「3回に1回しかできなくたって、2回は失敗したとしてもいいじゃない」夜明けのすべて 八べえさんの映画レビュー(感想・評価)
3回に1回しかできなくたって、2回は失敗したとしてもいいじゃない
「PERFECT DAYS」の余韻もあり、同日に公開されたクセがスゴそうな時代劇をやめて、こちらを見た。
「障害」と呼ぶのだろうか。心や身体にキズを持つ人たちが、それぞれにお互いを気にかけながらも生きていく、そんな姿が描かれた映画だった。
キズも、問題も、障害も解決しないまま、物語は進んでいく。誰かを救ったり、問題を解決したり、キズを治すというような、劇的なことは起こらない。
しかし、灯りがないわけではない。この映画は夜明けはあると伝える。
隣によりそって、ともに夜明けを迎える、そのくらいのことしかできないのかもしれないけど。ただ、よりそう身体から伝わるぬくもりが、心を温めて、キズや障害や問題や痛みを抱えながらも、前に進もうとする力になることがある。
自信満々の余計なおせっかいが、大失敗に終わったことが、むしろ何かのキッカケになることだってある。
3回に1回しかできなくたって、2回は失敗したとしてもいいじゃない、そう伝える映画だった。
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