「バービー人形をメタファーにして描くフェミニズム」バービー 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
バービー人形をメタファーにして描くフェミニズム
ピンク満載の「バービーランド」
脚長スタイル抜群のマーゴット・ロビー。
オマケのケン(ライアン・ゴズリング)は終始
間抜け顔(ライアン、私の理想の男性なのに!!)
やたら女性の権利とか、男が牛耳る現実世界とか、
女性の側からみたらありがたいような、くすぐったいような・・・
気分でしたね。
そもそもバービーランドって架空のユートピア。
そんなものオモチャの世界だけの話で、
女性大統領、女性の最高裁判事とか、今だって各国で居ますし、
だいたい一晩中踊り狂う「バービーナイト?!?」
(バービー人形は歳を取らないし、疲れ知らず・・・)
トイストーリーならご主人から見向きもされなくなった玩具の悲哀とか
胸に迫ってきますが、バービーは軽い!!
この映画では
「バービー」はある人間の女性の憂鬱が乗り移りブルーになったりして
「変てこバービー」の勧めで人間界に行き、憂鬱の種を見つけに行く。
そんな、
バービーが人間になったことから起こる大騒動と、バービー&ケンの、
“おまけのケン“がマッチョ宣言して大変なことになる。
ドタバタ・コメディ要素強め!!
バービー人形が誕生したのは1959年3月9日生まれ、
(今年で誕生64歳なのですが、人形は歳をとりませんので、)
アメリカのマテル社も全面協力とかで実名登場です。
バービー人形への八頭身。
そりゃあ羨ましいですよ。
ルッキズムが根強いこと、無くならないことは自明のこと。
そして着せ替えの楽しさは鏡の前で私も経験済みだけど、
ピンク塗れにお砂糖をたっぷりかけた「バービーランド」に
特に思い入れもなく、バービーの悩み・・・
死の不安や劣化にも、ウーン、特に共感も持てず・・・。
人間界に行けば完璧な「男社会」で、女はメイドやサポート役。
おまけに「オマケのケン」が「ケンランド」を作って威張り出す。
女性優位の「バービーランド」・・・Barbieちゃんの世界こそ、
空想つまり「仮想現実」だったんですものね。
女性の権利云々とか言われても、
パーティー三昧で、洋服山ほどのBarbieの、浮かれた日常。
スカしてムキムキ・ナイスバディで歌って踊るゴズリング。
そんな映画より、権利なんて主張せずに、
例えば、ホテルで黙々とベッドメイキングして
トイレ掃除している女の子(外見もいけてない)の、
報われない労働と日常を描いた映画の方が好きだな。
でもBarbieも生きることの意味に目覚めて、
人間として出発するんだけど、
現状を打破する程の破壊力は、この映画に感じなかったのね。
早速にありがとうございます😊
J:com、聞いたことはありますが、内容が直ぐには入って来ません。今BSでwowowとCSでザシネマだけです。wowow配信もですがAmazonプライムとかだと、家のTVや設備が不十分でスマホでしか観られない状態です。その2千いくらかというのは、『バービー』1本に使ったということですか。レビューに『私の幸せな結婚』もありましたね。早〜と思ってました。またゆっくりと。
こんばんは♪
レントさんの真摯なコメントの次に申し訳ありませんが、お尋ねしたいのです。
『バービー』を配信でなくTV放送で観てられるのですね。
差し支えなければどのチャンネルがお教えいただきたいのですが。
よろしくお願いします🤲
お返事ありがとうございます。本作は映像が派手なのでついついそっちに気を取られてしまいますよね。監督の前作「私の若草物語」も傑作でしたが、劇場鑑賞時寝不足で(万年寝不足ですが)途中意識を失いながらの鑑賞でしたのでいまいちだったんですが、もう一度見ようと思ってます。
夫婦で良作を作り続けてらっしゃるのでこれからも楽しみです。今回のバービーが記録的なヒットをしたから、もっとやりたいように作れるでしょうし。
こんにちは。本作は監督さんが旦那さんと脚本をかなり煮詰めて作ったそうですね。初めは女性上位の世界、次に男性上位の世界を見せて、じゃあどっちにすんの?
いや、もう今の世界はジェンダーなんて関係ないんだ。男とか女とか性差なんて関係ない。一人の人間としてどう生きるかがこれからは問われる時代なんだと、ある意味ジェンダー論を超えた問いかけをしている作品なのかなと思いました。これは女性差別が比較的少ない先進国における発想ですが、でも将来的にはこの考えが主流になっていくと思います。
いまだに中東や日本など人権後進国では女性差別が酷くて、このように考える土台さえもないですが、とても先鋭的な作品だと感じました。