「大袈裟な善意や共感なんて要らないのだ」夜明けのすべて ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
大袈裟な善意や共感なんて要らないのだ
鑑賞をずーーっと躊躇していた作品。
本日本命の「ゴールドボーイ」が面白かったら観ようかな。。と、ギリまで悩んだが、↑が面白かったから観ました。
実は、以前の職場で私が任された新入社員の女の子が「強迫性障害」で、対応にとても!
苦労した経験があります。
(強迫症って言ってたかな?)
本作の主人公が抱えている「生きづらさ」に共通している部分がありそうで、あの時の感情が蘇りそうで複雑だった。
共感出来ないと♪冷たい人〜と言われ
そーお〜♪だし、もし、今の自分も、
否定的な感情しか抱かなかったら。。
自分に失望しそうで正直言って怖かった。
自分の経験上、その彼女については、その症状がひどくなると、不安やこだわりが度を越してしまうから、人間関係や仕事、生活の全てに支障をきたしてしまい、生きづらそうだな。。とは思えた。
だけど。仕事って生モノで。
今確実にやらなくてはならない案件や、会議・打ち合わせなど、時間的縛りがあったり、社外の人への対応など、神経をすり減らす事が多いのに、、
これ以上大変なことを増やしてくれるなよ
( ; ; )と。。
否定的な感情があった事も事実です。彼女も頑なだったし。私も泣いたよ。
そして、本作の藤沢さん(萌音ちゃん)同様、会社にもその事を伏せていたため、周りのみんなも対応に困った。
自分ではど〜しよ〜もない「生きづらさ」と共存している人々に対し、こちらはどんなヘルプが出来るのか。
それを知るためには、当事者からある程度は説明してほしい。
デリケートな問題だから言い出しにくいのは理解する。
だけど、仕事だからね。お金を頂く以上はその分はしっかり働かなくてはいけません。冷たいでしょ〜か( ; ; )
だから、症状が出てしまった藤沢さんや山添君(松村君)に対し、栗田の人々がただただ心配して優しくしていたけれど、やはり、当事者が説明している描写は欲しかった。
こちらも理解したいと思っているよ。
社会の一員としている以上、誰だって皆んな何かしら抱えているし、しでかすし、そもそもが「お互い様」なのだから。。
そして本作が描く「生きづらさ」も、それってその人の個性だからね。
パニック障害、PMS、飛びすぎかもだけど、トランスジェンダーの問題とかも、当たり前に話せる世の中になれば、皆んな生きやすくなって良いのにねと思った。
まぁ、現実には栗田科学の様にはいかないにしても、
(おやつばかり食べてもいられないしw)
職種や環境も違うけど、1人1人が今の自分の周りを見つめ直してみてさ、少しずつ変わっていけたら良いのにね。
私はPMSの症状はないけれど、生理前には無性に何か食べたくなるし、
(藤沢さんのポテチ流し込みもソレ?w)
いつも以上に掃除したくなるし、
(巣籠もり準備?w)
生理中は腰もお腹も痛いし、あの不快感は慣れるものではない。
着る服も気を使うし、それこそ映画も行きにくい。
妊娠、出産は女子がするから、毎月の生理は男子にあげたいわ。
人と比べにいく事だからこそ、生理についてだって、同じ女同士でもかなり感覚がちがうと思う。
生理休暇に否定的な女性もいるもんね。
PMSへの理解が進むにはまだまだハードルが高そうだ。
そして症状が出た時の、自分の心と体が思い通りにならない事の恐怖、薬の副作用など、怖いだろうなと。不安が伝わってきました。辛いよね。
本作を通じて様々な生きづらさを感じている人々に寄り添えるきっかけになれば良いなと思う。
「クジラ」じゃないけど、声にならない声を聞いてあげたいし、声をあげられる環境作りの大切さも改めて感じた。
藤沢さんと山添君の関係性、距離感がとてもよかった。
お互い似たような悩みがある者同士として心の奥で理解し合えていたのかもしれないが、
「そ〜ゆう人」って位のライトな感覚で付き合っていて、悲観的になり過ぎていなかった。
困っていそうだったら声をかける、
辛そうだったら助ける、
当たり前の事を当たり前にしているだけなのに、心に響いたのは、私が人として未熟だからなのかなと反省。。
山添君がはじめてジャンパーを着たシーン、藤沢さん語りのプラネタリウム、山添君の元上司の涙。
静かながらも心に沁みたシーンでした。
萌音ちゃん、村松君の自然体な演技がリアルで良い。
大袈裟な演出がなかったのが効いていた。
私も躊躇して見逃していた作品でした。
たしかに現実は、周りへの説明は欲しいですね〜。誤解を防ぎたい。
でもそれがなかなかなんでしょうかね、まだまだ…
星の話でなんだかじんわりしてしまいました。
身構えず、届きにくい部分に光が窓からすっと入るみたいな関わり、印象的でした。
ゆきさん、コメントありがとうございます。退会してないんですが、ログアウトしてログインしたらシン・talismanが誕生して二つのアカウントの間をウロウロしていました。映画.com担当者さんの的確なアドバイスと後始末のおかげで従来アカウント一つに統一して戻ることができました。お騒がせして申し訳ありません
私は話でしか知らなかった部分を丁寧に書いていただきありがとうございました。実際にそばにいた時のことは(今のところ)想像するしかありません。コメントを書いてくださった日は、映画でプラネタリウムを開催した日でした。記録としてこの日付が残っていて、なんかうれしい気がしました。
今晩は。
素晴らしいレビュー拝読しました。
私にも、一緒に働く女性は沢山おり朝に顔を見てその人の体調を見ている積りですが、ナカナカ女性特有の辛さは分かりにくくって・・。
今作が素晴しいと私が思ったのは、様々な生きづらさに対面している人たちに接する栗田科学の人達の自然な振る舞いでしたね。
私が統べる部署もこのような状況に持って行かないとな・・、と改めて思った作品でした。では。返信は不要ですよ。明日は「ゴールドボーイ」を見るので。
私は感覚的にとても好きな映画だったのですが、実際に対応するとなると、難しいのかもしれないな、というのはこのレビューを読んで感じました。
上っ面の共感より、実際の体験に根差した感想はとても貴重だと思います。
栗田科学は不幸なことがあったからこそ、あのような会社になれたわけで、もし、あそこまでの不幸でなければ、主人公の二人の成長もなかったのだろうと思いました。
こんばんは。
言ってもらわないと分からないし、知らない以上“対等に”接するのは当たり前だと思います。
マタニティマークや初心者マークが存在する理由も同じです。
黙っているうちは、相手(人、会社、仕事など)と本当に向き合ってるとは言えない。
厳しいですし、言いづらいのも理解しますが、仰るとおり“仕事”ですから。
そういった意味では、確かに告白するシーンは欲しかったですね。
栗田科学位の会社だから、会社全体でああいう取り組みが出来るのだと思います。もっと高い利益や効率を求める会社だと、非人間的にならざるを得ない、ここは否定出来ない事実だと思います。現に栗田だって存続には苦慮しているような感じもありました。
又、善人しか出て来ないとの評も散見されますが、内心どう思ってたとしても病気の人に表立ってハラスメント行為をすれば現状命取りです。大企業程そう、表に出てない部分は有るんでしょうが・・告発されても終わりでしょうね。