バービーのレビュー・感想・評価
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すごくいい意味で裏切られました!
正直、マーゴット・ロビーが大好きで、彼女がバービーなんて最高じゃん!と思って「マーゴットバービー」が見れれば良いという感じで、映画的なグレードはまったく期待せず、キャピキャピガールズコメディなのだろうなと思ってたのですが、いやいやどうして、素晴らしかった!あまりに良くて、自分の「心の映画ベスト10」に食い込むほど。滅多なことでは買わないパンフも買ったし、サントラも買っちゃいましたし、たぶんDVDも買うでしょう。
ネタバレはしたくないので、細かいことは書きませんが、バービードールの世界観へのこだわり、アメリカならではのバービーの(イメージから来る)良き点・悪い点からの、ブラックユーモアもありつつのシニカルに描かれているアレやコレ。笑いあり涙あり、社会風刺あり、こんなに豊かな映画だとは想像もしてなかったので、感動しました。何度でも見たい、そう思わせてくれる作品です!
色とりどりのぼくたち=もっと自分のこと好きになろう!虚構の中のリアル
変化球な世界を生かしたテーマの描き方に象徴される作り手の遊び心とメッセージ、あるいは苦悩。
つかみは十分!バービーというポップで高カロリー高発色カラフルな世界観を再現度高く持ち込みながら、やや前面に出まくったテーマから真のテーマへとガラッとイメージを変えながらもふんわり(やらかくあったかく)着地していくさまは、本作として意外性ありつつも既視感もあって尖りながらも普遍的。プロダクションデザインにマーゴット・ロビー&ライアン・ゴズリングをはじめとしたキャストのハマり感と、セリフの一つ一つや独自のテンポ語り口で途中までグイグイ惹き込まれて新鮮な気持ちで見られた。我らがケイト・マッキノンや、&ポジションなウィル・フェレルは名人芸の域。アメリカ・フェレーラやマイケル・セラもよくて豪華キャスト。
後半終盤と分かりやすい展開ながらも思わぬ持って行き方というか、不思議な感じになっていって少し置いてかれそうにもなったけど、終わってみればやはり気持ちいい。女性応援作品ではあるけど、ありのままの自分のこと好きになろうよ、と分かりやすく届けてくれる。グレタ・ガーウィグ✕ノア・バームバック=大好き2人のドラメディをメインにした素晴らしいフィルモグラフィーにおいてベストな作品ではないかもしれないけど、こういう誰しもに親しまれている愛すべき長寿コンテンツ"ありもの"から、制約の中でオリジナルな物語を紡ぐ職人技をきちんと見た気がして、新しい一面を見られた。『ナルニア国物語』も決まっているらしいし、こうやってこれから原作ものとか主戦場に益々メジャーになっていくのかな。少し複雑。
勝手に関連作品『レゴ・ムービー』『魔法にかけられて』
これを演じることは未来につながる
マーゴット・ロビーとライアン・ゴスリング2人をグレタ・ガーヴィック監督
久々のケイト・マッキノンで
やってくれる感あり。
マーゴット・ロビー良いですね。
この人の肚が座った作品選び作品づくりが好きです。
始まりのBarbie landのピンク詰め込み映像とセリフの洪水に、ちょっと疲れた。
トイストーリーで観たバービーとケンをもっとふくらませた感じ。バービーとケンで構築された世界は少女は夢として現実逃避の手段としていたのかも。
これがやりたかった、あれもやれたかも…夢みて着せ替えで楽しみ自分の本質に目を向けずに少女時代の定番と消費してしまう。
着せ替えでは中身は成長しない。
結びのシーンBarbieを作った…母ですね。
娘の自立を後押しする言葉
物語流れで、わかっていながらも心温まるシーンでした。自分を生きることが大切。
こういうところ監督グレタ・ガーヴィック。
観客、意外にも男性が多くて、笑いがたくさんでした。
外国人の人が多かったからかな。
イチ映画として楽しみづらい&世界観の説明不足
親しい外国人女性(アメリカ人ではない)と一緒に観に行きました。
観賞した結果としては二人揃って
『ビミョー』というのが率直な感想です。
SNSで感想を見てみると案の定、
「最高だった!」「つまらなかった」
のほぼ二極です。
更に案の定の思想つよつよ映画なので
ネットであーだのこーだの自分の思想を語りながら誉めたり貶したりされています。
自分は『映画として面白いのか』を軸に見たので思想については置いておきますが、
先にも書いたようにビミョーです。
『面白くなくはない』
『だがもう一度見たいかと聞かれればNO』
くらいの評価です。
なにより自分がこの作品で気になった所が
『圧倒的な説明不足の世界観』です。
ここは正直、酷いと言えるレベルでした。
ファンタジーからなのか子供にも向けている作品からなのか、『これどういうこと?』『この設定どうなってるの』な謎がメチャクチャ多いです。
確かに子供向けの作品では
イチイチ細かい説明はせず、
流れを重視させる事はよくあります。
しかしこの作品、本国アメリカではどうか知りませんが日本での観客はほぼ大人。
自分もツレも頭に?が駆け巡りました。
そもそもこの映画はやることなすこと中途半端です。
コメディにもアドベンチャーにもファンタジーにも振り切らず、社会的メッセージの入れ方も個人的には中途半端に感じて
「いったい誰に向けた映画なのか」と…
上映後に拍手が起こりました。
…場内の数人だけ。
今まで映画館で拍手が起きた瞬間は何度か見たことがありますが、大抵そういう時は数人が最初に拍手したらそこから伝播して皆が拍手しだす、みたいな流れなのですが
今回はじめて『伝播しない拍手』を見ました。
それを見て『それほどまでに評価が分かれる作品なんだな…』などと思いました。
観賞したツレと二人、
苦い顔で映画館を後にして出した結論は
「劣化版『カラー・オブ・ハート』だね」
という一言でした(カラー~は1998年の映画です)。
さらにSNSなどで感想を見ようとすれば
手放しの絶賛や思想を含んだ意見が多く、
『最後まで楽しみづらい映画だなぁ…』と。
お洒落なファンタジーでこれはこれで良い!
程よく幼稚さが入った脚本で、ある意味子供のバービー観があった。でも子供向けではなくちゃんと大人向け映画。
とことんピンクの可愛い世界、単純な物語、ファンタジーとちょっとリアルミックス、中々良いではないか!
もっと面白いと勝手に想像しながら映画館に行ったが、これはこれで良かった。満足!
追伸、女子にはいいが、男子はつまらないと思います。
ピンクでカラフルな世界‼️
バービーランドで幸せに暮らしていたバービーが人間社会を訪れた事から起こる騒動を、もうホントにピンクに描いた作品‼️私は今までの人生でバービー人形に縁がなかった人間ですので、バービーにも様々な人種の方がいて、様々な職業の方がいるのに驚きました‼️それはボーイフレンドのケンも同じ‼️そしてバービーランドがバービーを中心に回っているのに対し、人間社会が男性中心で、その差に戸惑ったり、バービーランドでケンたち男性が反乱を起こすのも面白く、ジェンダーの問題や人種差別、性差別の問題がストーリーに絡んでいるのも興味深いですね‼️ただ個人的には世界観が確立してないように感じました‼️バービーランドと人間社会があって、バービーたちは人間社会を知ってるけど、人間たちは知らない‼️でも製造元であるマテル社の人間はバービーランドを知っている‼️バービーランドから人間社会へも普通にドライブしながら行ったりしている‼️いまいちよく分からないですね‼️「ロジャー・ラビット」のトゥーンタウンみたいに、その存在が作品の中で分かりやすく確立してたらよかったんですが・・・‼️
自分が自分であることの大切さ
この作品見て感じたのは、自分が自分でどうあるべきか、それを考えさせられた。
色んな考え方や感じ方、夢や希望を持って良い。
自分を理解してくれる人、自分を慰めてくれる人の大切さっていうのがほんとにきづけた。
まぁ!全体的に話のテンポも良くて見てて飽きないし、
最初のダンスのシーンめちゃくちゃ好き!
永遠マーゴット・ロビーの可愛さと美しさに心を打たれっぱなし。
改めて彼女の演技の凄さに気づかされた。
まぁ、マーゴット・ロビーの演技の凄さは毎回毎回作品を見る度気づかされるんですけどね。
あの、ベンチに座って持ち主のことを考えて、涙を流すあの1粒の涙を流すシーンが神秘的に感じた、、
そして周りの人達(友達と楽しそうに笑っている人、悩んで挫折してる人、そして同じベンチに座ってるおばあさんを見てた時)を見渡した時、彼女は何を感じたんだろ。
人間への興味が湧いたのか?
人間であることの素晴らしさ、または辛さ?
歳をとることでの老いや死のこと?
彼女の表情、演技で色んなことを考えさせられる。
先が見えないストーリー展開
マーゴットロビー主役なので期待したけど?
やや理解できないストーリー展開で、立ち上がりから前半は理解出来ても、特に後半の展開は何故こうなる?って感じですかね?
まぁ、それが面白いと思う人もいるのかな?
元々バービー人形の世界を描いているので奇抜なストーリーではあるのだけど、もう少し単純な楽しさ、面白さがあっても良いのでは?
驚くほどストレート
驚くほどストレートにジェンダーの問題に取り組んでいる。もっとこう比喩的な描き方かと想像してたんだが、いやいやどうして、めちゃくちゃ直接的に「家父長制」や「男性至上主義」「ジェンダーの役割」的な考え方の悪影響を語ってるし、描いてる。
それを深刻でなく笑いに変えているのもよい。
冒頭の『2001年』パロディから、それを宣言しててもうニヤニヤが止まらないね。ウィル・フェレルは、チャド・スミスそっくりネタでドラムスティック持って出てくるし。
ちょっと心配なのは、自身の空っぽさに気付いたケンが、人間世界から「男であるだけで偉い」世界観を持ち帰った挙げ句にひっくり返され、「それはでも貴方たちが悪いわけじゃない」ってなってるところ。
バランスが良すぎて逆に、いわゆる「All lives matter」的な「女性だけが差別されてるわけじゃない」的な誤った解釈をされないかというのが心配。もちろん制作側は慎重にやってるし、ケンたちが悪い、って結論になるのはもっと駄目な訳だけど。
でもまぁこれだけジェンダー論的な内容を、これ程までのエンタメに仕立てるとは、やはりグレタ・ガーウィグは優秀だなと。
今週の大荒れ枠になりそうな予感でしかない…。
今年271本目(合計921本目/今月(2023年8月度)10本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。
まぁ、見る前から外部(ツイッターだっけ?)で大荒れしたりとネタにはことかかない映画で、普通に見る分に関しては、「普通に」解釈すれば女児も想定されているんじゃないかな…とは一見思えます。
ただ、問題はそのあとで、多くの方が書かれているように、この映画はその範囲を完全に超えていて、フェミニスト思想の話や(字幕版では「フェミニスト」という語は何度か出る)、人種のお話、さらには車いすのお話(←身体障がいをお持ちの方のお話)といった論点が多々出てきます。
正直ここまでというのは想定しておらず、かといってストーリー的にはどうも現地では女児向け枠になっているのかストーリーの筋はわかりやすいものの、最近のいわゆるポリコレ論を全部もった形になっていて、某映画が「ポリコレワールド」じゃないのかと言われたのと同じように、本映画も「ポリコレランド」じゃないのか、と言われても仕方がないんじゃないか…と思います。日本ではまだどうしても、小学校高学年でやっと扱う範囲かどうかというところであるからです。
場外ファイトは場外ファイトであっちもすごかったのですが、まさかストーリーがこんなポリコレ論ばかりになるとは思わず、こりゃ参ったなぁ(お盆の中に入っている、「人を選んで」地雷枠になりうる作品)というところです。
ちょっとこれは…といったところです。少なくとも、女児向けという解釈は無理なので注意が必要かなといったところです(かといって、誰宛てなのかというのも謎)。
採点はこれらまで考慮して下記のようにしています。
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(減点0.7/ポリコレ論の解釈がいろいろに取れる)
・ フェミニズム思想があることは前提であり(なお、単に「フェミニズム思想」という扱いでも字幕版は「性差別」。吹き替え版はどうなってるんでしょうか…)、さらに、人種問題や身体障害者の扱い(ただ、車いすというのは「よくある」一つの類型にすぎず、例えば内部障害など扱いが少ないものに対しても配慮は明確に足りない)など、ポリコレ論を全部盛りまくったために何がなんだか(これらを盛りまくったためにストーリーの展開はこれらの道徳?の教科書を1つ作れるような状態になっている)という、「ストーリーがあるのかないのか不明」な状態になっています。
ただ、この点は、日本以上にアメリカ等「男女同権思想等の先進国」では当然のこととして扱われているだけであり、日本が遅れている、という批判はどうしても免れることができず、ただ単に「日本だけが遅れているだけで映画は悪くない」というのは一応成立します(なので、この観点でも荒れてしまう。日本では小中高までこういったことの学習について、当事者(児童生徒)の「子供の学習権」の概念は存在しても、実際に行使することが困難か、できない)。
(減点0.3/「最高裁判所」が指すものがよくわからない)
・ 日本では最高裁判所を頂点とする一つの裁判所体系ですが、国によっては、私法(民法や商法ほか)と、公法(憲法や行政法など)の裁判所が別々の国もあります(代表例はフランス)。また、「最高裁判所」といっても、それが実質的に「憲法裁判所」(憲法について論じるのみの裁判所)という国もあります(代表例は、実は韓国)。映画内では明確にどこの国か出てこないので(ただ、原作を尊重するとアメリカ?)、一部の法律ワードの解釈が何とでも取れてしまうという問題もあります(ここは、法律系資格持ちが気にするところ)。これら法律ワードは結構飛んでくる割にストーリーには一切関係しない(出てくるだけでしかないノイズワードになっている)のも、何がなんだか混乱させたりと結構厳しいです。
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思いの外、名言の宝庫
マーゴットロビーは、もちろん可愛らしく美しい。しかしイケメンが少ない。
とは言え、女性も強く凜々しく社会参加することが正義とみなされる昨今、女性の肉体的美しさに特化した定番バービー人形の、存在自体がコンプライアンス的にビミョーなのだと言うこともひしひし伝わってきた。なお、まったく個人的な感想ではありますが、後半の人間界から来たお母さん(アメリカフェレーラ)のセリフを聞いて、スラムダンクをちらっと思い出しました。
しんどかった…
ライアン・ゴズリング…。こんなニンジンみたいな顔だっけ?
彼の良さを全て打ち消して、びっくりするくらい酷いビジュなのは、あえてなのか?
冒頭、「2001年宇宙の旅」のモノリスのように、バービーが登場するや、
今まで遊んでいた赤ちゃんの人形を地面に叩きつける子供たちに、まず不快感。
その後も、ケンダムランドからバービーランドを奪還すべく、
悪知恵を働かせて、男どもにある事ない事吹き込んで、内部崩壊を企んだり。
自分の手を汚さずに、戦争に勝利するその姿は、まるで陰謀論の世界のような。
脚本書いた人、相当性格悪い。
音楽もファッションも色彩もダサい。それも、「あえて」なんでしょうね?
ただ、客席の大半を閉める10〜20代前半の若者グループは、
楽しそうに帰ってったから、これは、そういう映画と思って見るべきなんでしょう。
おじさんにはしんどかったです。
現実の素晴らしさ
女性監督史上最大と言われるほど、本国で大ヒットを記録している本作。ロッテン・トマトの評価も高く、世はバービー旋風。しかし、日本では公開前にOppenheimerとのミームで大炎上。私自身も憤りを感じながらも、作品に罪は無い。映画自体はそんな古臭いものじゃないはずだ!そう思っていたのですが...。
今更取り上げるテーマでしょうか。
時代はもっと先に行っている。そもそも、バービーの世界に一切の憧れを感じない。こんなところで一生を過ごすとなれば、気が狂いそうになる。女性差別をここまでド直球に描くなんて、20年前でもこんな雑なことはしない。しかも、被害妄想のようにしか思えないバービー達の身勝手さがイライラして、なんのメッセージも感じられず、終いには必死に裏テーマを探ろうとする自分。結局、考えても考えても、私はこの映画で何も得られなかった。
バービー世界の構築は目を疑うほど完璧なのに、何故ここまで安っぽいのだろうか。バービー愛があるのか無いのかさっぱり分からん。仕事を選ばなくなった庵野秀明映画って感じ。そんなところまで再現しなくていいのにやっちゃうから、お遊戯会・おままごと感がスゴすぎる。音楽も映像も大したことないし、ド派手な演出もない。いつか盛り上がるだろう!と期待して待っているとエンドロール。いつまで経っても、上滑り。ブラックジョークやメタ発言入れればいいとでも思うなよ!?
バービーとケンの関係生も理解できない。
影で相手を貶したり、自分のことで精一杯で存在を忘れたり。なのに、思い出したかのように嫌われたんじゃないかと不安になったり、仮面を被っていたかのように人が変わる。本物の愛とは一切思えない。これまでもおままごと。というかそもそも、結局なんのアンチテーゼにもなっておらず、ましてや現実より酷い。男社会を批判し、女社会を正当化するのは過去の現実と何も変わってないし、始まりと終わりとでの成長ぶりが一切感じられない。冒険ものとしてゼロ点。ただ、現実がいかに素晴らしいものか伝える映画なのであれば、満点。この映画の世界に、なんの魅力も感じません。
人種差別、LGBTQ差別、障がい者差別が問題視され、それらのテーマを余儀なく組み込まれるようになった昨今の映画業界。そんな中で、こんな古臭くて勇気づけられない映画、あってたまるか。まだまだ世界は変わっていないかもしれないが、時代遅れがすぎる。女性はこんなに大変なんだ!だから、全ては男性よりも優位に立つべきだ!そう言っているようにしか聞こえない。男性主義とされてきた、これまでの社会と何も変わらない。「映画クレヨンしんちゃん ロボとーちゃん」でテーマ性を、「フリー・ガイ」でエンタメ性を学んでから出直してください。
お盆初日、無かったことにしたい。
マテルの過去の反省と贖罪の映画?
マーゴット・ロビー発案の映画らしいが、かつて女性の性差別の象徴としてフェミニズム団体から批判され、民族や体型の多様性を表現していないなど叩かれた過去があるバービー人形だが、創業者ルース・ハンドラーの『あらゆる女の子の無限の可能性を刺激する』という創業時の理念に立ち返り、現在では様々なバービー人形を発売しているマテル社の強烈なメッセージが込められた作品のように感じた。
プロデューサーも兼任しているマーゴット・ロビーやライアン・ゴズリング、ウィル・フェレルにヘレン・ミレンなどトップ俳優を起用する事で作品の格を上げつつも、下ネタがバンバン飛び交うので大人でも楽しめるのだが、隣の子連れが気になって仕方がなかった。
ケンを引き合いに出し男の子へのフォローも忘れてませんよというスタンスを作りたかったのかも知れないが、かえって男性へのネガティブなイメージをつくってしまったような気がする。
男性社会の象徴が馬とか、ゴッドファーザー観とけば間違いないとかツボ過ぎてひっくり返りそうになったが、ライアン・ゴズリングのちょっと抜けたハンサム顔がさらに面白さを後押しする。(この人大好きw)
ラストの婦◯科って?
もうツルペタじゃないって事?
バービーはバービー・ケンはケン
幼少期には、世界中の女の子が手にし、愛されてきた着せ替え人形のバービーを主人公に描いた実写化作品。主人公のバービーに、マーゴット・ロビーを抜擢したのも適役。あの可愛らしさ、抜群のプロポーションは、正にバービーそのもの。
バービーの中には、白人、黒人、アジア系、ポッチャリ、そして妊婦まで、いろんな人種のバービーがいるのを初めて知った。また、職業もマーゴット演じる定番のバービーから、大統領に研究者、ノーベル賞受賞者まで、あらゆる職種のバービーも存在し、ある意味、多様性の尊重や男女平等という、最近主流のテーマが本作にも流れている。
おもちゃとしてお馴染みのドール・ハウスや街並み、車に飛行機までがピンク一色で、バービーらしい世界観を醸し出している。また、バービー同士の会話も、思わず笑ってしまうバカバカしさでコメディー・タッチで描かれている。
その面白さを増しているのが、バービーのボーイフレンド・ケンの役割。これも知らなかったが、ケンもバービー同様に様々な人種のケンがいることを初めて知った。その中で、金髪の定番ケンをライアン・レイノルズが演じ、バービーを求める男としての渇望するお馬鹿キャラなマッチョマンを演じている。鍛え抜かれた、バッキバキの身体は見事だった。
毎日が完璧で、全てがハッピーなバービーランドで暮らしていたバービー達。しかし、マーゴット演じる定番バービーの足が平らになり、セルライトのくすみを発症する。変わり者のバービーの指示で、その原因を解消するために、ケンと共に人間の世界への旅に出る。しかし、人間世界は、女性中心だったバービーランドと真逆な世界。そこで、ケンの男性欲が暴走してしまい、バービーランドに危機が迫るのだが…。
とにかくマーゴット・ロビーの可愛らしさが全面に溢れた作品で、ファンなら堪らない作品。ラストシーンで、ちょっとドキッとするお宝シーンがあったような、無かったような…(笑)
映画史に残る傑作
世界的に有名なマテル社のバービー人形が実写映画化。最初はどんなアホ映画になるんだろうと想像していたが、グレタ・ガーウィグがとんでもない映画にしてしまった。2020年代を代表する映画として確実に映画史に残る作品になるであろう。今年ナンバーワンの傑作。
「ワンダーウーマン」で「トイ・ストーリー」な映画。バービー人形の世界観を利用した至極アホ極まりないコメディは存在しつつも、アダム・マッケイばりの強烈なポリティカル要素をもってミソジニーな現実社会を徹底的に風刺し茶化していく。超シニカル。その数は一回見ただけでは把握しきれないほどに膨大で、秒単位で挿入してくる息をつく暇のないスピード感。ミソジニー、家父長制、Toxic Masculinity、女性差別、アンチポリコレへの茶化しなど列挙するととんでもないことになるのでとにかく見て欲しい。
バービー人形がもたらした夢や功績と逆に良くなかった部分までもありのままにすべてを描いていき、現実社会までもそれに内包していく。特に女性自身が抱えてしまっている問題がバービー人形のもたらした罪と繋がっていく。例えば完璧な容姿やステータスからなるルッキズムや、自分はこうでないと駄目だと型にはめてしまうアイデンティティの欠如による自己嫌悪(鬱)、老化を嫌悪するエイジズムなどが理想とされすぎたバービー人形の闇の部分として描かかれているところが良くて、そこから自分が自分らしくいられるありのままの自分を模索し肯定していく自己肯定へと繋がるのが最高。
またバービー人形の世界観における男性の扱い方にも言及していき、ケンが何者でもないただのケンでしかなく、それは現実社会の女性の扱い方と同じであったことと重ね合わされていて、男性キャラのほとんどが超バカには描かれている(死ぬほど面白い)ものの、相互リスペクトの偏りのない物語でもあった。彼らも有害な男性性に侵されたことによるアイデンティティの喪失を経ていて、自己の内省に目を向ける様が的確かつ素晴らしい。結局は女性も男性も関係なく自己肯定の物語へと帰結する秀逸さ。
でも最後にはしっかりとバービー人形が与えてくれた夢や希望、感謝が込められていてこの集大成感が大感動。バービー人形の総決算でありながら、現実社会のこれまでの総決算でもある。それでいて「あなたはあなたのままで美しいよ。何にも囚われず自分らしさを探して」と背中を押してくれる。あまりにも素晴らしすぎて胸がギュッとしめつけられる。
女性ならば共感を呼び、男性ならひたすら学びになる映画となっていて、男性の私には学ぶ要素が大いにあったし、無意識にそうしてしまったことへの反省の機会を得られる。自分の愚かさに気付くこともありながら腹を抱えて笑える。こんなコメディを待っていた。
純粋なアホコメディから毒見の強いシニカルなコメディ、そこからシリアスにドラマにへとシームレスに繋がれていく映画としての出来の良さも凄くて流石グレタ・ガーウィグ。コメディの種類もバラエティ豊かでメタ的なものも沢山あるし、ワーナー自社作品を使ったものもあるので面白い。もちろん政治的なものもある。
キャスティングも見事。マーゴット・ロビーはもちろんのこと、ライアン・ゴズリングも最高すぎた。こんだけ奇天烈な世界観なのに演技力ひとつで雰囲気をすべて変えていく。マーゴットはプロデューサー、フェミニストとしても着眼点が鋭くて凄いし、売れた始めた直後にBIMBOって言われていたのを軽く自虐的に挿し込むのも勇気があって良い。
他にも面白いカメオ出演もあるのでサイコー。俳優を知っていると面白い小ネタもあって本当に笑えた。
一番注目されているかもしれないサントラも公開前から聞きまくって最高だった。Dua LipaやLizzoのレトロなダンス・ナンバーからCharli XCXやAva Max、Pinkpantheresなどの現代ならではのエレトクトロニックなものまで目白押し。そしてもはや御大的な存在感の大好きなビリー・アイリッシュが哀愁とエモーショナルの洪水みたいなピアノ曲で映画をキュッと締めてくれる。
こんなとんでもない映画化企画からこんな大傑作が生まれるとは思わなんだ。何もかもが煌めくようなエネルギッシュさを持ち合わせた革命的な映画。2020sを代表する映画になるだろう。
参りました❗コミカルだけど結構考えさせられた作品
作品の予告編を観ると人形をメインにした話かと思いきや男性社会、女性社会の長所と短所を見事に描いた作品。結構、考えさせられた。監督の名前グレタガーヴィックを見て納得した。コミカルな場面ももちろんあり考えさせられる場面もあり観て良かった作品。バービー役のマーコット・ロビーもさすがだが、ナレーション役のヘレン・ミレンもまたいい。
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