「栗田科学はほんとにいい会社」夜明けのすべて ジョンスペさんの映画レビュー(感想・評価)
栗田科学はほんとにいい会社
ドラマチックな出来事は起こらない。嫌なヤツも出てこない。それでも山添と藤沢の成り行きを見守りたくなってしまう作品。生きづらさや悩みをもつ者同士ゆえ力になれるのだろうし、光石研や渋川清彦も心に傷を抱えているからこそやさしさを持てるのだろう。
山添の髪を切るくだりや藤沢がポテチのカスをざらざらと口に流し込むシーンなど、北村と上白石の素か?と思えるリアルさがあったのと、中学生のビデオクルーコンビにもナチュラルなおかしみがあった。土砂降りの冒頭から最後は狐の嫁入りという、雨を使った演出もよかった。そもそも星は晴れていないと見えないけど、プラネタリウムではいつでも満天の星なわけで…。
自分は鈍感力があって共感力に乏しいせいか、本作で知ったPMSも最初は生理のイライラぐらいなもの?と思ってたけど、深く反省。タイ焼き買いにいってきます。
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