バービーのレビュー・感想・評価
全487件中、101~120件目を表示
2023 189本目
※187本目は過去レビュー済
アメリカで大ヒットというか世界的ヒットした作品
しかし必ずしもそれが日本でヒットするとは限らない
マーゴットは素晴らしいし、ライアンも素晴らしいがストーリー的に ん~、、
という感じでした
つまらなくはないけれど
誰にも知られてない映画をたまたま配信サイトで目に止まったから見てみた…みたいな出会い方だったら「スベってる箇所もあるけど2時間まあまあ楽しめたから良かったな」となったかもしれないけど。
今年最高の映画とか、批評精神に富んだ大傑作とか聞かされて期待値が高まった状態で見たので「それほど??」となった。
単純に映画として凡作だった。
それは以下3つの主要な要素から成り立っている。
・キャッチが弱い
日本人にとってバービーはそれほど馴染みのあるIPではなく、一度はバービーで遊んだり元ネタのコンテクストをある程度理解していないとさほど楽しめない構造になっている。例えばマテル社の自虐や内輪ネタなど。
昭和のことなんて知らない子供が見るアニメで昭和ネタを見せられている時のあの感覚に近い。
・思想の軸が弱い
正しく言えば思想を論理的なプロットやシナリオとして構築できていない。
本作の主題は「女性とはなにか」を問うものだ。
しかし序盤から中盤の段階でいきなり
「バービーがバス停に居合わせた老婆を見て、作り物のバービー世界にはない、現実を生きて年老いた女性の美しさに涙を流す」
という唐突なシーンがある。
これは一場面としては大変魅力的で、これこそがこの映画で描かれるべき真骨頂のテーマなのだが、そこに至るまでの論理的なシナリオの伏線がまだ序盤(起承転結の承)の段階で構築されているわけがなく、観客にとってはやや唐突感が否めない。
このシーンの印象的な効果は明らかにもっとラスト付近に持ってくるべきだったのだが、終盤はケンという男性側のケアに時間が割かれてしまってテーマが霧散してしまい、エンタメとしてのカタルシスにもやや欠ける。
・大衆受けを狙った演出があまりにもポップすぎて弱い
上記の思想の軸が弱くなってしまったもう一つの要因はこの演出にある。
テーマのせいで作品があまり重くならないための配慮だろうが、その軽さがあまりにも空回りしすぎている。特にマテル社との鬼ごっこのくだりのしょうもなさは観客を馬鹿にしてるとしか思えない。
要するに「はい、ここでコメディ入れますよ〜これエンタメですからね〜」という作り手側のエクスキューズが露骨すぎるのだ。
そしてそのコメディ自体があまり面白くない(大半がバービーやマテル社の身内ネタ)のだから始末に終えない。ただストーリーのテンポを悪くしているだけにしか見えない。もうちょっと何か他に間のもたせ方はあったのではないか。
これら3つの要素が悪魔合体を起こした結果、
監督の言いたいことを一見きれいに見える宝石箱の中にぎゅうぎゅうに詰め込んだはいいがそれで終わってて、宝石の美しさそれ自体を見せる映画にはならなかった、というのが私の感想だ。
そうでなくとも「なんか期待してたほどじゃなかったね…」という感想に至るのが本邦における大半の観客の受け取り方ではないだろうか。
バービーIPという市場のバフが無ければ単体映画としてはB級の凡作と言わざるを得ない。
昔を懐かしみながら鑑賞
私が小さかった時、よくバービー人形を買って貰っていてついついイタズラ心でバービーの髪を切ったりしていたなあ、なんてことを映画を見ながらふと思い出しました(笑)
バービーで遊んでいた方にはオススメしたい作品です。きっと私のバービーはへんてこバービーの仲間入りを果たしている筈です(゜o゜;
バービーというポップなキャラでコーティングされたグロテスクな映画
女性をエンパワメントする映画だと見て視聴しましたが、疑問が残る映画でした。
男性が優勢の今までの社会vs女性が優勢のバービーの社会の対立を際立たせたいのだとは思うのですが、
最終的に双方が尊重する社会が出来るわけではなく女性優勢の社会が勝利して終わります。
私は女性ですが、これでは男性優勢の社会の裏返しで何の解決にもなってないように感じました。
最後kenが自分らしいアイデンティティー見つけて終了、と言うのもかなりお粗末に感じました。
色彩やファッションはとても綺麗ですし原作者との関係なども謎な部分はありましたが好きな展開でしたが、
それ以上にストーリーが気になりました。
バービーと言うポップでキャッチーなもので加工されたグロテスクな映画だったと思います。
同じことやってるよ
まずマーゴット・ロビーはいつもどおり完璧だし、カラフルでキュートな美術は大好き。けどさ、ガールズパワーを信じてるバービーランドがケンを軽視してケンは社会の中心になれなくていてもいなくてもいい存在なのって、まさにマチズムにおける女性だよね。そしてある日自分の価値に目覚めたケンを押しつぶして元の何者でもない地位に叩き落とすって...グレタ・ガーウィグとノア・バームバックがそんなにバカだとは思わないから、きっと巨大資本に脚本やら編集やらねじ曲げられたのだと信じたい。だとするとあの知性ゼロのキャンペーンの意味も理解できる。それにつけてもウィル・フェレルはいつでも安心して見ていられる。
めっちゃかわいい!ちょーバービー!
全部がかわいい!昔遊んでたバービー思わず掘り出した!
結構感動するしバービー好きな人が見たらいろいろな種類のバービー人形とかお洋服とか出てくるからめちゃめちゃ面白く観られると思う。
内容的には『魔法にかけられて』のような要素を期待していたのですが、予想と異なり、どうも理解しがたい女性差別に対するメッセージが含まれていました。
バービー人形は昔から存在してはいましたが、日本人の中でバービー人形で遊んだことのある人はほとんどいないと思います。
日本ではリカちゃん人形が主流ですよね。
バービー人形についての話題が出ても、多くの日本人には理解されにくく、興味を引かないかもしれません。
主演のマーゴット・ロビーがバービー人形に似ているかどうかよくわからなかったですし、あまり可愛らしいとは思えず、さらにケンなどのキャラクターについてはなおさらです。
キャラクター的には盛り上がりに欠けているように感じました。
内容的には『魔法にかけられて』のような要素を期待していたのですが、予想と異なり、どうも理解しがたい女性差別に対するメッセージが含まれていました。
女性差別はもちろん反対ですが、同時に男性差別や伝統的な男性らしさに対する期待もなくしてほしいと思います。
アメリカの状況はわかりませんが、日本では女性が出世や社会での成功を追求しなければ、比較的平等な環境で生きていけるのではないかと思います。
この映画でも同様に女性差別を許さない姿勢が描かれていますが、一方で男性に対する差別的な表現は許容されるというのは矛盾しているように感じます。
こうした点がフェミニズムの奇妙な部分であり、自身の主張は通す一方で、同じことを男性に対して行うことは許容されるというのは筋が通らないと思います。
映画の中では男性に洗脳されていた女性が、男性からの期待に疑問を呈し、反抗するシーンが描かれています。
しかし、男性もまた女性から期待されることがあり、同じように反抗すればどうなるのかと考えさせられます。
こうした対立が続けば、結局互いに遠ざかり、それぞれが自分勝手に生きることになるでしょう。
コメディ映画であれば面白ければ何でもありだと思いますが、この映画は個人的には面白みを感じませんでしたので、戸惑いを感じました。
ただし、最終的には対立を乗り越えてお互いが一緒になる結末を期待していましたが、実際にはそれは実現せず、物語は最後まで平行線のまま終わってしまいました。
このような混沌としたコメディ映画であっても、これはちょっと納得いかない展開だなと思いました。
ラストシーンも不思議で、物語とはあまり関係のない場面であり、時間的にも飛ばされすぎており、続編への導入というわけでもないように感じました。
おそらく推測ですが、コメディ映画の奇想天外な展開があまりにも混乱したため、最後だけでもきれいに終わらせたいという意図があったのかもしれません。
また、中東での上映禁止についても、なんとなく理由が理解できる気がしました。
はばたけバービー
個人評価:4.0
転機と決断を描く監督グレタ・ガーウィグ。
今回はバービーの世界観を用いて、苦悩する一人の女性の転機と決断を、社会風刺をスパイスに描いている。
前作では、シアーシャ・ローナンという瑞々しい女優の、さなぎの時期から蝶へと成長する時期を2作品描き、今回のさなぎはマーゴット・ロビーという贅沢なキャスティング。
パワーバランスが偏った社会風刺もよかったが、やはり女性の自然である事へのナチュラルな美しさを、美の象徴であるバービー自身が気付いていく部分が素晴らしかったので、そのパートにもっと尺を使ってほしかった。
しかしながら女性監督らしい作品でよかった。
ライアン・ゴズリングの一貫性
「バービー&ケンじゃなくて単体で見てほしい」というケンをライアンが演じるのをみて、『ブルー・バレンタイン』で逆に「You&I」をいつまでも歌って「君と僕の世界」に浸ろうとする成長しないパパとのコントラストが浮かびますよね。人形に恋するて『ラースとその彼女』だし、なんか先導的にイケてる男として振る舞おうとする姿は『ラヴアゲイン』が重なる。マーゴロビーもええがこのライアン君の『ブレードランナー』にも通ずる作り物っぽさ、報われないキャラクター、アクションもやれる肉体性つまりマチズモ、なんて一貫性のある俳優人生なんだと感心しました。
この映画はフェミニズムものだが、彼は彼で役割を押し付けられていたケンのアングルが盛り込まれているのが凄くよかった。あの展開が一味違う
全てを笑い飛ばす!
映像・演出・演技(20)
『反転の演出』。これこそが『バービー』において最も特筆すべき点であろう。もちろんバービー役のマーゴット・ロビーはまさに女性の理想たるバービーの実写にぴったりであったし、ケン役のライアン・ゴズリングも然りだ。しかし、現代の男女の社会的性差を性別を逆転させて表現したり、ヴィランとなったケンを言動があらゆる活動家の過激派に見せたりと、反転させることにより現実に潜む事象を浮き彫りにする手法は単純だが力があるといえるだろう。俳優のコメディー調の演技も結構楽しめた。映像は標準的。
16点
世界観(20)
『バービーの世界』はとことん作り物の世界を再現しており、この世界が『(誰かの)理想』であることがわかりやすく表現されている。一方現実は『男性中心の社会』の属性を皮肉って描いており、とてもわかりやすい構造となっている。そして、理想の世界の変容という作中の出来事はもはや『バービーの世界の理想は理想たり得ない』という現実の様相を反映しているのかもしれない。なんにせよ子供にもわかりやすい喜劇的世界観は高評価。
15点
脚本(20)
この映画を一行で表すのなら『バービーが己を知るために、楽園を出ていく。』となるのではないか?コメディー描写や皮肉描写、メッセージ性を強調させたぶん、脚本は可は多少あり、不可はなしといった印象。
12点
キャラクター造形もしくは心理描写(20)
キャスティングのうまさも相まってコメディー作品としてのキャラクターは全員立っていた。個人的に好みなのは、マテル社のCEOだ。コミカルさの中に権力欲が透けて見えるなかなかにいい性格をしているのだが、俳優の喜劇的な演技のおかげで愛すべきキャラとして成立している。
キャラクター造形優先評価で17点
メッセージ性(20)
本作の目玉である。男性社会の批判がかなり前面に押し出されており、注目が行きがちだが、本作のメッセージは終盤と老婆との邂逅シーンに凝縮されていると考えた。
本作は男性社会のみを批判しているように見えてバービーが世界の秩序を取り戻すシーンで女性中心の理想の社会さえもケン達の態度を見せることで批判しているように見える。もはや女性達の理想が理想として成立しないことを悟ったからこそバービーは現実の人間として生を全うすることを決めたのかもしれない。
もう一つのメインとなるシーンはバス停での老婆との邂逅シーンである。
『美しいわ。』と伝えるバービーに老婆は
『知ってる。』と満面の笑みを見せ返事を返したのである。
(ここ結構感動しました。)
『美の根源は他者の目にあらず。己にあり。』
このメッセージこそがこの映画の中核をなる思想であろう。
20点
総評
問題の当事者たる男性の一人としてモヤモヤしたシーンが完全になかったといえば嘘になるし他者との関係や評価を完全に無視した自己評価はあり得ないと確信している。しかし、マジョリティーとなっているからこそ気づかないこと、そしてこれからの理想像を多少強引にそして愉快に浮き彫りしたこの映画の功績を評価したい。全てを笑い飛ばしたような皮肉なコメディー映画としても結構楽しむことができた。
80点
バービーの理想郷は永遠か
これは、バービーとケンの恋愛ものなのかな、と思ってる人がいるかもしれないけど全く違う。
バービーが世界中の女子にかけた魔法というか、女の子の憧れの理想郷みたいな世界観は大人になっても永遠に続くのか否か。
途中、Mad at Disney が頭の中をぐるぐるしたわ。
この世に男性性と女性性がある限り、性差の問題は消えないのかもしれない。がしかし、バービーがチャレンジし続けた女子も平等に様々な職業に就くのだというメッセージ、これを着せ替え人形の特質を存分に活かして女子受けもよいデザインで表現してきた功績はすごいのだ、と映画を通して学んだわ。
途中、マテル社の秘書が女子はしんどいよな、の思いの丈をぶちまける場面は本当に泣けた。
仰る通りだよ。
男性方にとって丁度良い加減の女性像は、女子にとって全く自由がなく我慢辛い制約だらけだわ。
好きにさせてよ!!
そんな都合よく生きられるかァァァァ!!!
誰かウケじゃなくて自分ウケ、他人の気分が上がる私じゃなくて、私の機嫌は私が取って気分を上げるの。
バービーが教えてくれたことは、今後の私にもいろんな勇気をくれると思う。
バービーは正義!
めっちゃ面白かった!
Hi Barbie!
バービー=ケンは無限大。憧れだけど着飾る必要なんて。人間⇄バービーで溢れんばかりの喜怒哀楽。弾けても真っ向から本気で生きる素晴らしさ。無邪気に今を彩る映画バービーは幼き頃の忘れ物。Hi Barbie!で挨拶の大切さも改めて。小さな煌めきもきっと誰かに。これ以上ない最幸の実写化♪
Born this way,this is MY WAY!
観ようかどうしようか、迷っているなら観るべき。そして誰にも邪魔されず、自分の感じたことを大切にするべき。簡単に言うと、「バービー」はそういう映画。
夏休みでもあり山の日でもあり、ほぼ満員の客席には何かしらピンクを身に着けた女性客もかなり多くて、みんな思い思いに「バービーを楽しもう!」としてるんだな、とウキウキした。
映画は誰かのために観るものじゃない。もしも誰かの悪意でその意図が歪められているのなら、それも自分の眼で確かめるしかない。この映画が伝えたがっているものは一体何なのかを。
まず、大事なことだから初めに書いておくと、「バービー」めちゃめちゃ面白かった!テンポが良くてコミカルなくせにシリアス。バービーランドと現実世界の落差も良い。
世界中のピンクを独占したバービーランドのファンシーでファビュラスな世界(ビーチの砂すらもピンク!)から見たら、現実世界はなんて無機質なグレーなんだろうと(笑)。人間世界のほうが見慣れてるはずなのに、なんて味気ない世界なんだろうと。
思った以上にミュージカルなノリなのも良いし、所々に遊び心が滲み出てるのも良い。
「ラ・ラ・ランド」でピアニスト役だったライアン・ゴズリングにキーボード弾かせてたり、「マトリックス」でネオ(アンダーソン君)が働いてたみたいなオフィスで追いかけっこしたり、そもそもハイヒールとサンダルを選択させるくだりも「マトリックス」だろうなぁ。
映画好きをクスリと笑わせるセンス(「ザック・スナイダー版のジャスティス・リーグ」や「マーゴット・ロビーが言っても説得力がない」などのメタ発言)もありつつ、女性たちの実感のこもったセリフの数々や「男って本当アホやな」というシーンの毒気と優しさも見どころ。男ってアホやな、と書いたけど馬が走ってるだけの映像が延々と流れてること(そしてそれが「男らしさだ!」っていうノリ)に気づいたら、笑うなっていう方が無理だと思う。
そうは言っても、ケンの視点からバービーランドと人間界を比べて見たら、バービーランドはピンクな現実世界でもある。言い方が難しいけど、色味が違うだけで二つの世界の構造は一緒だ。人間界は男が社会を牛耳り、バービーランドはバービーだけが全てを手にしているという点で二つの世界は同じ世界なのだ。
この二つの世界で、支配される側の存在は同じ惨めさを味わって生きている。それは自分の存在意義を実感できない辛さだ。「女なら誰でもいい」役割しか与えられないことと、「ビーチの人」としか見られないことはイコールなのである。
家父長制、有害な男らしさ、マンスプレイニング、ハラスメントなどなど、抽象的な言葉でこの映画を語ることは無限に出来ると思うけど、私の心に突き刺さったのは「考えなくて良いってことが、スゴく楽ちん」という物理学者バービーのセリフ。
それなんだよね、結局のところ。生きている中で一番心が折れる瞬間は。
考えようと思えば考えられるはずなんだよ、本当のことを言えばね。でも「お前は考えなくていいよ」って言われちゃったらやる気は削がれるし、自分が無能になった気がするし、それに何も考えなくて良いのは楽チンなのも事実。
だが私は嫌なのだ。
それを「良し」とする人がいても全然構わないけど、それを世界の半分だと決めてかかられることは御免被りたいのだ。でも「良し」派の人を否定するつもりは無いのだ。だから難しい。
世界はピンク1色でもなく、グレー1色でもなく、色んな人がいて色んな色で出来ている。この沢山の色に満ちた世界で、どう生きるのかは「自分のしたいようにする」以外にはない。
思えばグレタ・ガーウィグ監督は「レディ・バード」から一貫して「自分の生きる道は、自分のしたいようにする」だよ、と伝えている気がする。巧妙に世界との関わりを織り交ぜながら、それでも結局最後は自分の気持ちに正直に行動するしかないし、それは誰かに許可してもらうことでもない。
「なりたい自分になるのに許可はいらない」、バービーの産みの親であるルースがバービーに伝えたように、誰の許可も求めず、自分の選択に責任と誇りを持って、そうやって生きていくのが一番自分にとって悔いが残らない生き方だから。
女性が観て共感出来ることは太鼓判を押すけど、男性にももちろん観てもらいたいと思う。ケンの視点にちょっと触れたけど、「バービー」はケンや男性のことも、彼らの抱える悩みや辛さもちゃんと描いてるし。
中々本音を言ってくれない彼女や妻や娘の気持ちがわかるかもしれないし。
むしろ「そんなところ見てたの?!」とか「そんな風に思ってたの?!」とかに気がついてちょっと恥ずかしい気持ちになるのかもしれないけどさ。
あと、なんか勘違いしてる人がいるみたいだから、一応言っておくと、ラストシーンでバービーが婦人科に行ったのは「人間」になりに行ったんだよ?妊娠したわけじゃないから。
女として生きていくことが苦しくて、死を意識したバービーを産み出したグロリアが、女性性を押しつけられることを辛辣に批判したサーシャが、人間の女になろうと婦人科を訪れるバービーに「応援してる!」って言えるようになったんだ。
こんなに素敵なことってないよね。
ちょっと残念なのは、カメオ出演の企画もあったシアーシャ・ローナンとティモシー・シャラメのバービー&ケンが実現しなかったこと。
あの2人のバービー&ケンだったら、どんな感じだったのか…。時代がかった衣装も似合いそうだし、伝説のバービー&ケンとかでバービーランドに飾られてたりしてね。
バービー人形をメタファーにして描くフェミニズム
ピンク満載の「バービーランド」
脚長スタイル抜群のマーゴット・ロビー。
オマケのケン(ライアン・ゴズリング)は終始
間抜け顔(ライアン、私の理想の男性なのに!!)
やたら女性の権利とか、男が牛耳る現実世界とか、
女性の側からみたらありがたいような、くすぐったいような・・・
気分でしたね。
そもそもバービーランドって架空のユートピア。
そんなものオモチャの世界だけの話で、
女性大統領、女性の最高裁判事とか、今だって各国で居ますし、
だいたい一晩中踊り狂う「バービーナイト?!?」
(バービー人形は歳を取らないし、疲れ知らず・・・)
トイストーリーならご主人から見向きもされなくなった玩具の悲哀とか
胸に迫ってきますが、バービーは軽い!!
この映画では
「バービー」はある人間の女性の憂鬱が乗り移りブルーになったりして
「変てこバービー」の勧めで人間界に行き、憂鬱の種を見つけに行く。
そんな、
バービーが人間になったことから起こる大騒動と、バービー&ケンの、
“おまけのケン“がマッチョ宣言して大変なことになる。
ドタバタ・コメディ要素強め!!
バービー人形が誕生したのは1959年3月9日生まれ、
(今年で誕生64歳なのですが、人形は歳をとりませんので、)
アメリカのマテル社も全面協力とかで実名登場です。
バービー人形への八頭身。
そりゃあ羨ましいですよ。
ルッキズムが根強いこと、無くならないことは自明のこと。
そして着せ替えの楽しさは鏡の前で私も経験済みだけど、
ピンク塗れにお砂糖をたっぷりかけた「バービーランド」に
特に思い入れもなく、バービーの悩み・・・
死の不安や劣化にも、ウーン、特に共感も持てず・・・。
人間界に行けば完璧な「男社会」で、女はメイドやサポート役。
おまけに「オマケのケン」が「ケンランド」を作って威張り出す。
女性優位の「バービーランド」・・・Barbieちゃんの世界こそ、
空想つまり「仮想現実」だったんですものね。
女性の権利云々とか言われても、
パーティー三昧で、洋服山ほどのBarbieの、浮かれた日常。
スカしてムキムキ・ナイスバディで歌って踊るゴズリング。
そんな映画より、権利なんて主張せずに、
例えば、ホテルで黙々とベッドメイキングして
トイレ掃除している女の子(外見もいけてない)の、
報われない労働と日常を描いた映画の方が好きだな。
でもBarbieも生きることの意味に目覚めて、
人間として出発するんだけど、
現状を打破する程の破壊力は、この映画に感じなかったのね。
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