夜明けのすべてのレビュー・感想・評価
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今を生きるみんなへの贈り物
心にゆとりが持てず何処か独り頑張ってる気になっていた でも…ふと周りを見つめてみると みんな等しく何かしら抱えながらも頑張って日々を生きている 劇的な変化も泣かせる演出もないのに気が付くと何度も涙が流れていた 試行錯誤しながらも日々を送ることの尊さ 当たり前の日常がいかに愛おしい日々なのか 改めて尊い気付きをもらいました そして 山添くん藤沢さん(何処か可笑しく愛しい2人)始め、2人を見守る皆さんがみんなみんな魅力的 見た方みんな、誰かしらに共感出来るのでは。 見守り、寄り添い、温もり、安らぎ、癒し、救い 陽だまりの様に優しくて温かで 今を生きるみんなへの贈り物の様な作品でした。
生きた例を知らないと共感難
自分はPTSやパニック障害に苦しむ生きた例を知らないので、そういう心の病があるのか〜という想像になってしまい共感が薄かったです。共感には生きた例の実体験が必要かもしれません。知らない世界があるのだなという勉強にはなりましたが、自分と同じ方には退屈な映画で、クライマックスを待っているうちに、え?これで終わり?という感想もある気がします。意外で大きなクライマックスはありません。上白石さんは女優オーラを感じさせず、普通の人っぽくて好感でした。
正しく知ること。
PMSとパニック障害が取り上げられている作品。 そこに特化しているというか、他は日常のお話。個人的になんとも書きづらいジャンルではあります。今も核をみつけられずフワフワ書いている状態。。。 ただこれを今をときめく萌音ちゃんと松村くんがやることに大きな意味があるなと。 山添くんのように厚い本を読んでまではなかなかハードルが高いけれど、好きな人が出てるからでサクッと知れるのは良いこと。 個人的にはもっとPMSの説明が欲しかった。 これでは作中の通りパニック障害とは苦しさランク違うよなままになっていそうで。 自分でコントロールが効かず苦しいのはどちらも同じだから。 ただ面白いかといったらまた別な話で。。
栗田科学は理想郷だった
「ケイコ 目を澄ませて」の三宅唱監督作。 上白石萌音さん=PMS(月経前症候群)のせいで月に1度イライラを抑えられなくなる藤沢さん 松村北斗くん=パニック障害を抱え生きがいも気力も失った山添くん よく知る世界なのでどうかと思ったが問題なかった。いい気分に浸った。 そう、彼らが働く職場・栗田科学は理想郷だった。心を病んだ社員を、そして観る我々を優しく包み込んだ。 この作品そのものが優しい空気で満たされた。 まさに「ないものねだり」なのだけど、発作に怯え活動範囲がどんどん限られていったあの頃、こんな職場があったなら、こんな職場で働いていたならと。
病気
生まれてから病気とは無縁で、ズル休み以外で学校を休んだこともない少し前の自分だったら、この映画はほとんど響かないものだったろう 2週間前に突如体調を崩し、この前久し振りに病院に行ったばかりの自分にとって、この映画に出てくる登場人物はとても共感できるものだった この手の映画の傾向として、同じ境遇の男女は必ず恋に落ちるものだが、上白石萌音と松村北斗の二人はフラットな関係である 片方が実家に帰りますとなっても、涙(´;ω;`)は皆無 重くなりがちなテーマながら、結構観客を笑わせる ブラック萌音がサイコ~🎵 期待値がほぼゼロだったが、三宅唱監督の前作「ケイコ目を澄ませて」が素晴らしかったので鑑賞してみたが、結果的に今年一番響いた作品 終わってみて題名の意味も理解できましたョ
自転車で動ける範囲の共生社会
原作をしっかり受け止めて消化しさらに主張に拡がりと深みをもたせた素晴らしい脚本、演出だと思う。 原作を読んでいないと理解し難いシーンがある。早退した藤沢さんの忘れ物を山添君が届けにいくところ。山添君は藤沢さんに借りた自転車に乗る。パニック障害の彼はそれまで電車にもバス、タクシーにも乗れず行動範囲は徒歩で行けるところまでだった。このシーンは自転車に乗れるようになった彼の世界が大きく広がった瞬間を捉えている。日が射し風が吹き世界は美しい。 原作も映画も軸となっているのはPMSの藤沢さんとパニック障害の山添君で変わりない。自分でコントロールできない不具合を抱えている彼らはお互いを理解し助け合うこととなる。 ただ三宅唱監督は、この話を映画に置き換えるときに、大事な人を亡くして心に傷を負う栗田社長や辻本課長、リハビリをする藤沢さんの母親を周辺において、共生の範囲をやや広げた。とはいってもそこは栗田科学の職場中心のごく狭い地域社会ではあるのだが。(山添君が自転車で動ける範囲) 三宅唱は「ケイコ、目を澄ませて」で同様な手法を使っている。そこでは聴力障害のボクサーケイコを中心に、ジムを始めとした地域社会が描かれた。 つまり地域社会における共生=インクルーシブの可能性を三宅唱は提示しているのだろう。そしてその中ではハンディキャップのある人たちも一定の役割を果たす。映画の中で、藤沢さんは「パニック障害で良いことってあるかな」と山添君に問いかける。この時点で山添君の答えはないが、回答は映画の中にある。つまりハンディキャップのある人は、自分の経験に則りハンディキャップのある人の状況を理解しやすい可能性があるのだ。彼らの手も借りて相互理解と共助が進めば、ハンディキャップは最終的にはただの個性として社会の中で馴化される。 「夜明け」という言葉について原作には言及がない。映画ではプラネタリウムの設定で説明がされている。世の中にある無数の家庭、職場、社会にそれぞれの夜があり闇がある。でも手の届く範囲からでも相互理解と共生が進めばより暮らしやすい世界が到来するかもしれない。そういうことを感じた映画であった。
ゴメンね
開始1分ナレーションで設定と心情説明かよ、ダメ映画かも。 と不安になったけど、 正直すまんかった俺が悪かった。 もうね、主演お二人の芝居も5年くらい語り続けたい素晴らしさなんだけど、やっぱ三宅唱監督凄えな。 主演2人の、何処か近くに居そうな、身近に居るかもって、観客に寄り添った芝居に乗せる演出の素晴らしい手腕よ。 自転車を漕ぐ先に刺す光に、人が去って歩き行くトンネルの影に、コツンと聞こえる小さな生活音に。 僕達に見える世界にどんだけ人の心を乗せ、心情を描くんだ。 だからこそ、この映画の全員に心が宿り人が人を想う気持ちが真っ直ぐに描かれる。 時に人は人を憎んだり、誰かに腹立ったりするけど悪いヤツなんて居ないんだよ。 昔バイト先に居たアイツとか、職場に居たアイツとか、好きだったあの子とか、俺なんかに好きって言ってくれたあの娘とか、そうだったのかも知れないな。 あの時俺がもっともっと優しかったならなあ、 ゴメンね、やっと学んだよ。
みんなで助け合おうとする人はやさしい
なんて優しい映画なのだろうと思った。 冒頭とラストにだけ使われるモノローグ。必要なことを語り必要以上に語らない。 最近の生きづらい世の中をただ単に描くのではなく、PMSとパニック障害という病名を出しつつも、それをセンセーショナルに前傾化させすぎずに互いにできることを探っていく。 自分自身も病気のことをわかりきったと断言せずに学んでいこうという姿勢なのも良い。 気を遣わせたと思う相手にお菓子を差し入れする気持ちわかるな…気を遣わない相手の前ではポテチを丸飲みするのもわかるな…この対比が素晴らしい。「ルールになっちゃうと…でもこのお店の大福好き」人間として出来過ぎている。 淡い映像に適度な湿度。『ケイコ 目を澄ませて』でもそうだったように、エンドロールまでサボらない。中小企業は優しく大企業は冷たいなんて安易なラベリングもしない。 男女に友情は成立しなくても、男女に助け合いは成立するよね。どんな世代間でも。 どうしても気になった点は、飲んだ薬から「パニック障害?」と聴く流れがちょっと辛かったかな。この映画の中では唯一勇み足というか。でも、その図々しさから信頼を得たとも言えるから好みの問題。 あと、優しい人しか出てこない映画の居心地の良さが凄く良くて、ただ、「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」の新谷ゆづみが演じた役柄のようなキャラクターが1人いるほうが好み。
支え合う二人の良好な関係
パニック障害とPMS(月経前症候群)を抱えた男女の関係を描いたヒューマンドラマ。お互いに支え合いながら過ごす日々の中でお互いが成長していく二人を上手く描いている。しかし同じような経験がないため特に共感する事は無かった。 2024-26
感動させようという圧のない、本当に丁寧で誠実な作品。 でも鑑賞中涙...
感動させようという圧のない、本当に丁寧で誠実な作品。 でも鑑賞中涙が止まらなくて、帰宅途中の車でも涙が止まらなかった。 この作品に関わったすべての人に感謝したい。 この先何回も見ると思う。 そして、これから生きていて万が一自分に何かあったら、自分の大事な家族や大切な人にこの映画を見て欲しい。
生きるのが少し楽になった
藤沢さんの生きづらさの経緯と、改善したい心情が、過去として描かれていた。 一方で山添君は、発症時の過去は描かれてなく、日々の映像シーンから垣間見る中で、改善したい心情もなく、人からも社会からも、自分で閉ざしている。 この違った描かれ方がにより、ストーリーの進展性に、集中できた。 演技も、音楽も、風景も、プラネタリウムも、会社も、フイルムも、言葉も5感すべてに優しく響いた119分。 自分が「生きるのが少し楽になった」きっかけになったであろう、相棒、自転車が愛おしい。
ポカポカじんわり
瀬尾さんの原作も好きで楽しみにしてました 公開される前に瀬尾さんや監督から原作とは違う部分があるが原作を大事にしてるからこそ映像でより主人公の2人の雰囲気を出したかった事など原作、映画それぞれの良さがある事を話してくださって監督と瀬尾さんお互いを尊重している感じがとても好感でした 映画は映像や音楽、街の風景も相まってドキュメンタリーを見ているような何か身近な人を見ているようなクスッと笑えたりあるあると思えたり主演のお二人の演技も素晴らしくまた登場するキャストの皆さんもまた素敵で 見終わった後何だか心が軽くなり後からじんわり来ました。ここぞと盛り上がったり大袈裟な演出はありませんが逆にそれが良くて あの2人の日常や栗田科学の皆さんをもっと覗いてみたくなる感じに思えました そういえばあの2人って思い出し何度もぷらっと足を運んで気軽に見れる映画です
出会えてよかった
同僚の距離感がよくて 映像、人があたたかくて 笑えて、泣けて なんて素敵な作品だと思いました 役者さん達が原作から出てきたまんまで 演技が素晴らしかった 観たあと優しい気持ちになる こんな作品は初めてです
救われました
藤沢さんのPMS対策として作中で出てきた方法のどれも、私自身試したり、取り入れたり、失敗したりと、とても共感するもので、映画を見ながらどこか藤沢さんが”私”に思えてなりませんでした。症状の度合いや種類は千差万別で、藤沢さんとは違う症状を持つけれど、たしかにそこにはPMSに悩む”私”がいて、これからは、誰にも話せないまま孤独に症状に耐えているのではないと思うことができて嬉しかったです。
山添くんが「お互い」に違和感を覚えるシーンでは、病気が違えば症状も違い、できることできないことも違う、同じ病名だとしてもその症状は個人によって全く違う、今苦しみ悩んでいるときに他者からひとまとめに頑張ろうと括られて、ひっかかる心情が痛いほどよく分かりました。一方で藤沢さんの言う「お互い頑張ろう」も間違っていない言葉だと感じます。山添くんが藤沢さんと話すようになっても、「お互い」の件を藤沢さんに謝罪しないでいてくれて、どちらの意見・感情が正しくてどちらが間違っているかを決めない作品で個人的にすごく良かったと思いました。
山添くんの表情が晴れやかなものになっていったり食べ物を美味しいと言ったりしても、最後まで電車や飲食店の屋内に入る描写はなく、藤沢さんのPMSもなくなるわけでもない。エンドロールのその後もそれぞれ抱えて暮らしていく一人と一人がいる。
自分自身は大きな世界のなかの小さな一人であることはこれからも変わらないですが、手元に温かくて優しい光をポンと乗せてもらえた気がしました。
心の隙間が温もりで埋まる
観た後、柔らかく優しいキモチが溢れてたまらない…何気ない日常の中でふと寄り添える所の温度を知る事で人は救われて支えられる。よかったなと思える事が増える。 特別感動的なシーンではないのに涙がじわじわ溢れる。だけど心の水分量は潤おう作品。出逢えた事に感謝。
【ほぐす映画】
PMSにパニック障害、一見固そうな映画のテーマも、穏やかな描写とクス笑いの連続で脳と心が解きほぐされる。配布される冊子の印象が鑑賞前後で変わる、映画としての影響力を持つ作品。 ◆概要 2024年・第74回ベルリン国際映画祭フォーラム部門出品。 【原作】 「そして、バトンは渡された」瀬尾まいこによる同名小説(2020年刊行、累計発行部数5万2000部超(2023年2月時点)) 【監督】 「ケイコ 目を澄ませて」三宅唱 【出演】 松村北斗(SixTONES)、上白石萌音、渋川清彦、芋生悠、藤間爽子、久保田磨希、足立智充、りょう、光石研 【公開】2024年2月9日 【上映時間】119分 ◆ストーリー PMS(月経前症候群)のせいで月に1度イライラを抑えられなくなる藤沢さんは、会社の同僚・山添くんのある行動がきっかけで怒りを爆発させてしまう。転職してきたばかりなのにやる気がなさそうに見える山添くんだったが、そんな彼もまた、パニック障害を抱え生きがいも気力も失っていた。職場の人たちの理解に支えられながら過ごす中で、藤沢さんと山添くんの間には、恋人でも友達でもない同志のような特別な感情が芽生えはじめる。やがて2人は、自分の症状は改善されなくても相手を助けることはできるのではないかと考えるようになる。 ◆ ◆以下ネタバレ ◆ ◆藤沢さん 雨のバス停で倒れている藤沢さんの画で始まる冒頭。モノローグとともに、本作でPMSという生きづらさが描かれる事が輪郭化される。職場で当たり散らし、家でも死んだように倒れ込む姿は見ているこちらの気も重くなるほど。そんな中でも、ポテチのカス喰いや散髪など、風変わりでコミカルなキャラが重すぎない。そんな藤沢さんが出会う山添くんも、パニック障害という生きづらさを抱える点で共通し(彼が全然違うと苛立つ場面はあったが)、お互いに寄り添い合っていくという内容がなんとも心温まる。生きづらさという点では、栗田科学の社長も弟を、山添くんの元上司も身内を亡くしており、本作に様々な生きづらさを抱える人物が多数登場する。が、栗田科学の面々をはじめ、マッチングアプリの話をあげたあのご年配のように、その誰もが他者に寄り添える優しい世界観だった事がまず何よりも素晴らしい。 ◆寄り添う PMSを調べだした山添くんは、車を洗いながら藤沢さんをなだめると(1人で怒っといてくださいのセリフには吹いた笑)、やがて彼女も彼女自身で車を洗い自分をなだめる描写も。山添くんが拒否した藤沢さんからの唐突なマウンテンバイクのプレゼントも、いつしか彼はそれを心地良さそうに乗りこなす。そんな2人の寄り添いあいが、決して直接的ではなく、描かれ方そのものも穏やかで優しい。ひとつ印象的なのが、山添くんがプラネタリウムの話を元上司にするシーン。山添くんが障害を抱え、信用する栗田社長の職場に預けたのはその元上司なわけで、本作で最も山添くんの身を案じていた存在。そんな元上司が楽しそうに職場の話をする山添くんを見て涙、そんな彼に息子がハンカチを差し出す。寄り添う事で生まれる幸せが連鎖するような、本作の根本が何気に現れていたシーンのように思えた。 ◆山添くん 藤沢さんの怒りを買うほどはじめは態度が悪かった山添くん。彼女のPMSに真剣に向き合うことで、彼自身にも徐々に変化が現れ始める。藤沢さんがくれたマウンテンバイクに大事そうに乗り、スマホを届け戻った職場に渡したたい焼きには、冒頭の藤沢さんの気づかいが重なる。原稿が“ありきたり”と藤沢さんに注意されるほど興味のなかった星座も、元上司を泣かせるほど楽しげに話せるまでに。本作は、そんな山添くんの成長の物語としての軸もあった。冒頭の藤沢さんのモノローグに対して、ラストは山添くんのモノローグでエンドロールへ。つまり主観が藤沢さんから山添くんへと変わっており、その意味でも後半は彼が主役。まさに“夜明け”を迎えた、栗田科学の清々しい日常を捉えたロールバックが印象的。脳と心がゆっくりとほぐされていくような感覚で、鑑賞前には不要に思えたPMSの冊子が、鑑賞後には不思議と目を通したくなるのだから、本作には映画が持つ影響力もある。監督が絶賛する、主演2人の相手の話を聞く表情の芝居に注目して次回は見てみたい。 ◆関連作品 ○「ケイコ 目を澄ませて」('22) 三宅監督の代表作。第46回日本アカデミー主演女優賞受賞作品。文字通り目を澄ませて見るべき映画。プライムビデオ配信中。 ◆評価(2024年2月9日現在) Filmarks:★×4.1 Yahoo!検索:★×3.9 映画.com:★×4.3
優しく、そして強くなれる映画でした
静かに、本当に静かに淡々と進む心に病を抱えた2人の、そしてその2人を囲んだ人達の物語。大きな盛り上がりが有る訳でもないそんな物語にただじっと見入ってしまいました。同じ職場で出会った藤沢さんと山添くんの関係が日を追うごとに変わって行き、やがてお互いの心の病を理解し合い、自分にまたまっすぐ向き合えるようになっていく様が心に響きます。またその2人を見守る職場の社長と同僚たち。そして前の職場の上司。この人達の存在が温かい。社長も、前の職場の上司も自身の大切な人を突然失った悲しみを抱えているので人の苦しみを良く理解し、寄り添う事が出来るのですね。病は自分ではどうする事も出来ないけど、相手の事は少しは助ける事が出来るのではないか?自分の弱さに向き合える人はとても強くなれますよね。山添くんが藤沢さんに言った「しばらく一人で怒っててもらっていいですか」この一言がとても優しく聞こえました。辛い状況にいても決して一人じゃない、星のようにまわりにたくさん人がいてみんなで動いてる。そして新しい夜明けがやって来る。いつまでも心に残るであろうと思わせる、優しさ溢れる映画でした。
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