「相互理解には全人的な愛が必要」夜明けのすべて ジョーさんの映画レビュー(感想・評価)
相互理解には全人的な愛が必要
原作を読んで、パニック障害とPMS(月経前症候群)の男女が、お互いの病気を理解し合い助け合う様がとても印象に残った。男女いや人間は、お互い表面的に見せてる部分で良好な関係を維持しようとしがちだ。裏の部分はなるべく見たくない。その裏の部分で相互理解をするには、恋愛とか夫婦愛とかではなく、全人的な愛が必要なんだと痛感する。
映画では、松村北斗と上白石萌音のキャラが、この相互理解のモードに見事にマッチしていた。
脇を固める、ふたりの職場の社長役の光石研、母親役のりょうらも、そのモードを踏襲していた。
会社という組織においては、なかなかふたりの病気は理解されないだろうけれど、原作と同じくそこを暖かく包みこむ会社の存在があり、とても安らかな気分になれた。
人の痛みに寄り添うこと、人を理解すること大切さを感じさせてくれた、三宅監督の心優しき映像も、いつまでも心に残った。
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