榜するポリコレの聖地アメリカの作品が、特定の属性(男性)を「現実界の男といえばマチズモ、馬、『ゴッド・ファーザー』を語りたがる」などと一括りにする、そのダブルバインドぶりにちょっと白けたのだ。
今の時代に女性の主体性や多様性を描くのに、そうやって他の属性を雑にまとめて貶める必要があるのだろうか。
終盤でグロリアが羅列する”女性を縛る不自由さ”の内容に、女性特有の問題ではなさそうなものが混じっていたり、頭脳労働的な職業とウェイティングスタッフのような職業の扱いに軽重が見られたりと、ケンの扱いで首を傾げたことをきっかけに他の重箱の隅も気になり出してしまった。
頭バービーなノリと、嫌でも目に入る定型のフェミニズム的メッセージのギャップを行き来して、思った以上に脳みそが忙しくなる映画だった。
パロディーなのでお気楽に
のっけから、かの有名な名作映画のパロディーからスタート。そして赤ん坊の人形を叩き壊すシーンからして、ああ、この映画見て怒っちゃ負けなんだな、と思いました。みんな、「2001年宇宙の旅」は知っているのでしょうか。
性差別とか男社会に女性軽視の問題とか、よくある議題の真面目なテーマが紛糾しそうですが、ありがちな話だと聞き流して、まっピンク色のビジュアルを素直に楽しむ、ポップコーン映画として見れば良いかと思います。そもそも人形遊びなんてしたこと無いし、リカちゃんならともかく、バービー人形なんてしらないけど、お祭り騒ぎの映像を気楽に楽しむだけなら、バラエティーな映画として十分役割を果たしているかと。
でもわずかに見せるリアルな美しさを魅せるシーンもあって、そこまでふざけた映画でもなかったと思います。バービー創始者を登場させるところは流石。
でも、スタッフロールに入る前の本物のバービー人形達はちょっとしたホラー。最初に魅せられなくて良かったw 音楽とか、スタッフロールのピンクのフォントも素敵ですね。やっぱり最後まで席を立たずに見てしまった。
みんな違ってそれでいい、の裏と表。
監督としてのグレタ・ガーウィグがこれだけのバジェットの大作映画の準備が整っていたかは、正直微妙だったかもと思う。美術や衣装のクオリティに比べて映像が充分にハネてないように感じてしまったからだ。作品から感じた面白みは、映像よりもコンセプトだったり多層に織り込まれた皮肉やユーモア混じりの問題提起だったりのほうが勝っていて、終盤になるほどセリフに頼りすぎではないかとも思う。
しかし間違いなく刺激的で、いろいろ考えさせられる作品ではあり、しかもこの映画について語られている言説がぞれぞれ微妙にベクトルが違っていて、観る側の価値観や先入観をあぶり出すような仕掛けになっている。この映画のどこに感じ入ったり、ひっかかったり、わがことのように感じたりするのか、結局は自分と向き合うハメになるのは、劇中のバービーやケンともシンクロする。
素晴らしいと思ったのは、クソバカ集団であるケンたちの代表としてライアン・ゴズリングとシム・リウが対決するバカげたミュージカルシーンで、戦ってるうちに通じ合ってしまうまでがわずか一曲の中で表現されていたこと。あの場面が古典ミュージカル『オクラホマ!』の「ドリームバレエ」の引用であることはグレタ・ガーウィグも明かしているが、「ドリームバレエ」のシーンは心の迷いからひとりの人間のアイデンティティが分裂する様を描いていて、いわばこの映画のケンたちも同じアイデンティティから生まれたバリエーションにすぎないと言える。
それはバービーたちも一緒で、マーゴット・ロビーの定番バービーだけが、バリエーションのひとつであることを捨てて有限の命を持つ人間になろうと決意する。正直、人間ってそんなにいいものか?と思ってしまうし、誰もが違っていてそれでいいというメッセージ性に100%ポジティブに共鳴できるわけでもないのだが、人生の次の段階に進むためにアイデンティティの根底から揺らぐような変化を受け入れなくてはならない局面が訪れるというのは心底その通りだと思うし、この映画の表向きの明るさとは裏腹に、選択には常に伴う辛さと哀しみを作品から感じられたことが自分にとっての一番の魅力だった。
同じように感じた人がどれだけいるかも知らないし、それが自分ひとりだったところで構わない。そういうことを伝えている映画でもあると思っている。
バビ即一切、一切即ケン。 ライアン・ゴズリング、あんたこんなに良い役者だったのか!?
バービー人形たちが暮らす国「バービーランド」で巻き起こる大騒動を描いたファンタジー・コメディ。
監督/脚本は『レディ・バード』『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』の、名匠グレタ・ガーウィグ。
脚本に名を連ねるのは『フランシス・ハ』『マリッジ・ストーリー』のノア・バームバック。
騒動の原因である定番タイプのバービーを演じるのは『アバウト・タイム 愛おしい時間について』や『スーサイド・スクワッド』シリーズのマーゴット・ロビー。ロビーは本作の製作も務める。
バービーのボーイフレンド、ケンを演じるのは『きみに読む物語』『ラ・ラ・ランド』の、名優ライアン・ゴズリング。
バービーを生み出した「マテル社」のCEOを演じるのは『ズーランダー』シリーズや『LEGO(R)ムービー』シリーズの、名優ウィル・フェレル。
物理学者バービーを演じるのはドラマ『セックス・エデュケーション』シリーズや『ナイル殺人事件』のエマ・マッキー。
ナレーターを務めるのは『モンスターズ・ユニバーシティ』や『ワイルド・スピード』シリーズの、レジェンド女優デイム・ヘレン・ミレン,DBE。
妊婦の人形、ミッジを演じるのは『リリーのすべて』や『プロミシング・ヤング・ウーマン』(監督/脚本)のエメラルド・フェネル。
👑受賞歴👑
第96回 アカデミー賞…歌曲賞!
第81回 ゴールデングローブ賞…主題歌賞!
第49回 ロサンゼルス映画批評家協会賞…美術賞!
第29回 放送映画批評家協会賞…オリジナル脚本賞/最優秀コメディー賞!✨
1959年にマテル社が発売が開始。今や全世界で親しまれている着せ替え人形「バービー」。販売数は10億体を超えるというのだから、その影響力は計り知れない…まぁただ、日本だと「リカちゃん」というタカラ製着せ替え人形が覇権を握っており、バービーの存在感は薄いのだが。
日本はともかく、世界的なバービー人形の人気は凄まじく、これまでに50本以上のアニメ映画やテレビシリーズが制作されているが、実写化されるのは今回が初めて。
おもちゃの実写化ってそんなん需要あるの?なんて思うところだが、よく考えたら『トランスフォーマー』シリーズ(2007〜)だって原作はおもちゃ。過去には『マスターズ/超空の覇者』(1987)や『G.I.ジョー』(2009)なんてものもあったし、意外とこのジャンルには奥深い世界が広がっているのかもしれない。
全世界興行収入は14億ドル以上。これはコメディ映画として全世界No.1の記録である。さらに、『ハリー・ポッター』(2001〜2011)も『ダークナイト』(2008)も飛び越え、ワーナー・ブラザース史上最大のヒット作となってしまったのだから驚く。
日本ではまるでヒットしなかったのだが、これは前述したように日本ではリカちゃんが圧倒的なシェアを有しているためだろう。邦題をしれっと『リカちゃん』に変更していれば、この国でも大ヒットしていたのかもしれない。
やれフェミニズムだのWOKEだのポリコレだのと外野がグチグチ煩い作品だが、女児用玩具を題材にした映画なのだからそんなにややこしい作品ではない。メッセージ性は強いが、基本的にはバービーで遊ぶ子供も、かつてバービー人形で遊んでいた大人も一緒になって楽しめるストレートにとっても面白いコメディ映画である!!いや、マジで何度も爆笑してしまいました🤣🤣🤣
特に笑わせてもらったのはバービーのボーイフレンド、ケン。バービーの付属品として扱われる悲運のおもちゃである彼だが、『トイ・ストーリー3』(2010)にメインキャラクターとして登場し、その続編となる短編映画『ハワイアン・バケーション』(2011)では主役を務めるなど、近年再評価の機運が高まっている…ような気がする。
そんな彼がついに実写化。しかも演じるのは名優と名高いあのライアン・ゴズリングである。
本作の1番の衝撃は、「ライアン・ゴズリングってこんなに良い役者だったのっ!!?」という事。『ラ・ラ・ランド』(2016)や『ブレードランナー 2049』(2017)、『ファースト・マン』(2018)でどこか影のあるキャラクターを演じていた彼。いぶし銀ではあるが華はねぇよな〜…なんてこれまでは思っていたのだが、今回の好演を見てその印象は180°激変。頭空っぽのバカを、ここまで完璧に演じる事が出来るとは!!もう本当に本人もこういう人なのだとしか思えない。この人の資質はむしろこっち方面の役で生きるのでは?
ライバルのケンを演じた『シャン・チー』(2021)のシム・リウとのコンビネーションも抜群。この人こんなに体が動く役者だったんだ。うーん、デイミアン・チャゼルもマーベルも、役者の使い方を間違えていたんだなぁ。
バービーというタイトルであるが、はっきり言って記憶に残っているのはケンのことがほとんど。もうこんなんタイトルを『ケン』に変更するべきですやん。
家父長制と有害な男らしさのバカバカしさを、こうも見事に画として見せられてしまうと、男として恥ずかしいとかそういうのを通り越してもう爆笑するしかない。マンスプとかギターとか、心当たりがあるかも…。反省しますもうしません😢
グレタ・ガーウィグ監督の前作『ストーリー・オブ・マイライフ』(2019)は大好きな映画なんだけど、そっちは原作が「若草物語」(1868)というだけあってかなり文芸的な作品だった。てっきりそういうアーティな作風を得意とする監督だと思っていたので、これほどまでにはちゃめちゃなギャグコメディで勝負してくるとは思わなかった。しかもそれがちゃんと面白い。この人に撮れない映画はないのか!?
グレタ・ガーウィグの才能、その底知れなさには畏怖の念を抱かざるを得ない。
大変楽しめたのだが、ギャグとシリアスのアンバランスさは気になるところ。
『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』(2020)や『プロミシング・ヤング・ウーマン』など、マーゴット・ロビーはフェミニズム要素を色濃く反映させた作品をこれまでもプロデュースしてきている。そんなロビーとガーウィグ監督が手を結んだのだから、当然ながら本作も男女の格差や性差別に深く切り込んだ内容となっている。
そもそも、バービー人形を実写映画化しておいてガールズ・エンパワーメントを打ち出さないなんて事はあり得ないのでそこは良いのですが、ステートメントの表明があまりにストレートすぎるのはいかがなものか。
顕著なのは後半、男根主義に目覚めたケンによってバービーたちが洗脳されてしまうというシークエンス。展開としてはなかなか悍ましいのだがその描写はとことんバカバカしいという、笑いながら観ていられるシーンで急に「人間界の女性はこんなに苦しんでいるのよ!」とか大真面目にセリフで言われてしまうと「お、おう…」と怯んでしまう。
クライマックスもそうで、ケンvsケンのバカな大戦争の後に「あなたはあなた、私は私」的な正論でお話を纏められても「いやそれはわかってるんですけど…」と冷や水を浴びせられた感じになっちゃう。
忘れてはいけないのは、これはあくまでも「バービー人形」の映画化であるという点。
フェミニズムは大切な事だが、それよりも本作では〈バービー人形で遊ぶ〉とはどういう事なのかを追求するべきなのでは?女の子に”ファシスト”と罵られたバービー人形の存在意義とはなんなのか、そして次の世代にバービー人形を引き継いでいく意味とは、みたいな感じのおもちゃ論をもっと強く提示して欲しかった。
そういう意味では同じくワーナー・ブラザースが配給している『LEGO(R)ムービー』(2014)の方が、おもちゃとはなんなのかを真摯に追求していた様に思う(ちなみにこの映画、ウィル・フェレルが『バービー』とほとんどおんなじ様な役で出演しているのでまだ観ていない人は要チェック!)。
最後は人間になるというピノキオ的なオチもなんだかなぁ…。
「何にでもなれる!」というメッセージは立派だが、流石に人間は人形になれないし人形は人間になれない。そもそも、人形よりも人間の方が素晴らしいって本当にそうか?死なないし老けないし毎日ハッピーなら人形の方が良いじゃんねぇ?
第一、クライマックスで良いところを持っていったルース・ハンドラーとかいうババァ、脱税の容疑で起訴されてんぞ!信用しちゃならねぇ!!
…と、めちゃくちゃ笑える映画なのだが、少々頭でっかちさを感じてしまう。
登場人物がほぼ全員バービーとケンという、ほとんど禅の様なバカバカしいアイデアは最高なのだから、もっとそういうエキセントリックな方向に振り切って欲しかったのが本音。怒れるバービー軍団が人間界に押しかけ世界を崩壊させ、最終的に『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)の男女逆転バージョンが始まるとかだったらもう花丸あげてた。
にしても、パパ活ケンとかコックリングケンとかお腹の胎児を出し入れできるミッジとか、この映画の製作陣以上にマテル社の頭はイカれているよね💫
ギャグもおもしろいしテンポもいいが、風刺の内容があまり自分には刺さ...
ギャグもおもしろいしテンポもいいが、風刺の内容があまり自分には刺さらない。
思いの外メッセージ性強い映画
前情報で原爆風刺だったりフェミ映画と聞いていたので、あまり期待しないで見たが思ったより面白かった。
しかし女児向け玩具の話でここまで重くメッセージ性入れてくるとは思わなかった。
あくまで女児向けの映画ではなく、昔遊んだ大人たちへの映画ということなのかもしれない。
話を分かりやすくするためにやりすぎな感もあるが、女性中心社会→現実の混沌さ→男性中心社会→アイデンティティの大切さといった流れで映画は推移していくが、最初にケンを軽く扱うことで後に上手く男女双方へリスペクトの大切さを説いてると感じた。
結論はアイデンティティの話だし(軽いけど)あまりフェミっぽい香りは感じなかった。
舞台や衣装も人形世界を模してるだけあって派手ながらチープな感じが好印象だった。
バービードールの世界を実写で再現というだけでも危険なのに、ヘタに男...
バービードールの世界を実写で再現というだけでも危険なのに、ヘタに男女差別の社会性を盛り込んじゃうのは失敗確定演出としか思えない。結果、極端な女社会vs男社会の対比とマーゴットロビーの大袈裟演技で予想通り撃沈。所々にバービー歴代衣装をMV風にカットインする演出がまたC級感を加速させている。『バービーは何者にもなれる存在』という創業者の想いオチも虚しく、近年まれに見るドタバタ映画として、マテル社の栄光の歴史に刻まれてしまったと思われる。バービー世界をアニメ、人間社会を実写にして魔法かけみたいなファンタジーにできなかったのかな~~残念無念。
刺さる人には刺さる
最初は可愛くて楽しくておバカな感じで始まったこの映画。もっとライトな感じかと思いきや、人間世界に行ってからが重い。おバカなキャラやシーン満載なのは変わらないけど、バービーが感じる違和感(異質なものに対しての奇異の目、女性が性的な目で見られること、など)、ケンが現実社会は男性社会でありバービーランドは男性蔑視社会だと気付くこと、男女の対立、男性社会内での抗争など、風刺が効きすぎて私は笑えず。
最後も、結局バービーランドは元通りで、ケンはなりたい職業には就けない。
そして予想外に泣きまくった。
秘書のお母さんの心の内の叫びのシーンで泣き、最後のバービーが生きる道を選択するシーンでも泣き、見終わった後も余韻で泣き…心と顔がグチャグチャ。
秘書のお母さんの言葉は、私がアラフォーのワーママで同じ立場で、日頃から感じてくれてることを言語化してくれたからかな。会社員としても母親としても求められるものが多く、日々忙しく頑張ってるけど、どれも中途半端で、私は自分らしく生きていけてる?私はこれがなりたかった自分?って自問自答してるから。
最後の「あなたは何にでもなれる」ってすごく素敵な言葉。でも、本当は「何にでもなれる可能性はあるけど、なれないこともある。」なんだよね、現実社会では。この映画で足りないなと思ったのは、その事実に気付いた後の救いかな。ただ既にもう色んなテーマが盛り沢山のこの作品に求めすぎでもある。
2001 girls
『2001年宇宙の旅』へのオマージュはとてもわかりやすいけど、クレジットに2001ガールズが載っていたのに驚き。ピンクだらけの世界に一瞬浸ってしまいましたが、毎日だと飽きるだろうし、いつまでたっても恋人として認められないケンの立場も脇役のアランの立場も毎日だと大変。そんな中、人間の世界へと旅に出て、ケンは男社会に衝撃を受けてバービーランドをケンダムとして作り替えてしまう。
ジェンダーの問題、金権政治の問題、もっとも恐ろしかったのが男たちが勝手に憲法改正しようとしていたこと。さすがに邦画で「リカちゃん」といった映画を作ったとしても、これだけの社会風刺は盛り込めないだろうなぁ・・・
ルース・ハンドラーに会う前に一人の老婆に「あなたは美しい」と声をかけたバービー。人間ならば年を取る。「死」を考えて人間らしい感情が芽生えたことが人間界に旅立ったきっかけだったが、その人間になりたいと願ったのがラストの婦人科受診に繋がったのだろうか?何しろ股はツルツルなのだから、生殖器を持とうというのも分かる気がする。
ポップな絵面で内容重い
美しいマーゴットロビーと衣装を楽しみたくて鑑賞。
コメディーのノリで進んでいくのに
男性社会、女性軽視、女性の社会進出の難しさをとても考えさせられました。
バービー人形が女性軽視を助長していたなんて悲しすぎる。
小さな私にはスタイル抜群のバービーは憧れでしたよ。やっぱり格好良い。
飽きずに最後まで視聴しましたが求めていた物とは違いました。
オープニングの赤ちゃん人形をやってられるか!とばかりに投げ出す子ども達と
ずーっとウザいケンが良かった!
ライアンゴズリングのケンでスピンオフあったらちょっと見たい笑
よくある成長物語@子供向け
笑いどころ満載ブラック満載のB級映画と言いたいけど、どうも笑えるから人気があったわけではないらしい。アメリカ的にはまだまだ新鮮なフェミ映画なのかもしれない。
まぁ、ケンを男として勘違いさせたところは全く冗談になっていなくて、一度手にした利権を手放す男はいないんだよ。男が恋ごときで折れてひっくり返るのはムリがある。
めっちゃカラフルだったお人形さんの世界が人間に近づくにつれ色を失っていくのはわかりやすく。ここまで”現実を見ようね”ってラストだと実際のバービー人形は売れなくなっちゃいそうだけど。いらぬ心配か。
「マーゴット・ロビーが言うと説得力がない」というナレーションに吹いた。
その当たり前、今気付いた?
アグリーベティの女優さん!
現実女性の代弁者。
でもマテル社の上層部ってかなりうまく歩んでる方かなと。
バービーが理想の頂点であり続け、
女性は現実の中でバービーのような理想像を追い求め、そうすると男性の立場が弱くなってきた。
女性は女性で疲弊もするし、求められる理想を完璧にこなさないと意見できる立場に就けないから必死。
「男性」「女性」に結局囚われてしまっている。
ただ単に、属性にとらわれない自分を表現して、感情を使って、自分の気持ちと相手の気持ち両方を尊重できれば良いだけ。
弱音を吐いても良いし、誰かと感情を分かちあって、助け合って良い。
そういう人間らしさが、バービーからは抜け落ちてしまっていたから、いつしかルックス至上主義頭弱い系の象徴アイコンのようになってしまった。
多分いつの時代も、心に正直なイキイキした女性像をマテル社は表現したいだけなのだと思う。
君は君、僕は僕。今言う?
その上でその先の共存方法を知りたいんだけどなぁ。
子供も見るから、踏み込んだ内容はなかなか難しいのもわかるが、あまり表現が上手くない。
しかも、作中まるまる、限定モデルだなんだのヴィンテージ物にまで及ぶ宣伝てんこもり。
赤ちゃん人形の破壊、いる?
マテル社には勤めたくないと思った。遅い!
内容も50代以上の感覚では?
今の若者、SNSで自己発信したり、割と上手に自由を満喫できている気がする。
バービーは1959年から。
1950年から連載開始したスヌーピーの方が余程、個の尊重に優れているのは面白い。
同じ様な歌を歌う物理的な男性にはやがて、髭がはえてくる
「私はもう美しくない。」
「とても綺麗よ」
「定番レベルの美しさじゃない」
すると、天の声が「マーゴット・ロビーが言うと説得力なし♥」
「神は最初に自分達を模して人間を作られた」と聖書の創世記に記載されている。
この映画を鑑賞していて、最初にその言葉が思い立った。
つまり、実存哲学そのもの。しかし、キリスト教的な観念は余り含んでいない。なぜなら、ルース・ハンドラーさんはユダヤ系ポーランド人の移民の方。
マーゴット・ロビーさんの化粧もかなり薄くして、ソバカスをギリギリ隠す程度に抑えている。そこが彼女の美しさだと僕は思う。
「人間として生きるのは大変よ。そして結末は一つ」と言うとバービーは
「それでも、人間として生きて意味を見つけたい」
と言う願い。アンデルセンの「人魚姫」をリスペクト♥バービーは泡となるのか?
四時間も同じ様な歌を歌う物理的な男性にはやがて、髭がはえてくる。鳥肌モノ。
やっぱり、女性の演出家だった。
傑作だ。
映画館で観なくて……ほっ
なんじゃこれは
特に前半は滑りまくる芸人を見せつけられてる感じしかしなかった
一応ノミネートはされてたけど、歌曲賞以外は全てアカデミー賞は授与しなかったことで、Academy側が崖っぷちで権威を保った気がする
こんな物を映画館で観てたら(金返せ、時間返せ)と言いながら席を立つかも
世界中にファンを持つ日本のアニメに危機感でも持ったの?再びバービー関連グッズを売り出すための巨大CMなの?
ストーリーも表現も不思議な腹筋も伝えたい内容も全てOUT
人間て…
そんなに良いかしら。人生七転び八起き。自分で人生を切り開けるし、自分一人で何ともならないこともある。それが楽しいのかもだが、バービーランドの方が毎日楽しいと思ってしまう。ケンはつまらないだろうが。マーゴット・ロビーはリアルバービーだった。
途中までは良かったけど、、、
最後全然よくわからんかった。
途中までは笑えたし、おもろかったけど、なんとなく最後は、自分らしく!感じでいくんだろうなーって思ったけど、自分らしくの感じがイマイチ共感できず。尻すぼみな感じ。
女、男、ちょっと言い過ぎなんかな?
結局、性別意識してる感じがジェンダーレスじゃないよねってなるわ。
後、ウィルフェレルにもっとおもろいことさせて欲しかったなー。
ゴズリングのアホな演技は最高!
マーゴットロビーはもうちょっと破天荒な役のほうが好きかな。
奇想天外摩訶不思議
マーゴット・ロビーの完璧と言えるほどのバービー感、どんな格好していても可愛い♥️
ドール役だからなのか露出のあるドレスでも
色気を感じない。あれ、元からか🫢
ライアン・ゴズリングはよくこのぶっ飛んだ役を
受けたなぁ🤣振り切った感はさすが👏
そもそもドール遊び(日本ならリカちゃん人形)も
あまりしなかったタイプなので世界観も
キャピキャピ感も苦手🤣劇場鑑賞しなくてよかったぁ😫
色んなBarbie(多様性)
男社会にジェンダー論
色々ぶっ込んだ奇想天外なお話し👱♀️👱♂️
全109件中、1~20件目を表示