夜明けのすべてのレビュー・感想・評価
全447件中、281~300件目を表示
2回以上見ることをおススメ
私は原作本を読んでから映画を観たのですが、1度目は、原作との設定の違いが多いことに気を取られて、なかなか集中することができませんでした。
それから、恋愛物でも、アクション系でもない、こういった作風の映画を観ることが初めてだったので、起承転結のはっきりしないものにも不慣れでした。
でも・・・
心にじわっと温かい物が残る映画だったので、パンフレットを読んで、もう一度観ました。
2回目は、登場人物すべての人の温かさに心打たれながら、心地よい時を共有し、「夜明け前が一番暗い」「出会えてよかった」というワードが心に響きました。
他の方のレビューを見ていると、私の初回のような感想の方も結構いらっしゃるようですが、ぜひ、もう一度観ていただきたい。
2度目は、登場人物すべてが愛おしく感じると思います。
結局、今のところ5回も観ていますが、また、会いに行きたいと思っています。
最高の良作
人は見た目じゃわからない
タイトルなし
ゆるやかに流れる時間の、小さな一つ一つにぐっときてしまった。
山添が初めはキャリア思考で離コジマでイヤホンしながら仕事して、上司のコミュニケーションもだるそうにして、前職場の後輩や元上司に少し見栄やバリアを張って、元上司と会う時は公園だったのに、
職場にたい焼き差し入れしたり、一緒に買い食いしながら帰ったり、お供えのお酒を注いだり、後輩達をプラネタリウムに呼んで、テラスで外食できるようになった姿に涙がでた
PMSのイライラのきっかけになるエピソードが絶妙ですごいリアルだったな…
炭酸開ける音とか、誕生日LINEに返すのどーしよーとかどうでもいい会話とか…絶妙にイラッとするよね
主人公以外の上司も親も、みんな何かしら何か傷を抱えてるのもよかった
病にどっちが上とかないし、男女=恋愛とかだけでもない
恋人、家族、友達だと、逆に距離が近すぎて見返り求めたり衝突したりしてしまうけど、
同僚とか同じ経験をした他人同士のコミュニティとか知人程度の距離感でも、だからこそ、お互いをゆるく助け合える、そういう関係性がもっと必要なんじゃないかな
親しくなきゃ、”絆”がなきゃいけないなんてことなくて、自分が躓いてしまったときにだめなままでいられる、自分がちゃんとしてなくても影響を気にしなくていいくらいの利害関係が少ないコミュニティをもっと持ってたほうが、命綱になる気がする
「明けない夜はない」と言う言葉に救われる人もいるけど、夜が必要な人もいる
いつでも元気でいる必要はないし、幸せだって不幸だって等しく終わりがくる
みんなそれぞれそういうことを繰り返しながら生きていて、自分のことなのに上手く御せなかったり理解できなかったり、生きる意味とか人生を揺るがす大きな悩みとかなくても浮き沈みを抱えながら生きている
その事実に救われることもある
後半なんかやたら泣いてしまった…
恋愛じゃなくても救われていいし、助けあえるし、変化しながら出会いと別れを繰り返しながら生きてくんだ…
上白石萌音が好演
映画館の音響でより輝く映画
映画館で観る映画を選ぶとき、つい派手なアクションや音楽映画を優先してしまうのですが、
この映画は劇場で観れてよかったです。
アクションもクラシックも流れて来ないけれど、
作品を彩るBGM、私たちの生活との地続きを感じさせる環境音、そしてなにより主演の松村北斗と上白石萌音の声が強い没入感を生んでいました。
彼ら彼女らの抱える病は完治しないものであったり、長期間付き合っていかなければならず作中では完治や「元の生活」に戻ることはありません。
それでも、ひとりでは辿り着かなかったところで少しずついろんな人の助けを受け、また自分も誰かを助けながら生きていく姿が描かれていました。
説教くさいシーンがなく、人によってこの映画の言いたかったことの解釈が分かれると思いますが、小難しいことは忘れてゆっくりこの穏やかで優しい世界に浸るだけで少し他人に優しくなれる気がしました。
穏やかな日常にこそ幸せがある
みな人知れず戦っている
もう一度見たい
明けない夜はない、、、
本作、正直言えば三宅唱監督作品でなければ観ていなかった可能性が高く、逆に言えば鑑賞前の興味はその一点でした。むしろ意外だったのは、旧ジャニーズの方が主演にも拘わらず、初週のシアターはそれほど大きくないTOHOシネマズ日本橋のSCREEN9(同映画館9スクリーン中5番目の座席数)で、実際の客入りもサービスデイの夜回で5割弱。ただ、本作、観ておいてよかったと思える良作でした。
三宅監督の演出、余計なところがなくてとても観やすいです。扱われる題材に対して変に誇張したり、同情を誘うようなことを一切しません。私は当事者ではないのでどれだけリアリティーがあるかは判断できませんが、そもそも必要なことは「理解」だと再認識させてくれます。
昨今では少しずつ「人が抱えることのある症状」の見識が一般にも広がりつつあります。とは言え、それらのことを正しく理解できて、対応できる非当事者は殆どいないと思います。私自身も症状を持ち、通院・投薬されている方と一緒に仕事をしたことがありますが、お互いに負荷がかかっているような状況では相当に削られることもありました。そして今、本作を観たことでより社会全体が理解を深める必要があると再認識しました。(あの人は元気でやっているだろうか。。)
飾り気のないセリフに、思わず吹き出しそうになるユーモアや、ホロリきそうな温かみに救われた気がする作品。特に当事者の方には「引け目」さらには「強迫観念」を思ってしまうことがあると思います。「明けない夜はない」わけですが、変わらなければ同じ朝が繰り返す。だからこそ理解を深めることが重要ですね。
自分が病を抱えているから人の苦しみを分かるなんてことはなく、自分の...
自分が病を抱えているから人の苦しみを分かるなんてことはなく、自分の方が症状が重いとか、つい他人と比べて自分を不幸にしてしまいがち。
そんな事は意味がなくて、まず「他人の痛みは完全には理解できない」と割り切る事、その上で相手が抱える痛みを知ろうと努力をする事、善意を押し付けない事、それが人と関わる本質なのかな、と感じた。
二人が互いに依存しすぎず、自分の頭で考え、自分の足で立っているところが良かった。
そして何より周囲の人たちの掘り下げが丁寧なのが素晴らしかった。
彼らも大きな傷を抱えていて、二人を支えることで自分たち自身も救われているのだな、と感じさせる眼差しが本当に温かかった。
プラネタリウムの藤沢さんの語りのなんと静謐で雄大な事か、それを深く受け止める山添くんのあの表情を思い出すだけでも心が揺さぶられる。
明けない夜はない、でも今目の前に広がるこの夜もまた二度と来ない。
痛みも苦しみも抱えながら、誠実に生きていこうと思えた。
とてもよかった
思いやりを正面から描く。恋愛に発展しそうなものだが、恋愛に発展しない。主人公の男女は心の病を抱えていて、それに対して理解ある職場で暖かい人たちに囲まれている。クライマックスが移動式のプラネタリウムで、非常に地味だけど心に沁みる。夜空を見上げたくなるのだけど、北斗七星とカシオペア座しか分からない。
知っている人で、いろいろな心を病を抱えている人がいる。その人もあのような暖かい人たちに囲まれて過ごせればどれだけいいかと思う。主人公の男女は、幸運だが彼らは善人で親切にされる資格がある。もし心の病を抱えていながら、意地悪な性格だったり、嘘つきとか、嫌われ者だったらどうなのだろう。どうすればそんな人は救われるのだろうか。全く考えが及ばない。そんな人にも幸福がありますようにと願うしかない。
上白石萌音の母親が若いのに車いすで介護サービスを利用している。事故にでもあったのだろうか。
生き辛さを共に生きる
何故に評価が…😓
優しさの意味
支え合うことは、心地よいこと
現代日本の抱える問題と、解決への道を温かく描いた映画
この映画良かったなぁ〜と思って監督を調べたら、「ケイコ目をすませて」の三宅晶監督でした。
社会の片隅で見過ごされているけど、確かに存在している問題をそのまま見せてくれて、同時に終盤では希望も見えてくる。
藤沢さんがイライラして他人に文句を言ってくる場面で、つい正論で返して言い合いになってしまう自分の姿を思い出しました。
この場合、正しい正しくないではなくて、一歩下がって落ち着かせるのが正解なんですよね。
山添君がとりあえず洗車をするように誘導して、落ち着かせようとする姿にさりげない優しさを感じました。
エンドロールで社員がワイワイとキャッチボールするシーンが、日本の古き良き中小企業の雰囲気がして、とてもほっこりする。
ラストは大暴投に対して、笑顔で拾いに行くところで幕引き。
この監督の映画は地味なはずなのに、ハッとさせられる場面が多く、何か大事なメッセージを伝えようとする意志がヒシヒシと伝わってきます。
悪い人が出てこない穏やかな時間
とても優しい映画だった。
パニック障害は聞いたことはあるけど、何かあった時にパニックになってしまうものだと勘違いしていたし、PMSというのは初めて知った。
何も知らされずに自分の周りにいたら、山添くんは失礼なヤツに見えるだろうし、藤沢さんは逆ギレか八つ当たりっぽい、関わらない方が楽と思う。
2人のように良き理解者がいるのは恵まれた環境なんだろうな。
そういう人たちが光石さんや渋川さん、久保田さんというキャスティングも良い。
渋川さんホント良い声。
もしかして見過ごしたのかなぁ、お母さんに何があった?冒頭では普通に歩いて迎えに来ていはずなのに。
結末には必要な理由なのだけど、そこが分からないから戸惑ってしまった。
予告編では2人が支え合うラブストーリーなのかなぁくらいな印象で、特に興味を惹かれなかったけど、ラヴィットで主演の2人から映画の話を聞いて観てみたら、予想以上に良かった。
お医者さんの言うとおり、人それぞれだから100点の対応は難しいのだろうけど、こういった人たちへの接し方もざっくり知れたし、グリーフケアにも少し触れていて、地味だけど穏やかな気持ちになる映画だった。
全447件中、281~300件目を表示