夜明けのすべてのレビュー・感想・評価
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星の図鑑を片手に持って、あなたの夜空を探しに行こう
2024.2.13 イオンシネマ京都桂川
2023年の日本映画(119分、G)
原作は瀬尾まいこの小説『夜明けのすべて(水鈴社)』
PMSを患う女性とパニック障害を持つ男性の交流を描いたヒューマンドラマ
監督は三宅唱
脚本は和田清人&三宅唱
物語の舞台は、東京都内某所
そこで会社勤めをしている藤沢美紗(上白石萌音)は、月経前にイライラしてしまうPMSという病気に悩まされていた
医師(宮川一朗太)は新薬を処方するものの、それは異常に眠気が出るもので、それを服用すると仕事にならない
それから五年後、美紗は科学商品を扱う「栗田科学」の事務員として勤めるようになっていた
PMSの発作が発症しても、先輩の佐川(久保田麻希)がサポートし、社長の栗田(光石研)も病気については寛容だった
会社では、小さな組み立て式のプラネタリムや望遠鏡などの「小学生が科学にふれる機会を作るもの」がたくさんあって、それらの梱包や発注を任されているのが美紗だった
佐川は経理を担当し、開発は鮫島(矢崎まなぶ)が担い、デザインは鈴木(大津信伍)、技術的なことは猫田(中村シユン)、営業に関しては平西(足立智充)が担当していた
そんな中、栗田は弟の康夫(斎藤陽一郎)がストレスを起点とした自死をしていて、そのセラピーの一環として、ピアサポートの会に通っていた
そこには最近栗田科学に入社したばかりの山添(松村北斗)の元上司・辻本(渋川清彦)もいて、この交流がきっかけで縁ができていたのである
山添は一見するとやる気のないマイペースに見えるのだが、実はパニック障害を患っていて、何がきっかけで発作が起きるかわからない状態だった
ある日、蛍光灯の交換を起点として発作を起こした山添は、美紗が見つけた薬で落ち着きを取り戻す
栗田の命令で自宅まで送る事になった美紗は、会話のきっかけで「自分と同じだと感じていた」と語るもののn、山添は「全く違うものだ」と断じた
映画は、恋愛要素を完全に排除し、誰かが誰かを助けられるんじゃないかという希望を描いていく
発作が起きるとどうしようもないと思えるものの、その状態を理解し支えてあげることはできる
そういった心の拠り所があれば、人は生きていけるのと思えるのではないか、という命題がある
そして、「3回に1回は発作を止められるかもしれない」という山添の言葉は、お互いの心を少しだけ軽くしていくのである
原作は未読ながら、舞台は金属工業の会社のようで、かなり改変が加えられている内容になっていると知った
後半のプラネタリウムのシークエンスは映画のオリジナルで、このシーンでは栗田の弟が残したノートが引用されていく
夜明け前は一番暗いというヨーロッパの諺が引用され、ユーモアたっぷりの星についての物語が展開される
山添が見つけたものに色を加えていく作業が生きていることを肯定し、さらに希望を感じられる言葉が紡がれていて、この改変は映画ならではのビジュアライズと相まって素敵な時間を演出してくれていた
この改変が原作の何を変えてしまったかはわからないが、映画的には正解だったように思えた
いずれにせよ、パニック発作の部類は経験があって、自分の場合は山添ほど酷くはなかったのだが、それが起きた時のどうしようもなさというのを経験しているかどうかで理解は変わってしまう映画のように思える
大人になり、自分を理解していく上で、そうならない人間関係の作り方、職場の選定ができたおかげで再発はしないものの、あるトリガーさえ揃えばヤバい事になるのは理解している
そうした視点から観る映画は、こんな理解者がそばにいてくれたらいいなと思う一方で、いつまでもそばにいるわけじゃないから依存もできなくて苦しいようにも思えてくる
映画は、そういった経験を持つ人へのひとつの救済のアイデアのようなもので、ピアサポートのような同じ悩みをある人との繋がりの場所を探してみるのも良いと思う
そういったきっかけになれば良いと思うし、今ではSNSなどの普及によって容易になっている面とハードルが高くなっている面はある
映画を鑑賞することで、少しでも心が軽くなる人がいるのならば、それだけで素晴らしいことだと思うので、気になる人は足を運んで体感しても良いのではないだろうか
心が素直に温かくなる。こんな映画は初めてでした
大好きだった朝ドラ、カムカムの二人(萌音ちゃん、北斗くん)が主演ということで、原作も読まぬ状態、前知識もほとんどないまま映画館にGO。
結論から言うと、観てよかった、本当によかった!!!
PMS(月経前症候群)とパニック障害を抱える男女二人が、偶然出会い、なぜか気が付けば、お互いを支えて、笑い合っていた…。恋愛ではなく、同士のような、そんな関係。
PMSもひどい場合は、こんな風に精神不安定になることもあるんだなあと納得できたし、パニック障害は、予想通りの大変さ。
でも、主人公二人には悲壮感がない。そこがいい。辛いし、情けない、そういう悲しみはあるけれど、ちゃんと前を向いている。
それぞれの周囲の人たちも、みな普通に優しくて、押しつけがない。
そう、この作品には押しつけがない。そこが本当に、気持ちいい。
主人公に、無理に同情する必要も、ない。
登場人物の誰かを憎む必要もない。
だって、みないい人なのだ。
普通、悪役の出ない話はつまらない。
でも、この物語に悪人はいない。でも、つまんなくない。いや、むしろどんどん話にひきこまれる。
また、登場人物に、悲しみを背負う人はいても、悲しみにつぶされたままの人はいない。
観終わって、心がこんなに温かくなった映画は初めてだった。
普通に生きてれば、それで充分。心からそう思えた。
萌音ちゃんと北斗君の会話が本当に面白くて、何度も笑ってしまった。あまりに二人が、自然にやりとりしているので、映画というのを忘れて、自分も二人の横に座って、同じ空間で話を聞いているように感じたりもした。
それにしても、北斗君、今フジテレビで再放送中の「救命病棟24時」に出演当時の、江口洋介さんにそっくりで、びっくり。
萌音ちゃんの普通の子感もよかった。りょうさん、やっぱりお美しい!
若い人にも、丘みつ子さんがわかる私たち世代にも、ぜひ観てもらいたい作品。
しつこいけれど、本当に観てよかった。
観終わって、「たいやき」が無性に食べたくなって、帰りがけ、閉店間際のたいやき屋さんに駆け込んだ。
暁
心の病を抱えた同僚の2人の日常のお話。特典はフィルムしおりでした。
宣伝文にもあった恋愛関係でも友情でもない独特だけど朗らかな距離感が絶妙に描かれており、「ケイコ 目を澄ませて」の三宅監督の手腕がこれでもかと発揮された作品でした。
出会った当初はいがみ合っていた(というか藤沢さんがPMSで苛立っていた)2人が、お互いの症状を話し合ってわかり合っていく流れに優しさが滲み出ていました。
パニック障害が起こってしまうから美容院に行けない山添くんの髪を切ろうとして、切りすぎちゃう藤沢さんがアワアワしてて、それを見てもう笑うしかない山添くんの姿がこれまた微笑ましかったです。
藤沢さんがイライラしだしたなという事を即座に勘付いて、外に連れ出して車を磨いておいて〜と1人で声を出せる状況に連れていったシーンがとても良くて、あの場で連れ出していなかったら中学生の2人に怒りをぶつけていたと思いますし、そうなると会社での立場も危うくなる、山添くんの反応速度はお見事なもので、2人になってからはフフッと笑える場面もあったのがまた良かったです。
2人で互いの症状を茶化すまでいかずとも、こういう状況で発作が起こったらどうしてたの?とかこの症状になって良かったことってあった?と距離感が近くなったからこそ色々聞けあっていたシーンはかなり印象的でした。
会社の人たちが優しいというのが今作の良いところで、どうしても怒りが爆発してしまったら放置したりなぁなぁで対応してしまいそうなもんなんですが、しっかりと宥めて落ち着かせて、本人が罪悪感をなるべく感じさせないようにするのが見ていてとれて素敵だなと思いました。
この手の作品はどうしても感動に強引に持って行きがちなんですが、2人の日々を余す事なく描くことによって自然に感動へと連れていってくれてるのがまた素晴らしく、2人それぞれの前進と転機、どちらも前向きに次の事を考えており、その姿には見惚れっぱなしでした。
なんて事ない会話を大袈裟に映さず、その一コマ一コマを切り取った演出も素敵で、全てのシーンにうっとりしてしまいました。
役者陣の何気ない人たちの様子がこれでもかってくらい表現されていて、観ているこちら側も思わず共感したくなるシーンばかりでした。渋川さんがこれまた優しい上司として出ていたのがいつもの暴れっぷりとのギャップが感じられて思わぬ収穫でした、
優しい日向の中、会社でのんびりと過ごす社員たちの姿をエンドロールで綴ってくれるので、とても微笑ましかったです。
鑑賞日 2/9
鑑賞時間 18:00〜20:10
座席 O-3
淡々と語られる生きづらさとヒント
三宅唱監督、前作と同様16㎜フィルム撮影なのか多少荒れた画質も地味に抑えられている色合いも、このストーリーにマッチしてる。松村北斗と上白石萌音と、スター主演ながら恋愛要素を入れなかったのが新鮮。パニック障害とPMSに悩む主人公たちの物語だが、そうなった理由とか原因とかを簡単に説明しようとしないのがまたいい。確かに、自分の感情はコントロールできないが、他人の行動を抑制したりトラブルを予防することはできるのかもしれない。勉強になりました。
勇気を持って、優しく寄り添ってくれる映画
PMSのイライラに振り回されてしまう藤沢と、パニック障害のため自分が望んでいない環境に身を置く山添。藤沢のお節介をきっかけに距離が縮まり、お互いを助け合おうとする中で、仲間意識が芽生え始める。
メンタルや自律神経の障害は、周囲の理解や自分自身の認知によって発症後の状況に分岐が出てくるんだろうけど、山添の場合は最初結構危ない方に向かっていたが、藤沢や社長、やりがいを感じる仕事と出会えたので、障害を個性として受け入れられる程まで持ち直せた。
自分自身、メンタルを病んでしまったり、子どもが上手く学校に馴染めなくて悩んだ経験があったので共感してしまう部分があり、きれいごとだけど、誰もがこんな風に自分なりの場所を見つけ、関係をきずいて過ごしていける世の中だったらと思う。
とはいえ、そんな理想の世の中の実現は一朝一夕で出来るものではないし、そもそも出来るのかという議論はあると思うが、それでもこの映画では夜明けは来るんだと勇気を持って伝えてくれた。
元上司(渋川清彦)が、山添が前向きになって思わず涙した場面と、2人が移動式プラネタリウムの後にしっかりと握手するシーンで泣いてしまった。姉をハードワーク(?)で亡くして、自分の部下がもしも同じ様になってしまったらと悩んでいたところから迎えた安堵を想像して感情移入が止まらず、涙してしまった。
傍に誰かが居なくても生きて行けるって思い、心の奥底に光が射すのを感じた!
連休もあっという間だったねぇ。(もっと休ませろぉ (;^ω^) )
メッチャ道路が車で渋滞の中 今日は「夜明けのすべて」を観に行った。
本作はドキュメンタリ-ドラマですね。人の心に抱く感情を上手く引き出し自然な演出させてます。その辺りは監督の前作”ケイコ 目を澄ませて”に続き見事と感じます。原作は瀬尾さんですが本とは内容が違うそうですね。
この2者のファンの方が多く来られている様でしたが、名前を全く伏せた状態でこの映画を上映したら どれ位の人が内容を理解し評価できるのか?それが知りたいのが本音です。来年も同様な作風作品の公開が有るかもですが 確実に飽きられる方向に向くのは間違いないだろうと私は感じています。
前作品のラストカットのケイコが、土手でもう辞めようかと悩んでいる時に負けた対戦相手から励まし挨拶されて グッと頭を持ち上げて土手を駆け上がる。そして夕日の中走って行く様が凄く良かった。あの空気感が本作にも求めたい所が有ったかもです。
全体的には上手く纏めた流れで、本当に自然体の中の内面的な心情表現とセリフ絡みで観ている側にこれでもかって位、静かな心の波が幾度となく来るのを感じ得ました。
★夜明けのすべて★上映119分
著者:瀬尾まいこさん(”そして、バトンは渡された”)
監督:三宅唱さん(”ケイコ 目を澄ませて”)
(MC)
山添孝俊(パニック障害、主人公男):(役:松村北斗さん)
藤沢美紗(PMS(月経前症候群)主人公女:(役:上白石萌音さん)
藤沢倫子(美沙の母):(役:りょうさん)
辻本憲彦(姉亡くす 山添の旧職場上司):(役:渋川清彦さん)
栗田和夫(栗田科学社長 弟亡くす):(役:光石研さん)
会社女子社員:(役:久保田磨希さん)
PMS(月経前症候群)、PD(パニック障害)を持つ二人の関係性と、社長や元上司の持つ身内死去による心の闇。そしてそれらを理解している会社の同僚社員の温かさ。それら総てを包み込んでいる 星空の下、夜明け前の最も暗い時の流れを感じます。
プラレタリュ-ムイベントの最後に、藤沢が読み上げる社長の弟さんが残した手帳の手記。星空の夜が好きでずっとこのままでいたいという思い。やがて明ける夜。その時が一番暗く感じると・・・。
心の奥底に抱えた闇を抜ける勇気、そしてその後の自身の生き方を説いている様に感じます。
なぜ弟や姉は死んでしまったのか。どうして彼女は海外に去っていったのか。せっかく気に掛けてくれた同僚は何故故郷に戻ったのか。最初は嫌だった職場に 今では残ろうという思い。
総ての方が抱えている心の夜に、その夜明けが 穏やかに来ますように。
そう思える温かい映画でした。
(PS:久保田磨希さん~ご活躍期待してますよ)
気になる方は、今の内に劇場へ!!
夜が暗いとはかぎらない
非常に優しい作品。
ただ、逆に優しすぎてメイン2人の“救い”へのコントラストが無くなってしまった部分もある。
藤沢が退職した会社含め、メイン2人にキツく当たる人間が出てこない。
序盤に山添が軽く愚痴ったくらいか。
栗田科学では恐らく周知されているのだろうが、そのへんも明示されないから少しモヤモヤした。
萌音さんが見せる自然体のおっとり感と、“スイッチ”が入った時のギャップは見事。
松村北斗も徐々に角が落ちてゆく変化を上手く体現していた。
エンドロールで見せるごくごく平凡で日常的な雰囲気が、全役者から感じられて心地よい。
ただ、モノローグに頼った導入や、文字でのパニック障害の解説などの表現は少々残念。
特定のシーンのためだけに用意されたようなキャラがいたのも勿体無い。
(付き添い係的な藤沢の友人や、ロンドン行きが決まってそのままフェイドアウトした山添彼女など)
黒人の息子なども、この作品にはノイズでしかないと思う。
渋川清彦や光石研もよかったが、個人的には久保田磨希演じる住川さんが好き。
手土産受け取った際の、「気を使わないでいい、でもここの大福好きだから嬉しい」は最高の対応。
同様の悩みを抱える方への肯定や、一定の癒しにはなるが、映画としてはやや物足りない。
人間がますます好きになる秀作です!
ストーリーは、激しい起伏やドラマチックなシーンはありません。松村と上白石も恋愛関係には発展しません。それでも見終わった時、改めて淡々と生きている人間が好きになる秀作だと思いました。松村はパニック障害です。上白石はPMS(月経前症候群)です。この二つの病気は、医学者が名付けたものですが、極論を言って仕舞えば、人間であれば部分的に持ち合わせているものかもしれません。ただこの症状が強い人たちがその病名で呼ばれるのでしょう。ですので、ある意味その人の個性であると言えるかもしれません。しかし、その病気のために辛い日々が続く事を考えると、ただ個性であると済ますことはできません。そんな時の解決方法はなんでしょうか。ひとえに他人を許すこと、自分を許すこと、そして自分を尊敬することだと私には思えました。多くの精神的な疾患は、劣等感が生み出している場合が多いと聞きますが、そんな時こそ自分を許すべきなのでしょう。「そんな自分で良いんだよ!」と。この作品の中では、亡くなった人間への執着を手放す大切さも訴えていますが、この場合も故人に執着する自分を許してあげたらどんなにか幸せかと思いました。人間は過去の因果を持って生まれてきて、悪い因果は消さなければなりません。それを消して幸せになって行くことが、誰しもに課せられた定めかもしれません。泥沼の中から、美しい花を咲かせる蓮花のように、人間は病気や試練や困難を乗り越えた先には、一際美しい花を咲かせられます。そんな一生を誰もが持っていると信じます。明けない闇はないと作品の中でも言われていますが、誰もが幸せになれる種子を持っているはずです。作品の中で淡々と生きる二人が、美しい花を咲かせていく姿に感銘しました。
追記 地球や太陽や星の話がとても素敵でした。
大人にこそ観てほしい
普段レビューは見るだけなのにこれは語らずにはいられなかった。
実際の病気の人のブログの言葉「生きるのがつらい。でも死にたいわけじゃない」
これがずっと観ている最中胸に刺さってた。
ひと月に数日症状あるだけだろって思われがちなPMS、死ぬわけじゃないけど死にそうになるパニック障害。2人の闇、夜明け前。交流していく過程、表情の変化、会話。
上白石萌音の爆発と落ち込み、松村北斗の虚無感、焦燥感、苦しみ。このふたりは今後日本を代表する俳優になるだろうし、この作品は2人の代表作の一つになるだろう。
登場人物全てにグッとくるセリフや表情があり、全編通して優しさが漂う映画。
彼らのファンは若い方が多いと思うけれど、これは25歳以上の方により観てほしい。皆がちょっとずつできる事はある、優しくなりたくなる映画。
ずっと余韻が残って心がまぁるくなる映画
どの人にも抱えてる何かがあって、そこに想いを馳せながら山添くん藤沢さんと一緒に私も心を緩めていった感じでした。激情をあらわにしたりドラマ的な盛り上がりをさせず表情や声色、行動の変化が心に迫って泣けました。
山添くんがじわじわと目の力を取り戻して心が柔らかくなっていく過程が自然で「気がついたらこんな顔で山添くん笑ってる…!」と私もニコニコしながら涙が。
自分の中にある厄介で手に負えないものをお互い理解しあっている。互いがしんどいなと感じてる時にさっと手を差し伸べる。心許せる関係。だけど恋愛ではない。
おそらく山添くんと藤沢さんが一緒にいた期間は半年くらいではないか。その短い間の出来事はきっと2人とも一生忘れないだろう。
自分のことを理解してくれる人がいる。
それだけで人は支えになるしあったかい気持ちになれる。
三宅監督の言う「余白」を何度も見て味わいたい。
発作を起こして会社を早退する山添くんの心もとない歩き方に松村北斗の役への潜りの深さを感じ、食べ残しのポテトチップを筒ごとかき込む上白石萌音は山添くんに心を開いている藤沢さんそのもの。
この若い2人の演技力のもの凄さ、そして共演の光石研、渋川清彦をはじめとした俳優陣が皆素晴らしかった。
ラスト近くの山添くんが「栗田科学に残ります」と言ったシーンで辻本さんと同じタイミングで泣いた。きっと私もあの世界のどこかにいて、同じように励ましたり励まされたりしているんだろうな…。
心を癒しに何度も映画館に足を運びたいと思います。ずっと余韻が残って心がまぁるくなる。こんな素敵な映画、なかなかないです。
夜明けのすべてとは言えるか?
最初、藤沢さんが主役でPMSに悩む彼女の話と思っていた。
そして山添さんと知りあい、パニック障害の彼と仕事をこなす為に相手の病状を理解して一緒に病気に向かい合う。
山添さんは藤沢さんの病状を理解して、相手を助けてあげて少しでも互いに力になる。
そして山添さんは彼女がロンドンへ転勤して、藤沢さんも田舎に介護しに帰ったとしても、彼の病状は夜明け前の手がかりを掴んで将来は明るい。というのを松村北斗さんの最初の頃の顔と最後の顔の表情の違いですべてを物語っています。だから途中から二人が主役で、最後は山添さんが主役になっていました。
けれど、私生活、仕事場、親兄弟など、まだまだ彼山添さんにはいろいろな出来事がすべて良くなるってわからないまま不完全燃焼する話でした。
上白石萌音さんの演技は良かった。松村北斗さんの演技も良かった。話は広がる話でなかったので、感動とかはしなかった。
考えさせられるかといってもどうしようという衝動もなかった。
何か訴求してくるのを映画に求めている自分にはモノ足りない作品でした。
原作とは全く違う話。
公開を楽しみにしており、小説を読んでから行きました。
小説を読んでいる間、心が震える瞬間がいくつかあったのですが、そこは全く映像化されていませんでした。
設定も変えられており、あくまで映画用になっているのかなと。
栗田金属という社名から栗田科学に。夜明けのすべてというタイトルの伏線を回収するためにプラネタリウムを持ってきたのか…?
好きだった倉庫でのシーンや、草むしりのシーンも別のものに変えられていてショックでした。
まず小説の方が元上司との距離感がリアルで共感できていましたが、今でも付き合いがある描写。
おまけに上司も暗い過去を抱えているという余計な設定…この辺からもう観るのがつまらなくなってしまいました。
大好きなお守りのシーンもただ藤沢さんがポストに入れるだけで、それに対してのアクションは全くなし。
それなら神社に行くシーンはいらないのでは?
自転車も、藤沢さんが押し付けたことになっていましたが実際は違います。そこに至るまでの過程が良かったのに、全く違うものになっていました。
おまけに母親が病気で退職するという設定も…
映画用に書き換えられててすごくガッカリしました。
原作を読んだ際、本当に松村北斗と上白石萌音がぴったりだと思いました。
実際2人の演技を見て、藤沢さんも山添くんも素なのかと思うくらい自然で引き込まれました。
症状が出るシーンは2人ともうますぎて、過呼吸のシーンに関してはこちらも引っ張られそうでした。
キャスティングがよかっただけに、脚本と設定がとても残念です………
原作を読んでいなければ、こういう話として受け入れられ楽しめたと思います。
別物のお話だと思えば、面白かったんではないでしょうか。
心が温まりました
早くも今年一番と感じることができる作品に出会えました。
三宅監督の作品はケイコ〜から見始めましたが、登場人物を俯敗で見せるのがとても心地よい作品作りをされる方だと感じてます。本作も登場人物の表情を映すというよりは、その時その場所で起こっていることを切る取ることで、しっかりと物語を紡いでらっしゃるなと思います。
題材としては藤沢さん山添くんそれぞれが抱えてる病に注目される方が多いかもしれませんが、症状というよりは病と共存しながら生活する人々の共存を描かれていて、そういうものを押し付けるような形は一切なかったです。とは言っても、自身がPMS持ちで友人がパニック障害を抱えてる身としては、苛立ちやパニック発作のシーンもとてもリアルに感じ、役者がちゃんと学んで芝居に取り入れたことが伝わってきました。
プラネタリウムの締めの言葉や、山添くんのラストの語りは、言わずもがな心に温もりを与えてくれましたが、個人的には栗田科学冒頭の藤沢さんが大福を買ってきた時に久保田磨希さん演じる先輩が掛けた言葉がとても優しいフォローで、なんてことないシーンなのに刺さりすぎて泣いてしまいました。
上映期間が終われば、サブスク配や円盤化はされると思いますが、ぜひ劇場で観て優しさに包まれて欲しい作品です。
キャラの解像度が高いようで低い。それが人生ですか????ん?
原作未読。不安障害を抱える身として何か共感できる部分はないかと思い視聴。PMSとパニック障害に翻弄されるふたり、グリーフケアの会に参加する社長と元上司、の割に掘り下げられない登場人物たちの背景に少し物足りなさを覚えたが、綺麗な映画。
PMSにあそこまで苦しめられてたら、いくら家族に血栓症がいたってピルを処方してくれないものなのか。ピルがダメだからと精神安定剤を処方されていたが、パニック障害が発作を起こした時に服用するような薬をPMS患者に一発目に処方するものなのだろうか。そっちの専門家ではないので単なる疑問だが。(主人公2人を引き合わせるキーポイントとして使いたかったのは分かる)私だったら、仕事中に眠ってしまうほどの薬なら先生に再度処方しなおしてもらうけどなぁ。そもそも、最初の辞職するまでのストーリーを急ぎ足にする必要はあったのか?
また、月に一回必ずヒステリックになる、というのも中々生理に対する解像度が低いのではないかと思った。ものすごく単純すぎる。映画として分かりやすいようにしているのだろうけど女って、PMSって、そんな単純なものではないはずだ。あ、今月はなんか平気^^みたいな演出一個でもあったらめちゃめちゃおもしろかったのにな。
主人公1人くらい背景とストーリーをもっと深掘りしてほしかった。
ただ、お友達に謝りLINE考えてるシーンの「俺パニック障害なんで(笑)」のくだりは妙にリアルで心にチクっときた。パニック障害もPMSも、受け取る人からしたら言い訳にしか聞こえないこともあるだろうし、逆に過保護にされることもあるだろうし、難しいね。
人の温かみ、繋がりに焦点を当てたせいか、細かいところにツッコミどころ、気になるところ満載で主人公たちに対する没入感はそこまでだった。
主演2人、他の俳優陣にあそこまでの演技力がなかったら、なかなかの駄作になってたのではないだろうか。なんだか奥にすごく濃いミソが固まってるのにうわずみだけ飲まされてる感覚。だが、それが人生なのだ。みたいなメッセージを込めた作品なのだろうか。みんな何かを抱えながら生きている^_^みたいな映画なんだろうか。
映像的にあの放送部の子達が撮った映像を見せられてる体なのだろうか。
パニック障害ではないからなんとも言えないが、気持ちがいっぱいいっぱいになった時帽子を被ったり、2人で読書してる時、「あとがき」のページまで読んだら本を閉じたり、終盤になって初めて会社のみんなの朝の挨拶が聞けたり、細かな演出はすごく気を使っているのは良かった。
「PMSとパニック障害って比べものにならなくないですか。」みたいなセリフもよかった。生きづらい、なにかを抱えてても比較になるものではないし、そこで一回対立があってもおもしろかっただろうな。でも、開口一番パニック障害ですか?とか、あ、僕PMSに興味あるだけなんで。とかなんかこう節々にモヤつく部分がある。
まあ、あの世界の2人が良ければいいんだけど。
と思わせてくれるくらい現実味のある世界観。なんだけどなんだか足りない、物足りないなぁ。
救われました
藤沢さんのPMS対策として作中で出てきた方法のどれも、私自身試したり、取り入れたり、失敗したりと、とても共感するもので、映画を見ながらどこか藤沢さんが”私”に思えてなりませんでした。症状の度合いや種類は千差万別で、藤沢さんとは違う症状を持つけれど、たしかにそこにはPMSに悩む”私”がいて、これからは、誰にも話せないまま孤独に症状に耐えているのではないと思うことができて嬉しかったです。
山添くんが「お互い」に違和感を覚えるシーンでは、病気が違えば症状も違い、できることできないことも違う、同じ病名だとしてもその症状は個人によって全く違う、今苦しみ悩んでいるときに他者からひとまとめに頑張ろうと括られて、ひっかかる心情が痛いほどよく分かりました。一方で藤沢さんの言う「お互い頑張ろう」も間違っていない言葉だと感じます。山添くんが藤沢さんと話すようになっても、「お互い」の件を藤沢さんに謝罪しないでいてくれて、どちらの意見・感情が正しくてどちらが間違っているかを決めない作品で個人的にすごく良かったと思いました。
山添くんの表情が晴れやかなものになっていったり食べ物を美味しいと言ったりしても、最後まで電車や飲食店の屋内に入る描写はなく、藤沢さんのPMSもなくなるわけでもない。エンドロールのその後もそれぞれ抱えて暮らしていく一人と一人がいる。
自分自身は大きな世界のなかの小さな一人であることはこれからも変わらないですが、手元に温かくて優しい光をポンと乗せてもらえた気がしました。
自分でも信じられないくらい泣けた
最初に泣いてしまったのは、ずっとカーディガン姿だった山添が栗田科学というジャンパーを羽織った場面。
そして、涙が止まらなくなったのは、渋川清彦演じる山添の元上司が、山添の言葉を聞いて顔を歪ませるカフェでの場面。元部下が自分の居場所を見つけたことを泣いて喜んでくれる元上司って…。
自分でも「疲れてたんかなぁ」とも思うが、信じられないくらい泣けた。
「ケアすることはケアされること」とは言われるが、映画に登場する誰もが、そんな風に大上段に構えて誰かをケアしてはいない。
むしろ、ケアしたかったのに、それに気がつけずに今も悔いを残している人たちが登場する。
発作に苦しむ藤沢や山添に対して、彼らの振る舞い方の自然さに救われる。
そして、藤沢や山添を面倒くさがる奴らも、勝手にアウティングする輩も出てこないことがありがたい。実際の世界の中には、そうした行為をする者も山ほどいるだろうが、そんな行動はいずれ消え去るべきもので、この映画の中では雑音にしかならないので必要ない。そのきっぱりとした演出がいい。
栗田科学のような会社のあり方は、本当に理想的だなぁとしみじみ思うが、それも、弟の自死を経験している社長の「日常的に人を大切にする振る舞い」が社員をそうさせているのだろう。
(追記:2回目を鑑賞して、栗田科学には「人にやさしく 自分にもやさしく」というポスターが貼られていることも確認。社訓も「想像する心 創造する力」で、なるほどと思わされる)
それにつけても、「知る」ことの大事さもよく伝わってきた。藤沢も山添も、互いの病気について知ったことで、わずかでも相手を助けられるようになり、ひいては、それぞれ自分の病気とも向き合えるようになったのだと思う。
山添が自転車を漕ぎ出す場面、そして、日陰の登り坂で自転車を降りて押す場面を見て、自分の病気との向き合い方を身につけてきたんだなあと感慨深かった。(ママチャリに追い抜かされても穏やかな山添、ナイス!)
話は少し変わるが、今回は、妻と一緒に鑑賞して、同じ場面でも、こんなに捉え方が違うのかという経験をした。
一つ目は、山添の部屋で、藤沢が残ったポテチをガァーっと口を開けて流し込むカット。
自分は「男の部屋でもこうした気を使わない振る舞いができる関係性だよっていう表現かな?」という捉え方をしたのだが、妻は「あぁ、あんなに食欲が抑えられないって、もうすぐPMSが発症するなぁ…」と思って見ていたらしい。
二つ目は、藤沢が、日曜日に車を洗いに出社するカット。
自分は「前回の発作の時に、山添に教えられた事が、コーピングレパートリーの一つとして、ちゃんと身についたんじゃん! これって、メンタルクリニックで否定されてた認知行動療法じゃないの?」などと思っていたのだが、妻に言わせると「生理が来る時って、急に色んな物をきれいにしたくなったりするんだよ。お風呂磨きしたくなったりさ。生理が来るとぐったりして動けなくなっちゃうから、本能的にそうなってるからかもしれないけど。それにね、ケアすることでケアされるって、物に対してもそうだからね。丁寧に洗濯物を畳んだり、整頓したりって、相手が物だけど、自分もケアされるんだから」とのこと。
…何も言い返せませんでした。
いやぁ、自分の知らないことを知るってやっぱり大事。
あと、夜明けをテーマにしているだけあって、光と陰影の対比表現はとても素晴らしかった。
「あのプラネタリウムの外にいる山添の顔の陰影がさ、太陽に照らされている地球や月みたいでさぁ…」「あの自転車を降りた坂道は日陰になっていてさ」などと熱く語っていたら、妻に「よくそんなこと考えながら観ていて、号泣できるねぇ」と呆れられてしまった。
けど、自転車に乗る山添の顔に光が当たったり、時折陰になったりっていうのが、山添の人生を表しているようで、そういう所もよかったのだから仕方がない。
けど、そういう所を語り過ぎるのがうざいのだろうなということもよくわかる。ごめんなさい。
最後に出演者について。
藤沢の友人役に、ドラマ「silent」で、主人公の紬の友人役を演じた藤間爽子、山添の恋人役に、「朝がくるとむなしくなる」の芋生悠、自助グループのリーダー役に、「さよならほやマン」の漫画家役の呉城久美など、以前に観た作品で好きだった役者が次々と出演していたのもうれしかった。
現時点で、本年度ベスト作品。
(ホントは、2回目は、コメンタリーを聞きたかったのだが、なぜかUDCASTがちゃんと起動せず、聞けなかった。同じ様な人いますか? 原因不明で困ってます…)
個を見つめる
私もPMSとまではいかずとも(そもそも諦めて診断を受けたことがない)生理前は偏頭痛と微熱に悩まされている。また、息子が軽度の発達障害と自閉症で、たぶん私自身も。今でこそ病名がつくけれど、20年30年前は、その生きづらさがただの甘えだと片付けられていた。
映画の中で藤沢さんが「病気にもランクがあるか、PMSなんてまだまだだよね」って。これを聞いて私は憤った。これを聞いてというか、この言葉を言わせた山添君に憤った。何が辛いかなんて人それぞれで、弱い、甘いと言われればそれまでだけど、姿形が違うように、好きな歌が違うように、人が人である限り同じ物を見聞きしても人が10人いれば10通りの感じ方がある。勝手に決めつけないでほしい。と同時にこれを言わせてしまった山添氏も自身の失言を感じ変わるきっかけを作ったように思う。
栗田科学の朴訥な優しさの中で出会った事で二人は救われて、二人の成長で社長も救われて、本当にそれぞれの夜明けがあった。
自分の弱さを受け入れる事、人を思いやる事で少しでも生きやすい世界になればと思える作品だった。出来る事なら、新たな1歩を踏み出した藤沢さんをこの先も見守りたい。
優しい映画、原作を読んでからもう一度観たい
大きく感情を動かされたりするということではないのですが、とにかく丁寧に作られていて、登場人物が皆優しくて温かくて、好きな映画だなと感じました。主演のふたりの塩梅とか空気感がすてきです。個人的にはあっという間すぎて、あと2-3時間あっても観られそう。
ネタバレということではないかもしれませんが、藤沢さんがみかんを食べながら歩いているのがなんだか妙によかった。原作もそうなのかな、と読んでみて、今度は夜観てみたいと思いました。
【"人に優しく、自分に優しく。そして明けない夜はない。”今作はPMSの女性とパニック障害の男性の関係性の変遷を軸に心に哀しみを抱えながらもきちんと生きる人たちの姿を優しい視点で描いた映画である。】
◆感想
・藤沢さん(上白石萌音)はPMSの為に、最初の会社を入社直ぐに辞めざるを得なくなる。だが、5年後に小さな所帯の栗田科学で勤めている。
山添君(松村北斗)は、2年前に発症したパニック障害の為、栗田科学に就職する。電車にも怖くて乗れないからだ。
ー 栗田金属の社長(三石研)や社員たちが、藤沢さんや山添君に接する態度が優しい。社長は仕事熱心だった弟をある日突然亡くし、喪失感を抱えながらも毎日一生懸命に生きている。山添君の元上司(渋川清彦)も同僚を過去、過労死で亡くしている。
故に、社長も元上司もグリーフケアに通っているのだが、今作を観ると心に哀しみを抱えた人ほど、人に優しいのではないかなと思ってしまうのである。-
・藤沢さんはPMSの症状が出ている時に、山添君がいつも飲んでいる炭酸飲料の音が気になると言って、山添君にキツク当たってしまうが、直ぐに謝る。
ー 彼女は、頻繁に会社の人達にお土産を買って来る。PMSの症状が出ない時は、他人に気を使う良い人なのである。-
・山添君は、少しづつ隣席の藤沢さんがPMSの症状が出そうな気配を察し、気分転換の為に洗車をさせる。
ー 山添君も、他人の気持ちが分かる良い人なのである。そして、山添君は彼を気遣う元上司に”今の会社で働きます。”と告げるのである。その言葉を聞いて涙を拭う元上司の姿が沁みる。-
■二人の関係は、恋愛には発展しない。但し、いつもお互いに相手の事を気遣っている。そして影響し合っている。藤沢さんは山添君に自転車をプレゼントし、山添君は藤沢さんが体調不良で早退した時に、その自転車で山添さんの忘れ物(スマホ)を以前藤沢さんが山添君の体調を気遣ってイロイロと買ってくれた時の袋に入れて持って行き、帰りに会社の皆にたい焼きを買って来るのである。藤沢さんのように。
<今作は、PMSの女性とパニック障害の男性の関係性の変遷を軸に、心に哀しみを抱えた人たちが生きる姿を優しい視点で描いた映画なのである。>
地球は動いてる。
PMS(月経前症候群)のせいで月1にくるイライラが抑えられなくなる藤沢(上白石萌音)さんと会社の同僚、山添君(松村北斗)の話。
月1のイライラがくると上司であろうと怒ってしまう藤沢、それもあって会社で居づらくなり転職、その転職先の栗田科学で何かそっけなく愛想なしの山添君と出会うが…ある日、会社で発作をおこす山添君を目にした藤沢さんは、病気は違えど同じく病気で苦しむ山添君に少しだけ歩み寄っていく…。
本作の予告や解説を見ると、パニック障害、PMSとちょっと重たそうなんて思ってたんだけど違った。
とりあえず何か説明しにくいけど雰囲気が終始いい、ここ最近使われてるフィルム?昭和の様な色合いが、この作品に良くあってて心地いい。
恋人ではなく会社の同僚という関係性だったけど、互いへの思いやりの優しさと言動には涙。「友達以上恋人未満」という言葉があるけど、どの辺りにハマるんだろう。
人との関係性やストーリー、フィルムの色といい温かい作品でした。
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