「星をたよりに」夜明けのすべて まゆさんの映画レビュー(感想・評価)
星をたよりに
パニック障害の山添君 と PMSの藤沢さんのおはなし。
まだ心を閉ざし栗田科学での環境を不満に思っていた頃の山添くんが、藤沢さんに、パニック障害とPMSは症状が違うと思う と言う。それって、病気にランクがあるってこと?PMSもまだまだだね。と藤沢さんは帰ってゆく。
私はそのセリフがほんっとうにぐさりときた
当事者たちはやはり 自分よがりになってしまうのだろうか
私は2人を同じ視点から同じ距離で見ているから 山添くんを許せなかった
でも、山添くんと藤沢さんは お互いを理解しようとして 力を分け合い 人柄が良くなっていく ふわりふわりと ふたりは仲良しになってゆく
髪の毛を切るシーンは リアルで おもしろかったな。一緒にたくさん笑った。
印象的なシーンがひとつ。
パニック障害を抱えた暗い青年から、人柄の良い青年になりつつある山添くんが、社長と2人で 社長の弟の写真に手を合わせる時。社長よりも長く、目を瞑り手を合わせる。社長は一度目を開けるが、山添くんを見て、また手を合わせるのだ。
社長の弟は生前、星について 好奇心旺盛に研究していた。その資料に心を動かされ、心の栄養を得た山添くんは 社長の弟に心を救われたのだ。それが表れているシーンで、とても好きだ。
夜は夜明け前が1番暗い。
夜明けの光がなければ この世の生命は発展しなかった
夜がなければ周りの生命に気づくことはなかった
夜明けがあるから ひとびとは ひとつひとつを乗り越えることができるのではないか
夜明けを待っている人もいれば
夜が続けばいいと思っている人もいて
私たちの気持ちとは関係なく 地球が自転している限り 夜明けは同じ時間軸でやってくる。
明けない夜はない。
素敵だったな…。
