青すぎる、青のレビュー・感想・評価
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謎すぎる、謎
最初に流れるBGMが「りぼん」や「ツルモク独身寮」で今関監督と組んだ千住明っぽかったので、「お、これは!」となったが、もちろん音楽担当は違う人だったし、青春映画と思いのほかSFになったりオカルトになったり刑事ものになったりと、唐突に変転していく。UFOや霊や逃亡犯といったキーワードがあっさり放置されて、全編を通してとらえどころがなく、着地点が見いだせなくて不安になる。叔母さんの一件も結局どうなったのかよくわからないままだ。もやもや。
本作では桜島が舞台で、前作は釜石、その前は台湾(長編の場合)とロケ地はやたらバラエティに富んでいるが、一方で風景描写に流されて、観光映画みたいになっている面も拭えない。
今関監督は一貫して女性(少女)を核に据えた映画を撮ってきて、これまで様々な女優をとりあげてきたわけだが、富田靖子のような逸材にはそうそう巡り会えるものではないのだろう。
美しい景色だけでもずっと観ていられる1時間半
鹿児島で2023年2月に行われた特別上映を観ました(本公開版と仕上げ方が違うそうです)
とても美しい映像の映画でした。鹿児島の風景をバックに物語が綴られます。その美しさだけでもずっと眺めていられます。
フェリーが何度も出てきます。船内で提供されているうどんがとても美味しそうでした!そして若手俳優の瑞々しい演技が心地よかったです。フェリーうどんとガジュマルの樹が主役の映画です(笑)ウソです。
謎が謎を呼ぶ90分ですが、何も起こらないといえば起こらない。考えるのをやめて感じる映画かもしれません。不思議で清涼感のある読後感がありますよ。
以下ネタバレを含みます。
主人公(女子美大生)の神秘体験(幻聴、幻覚)それによって起こる幾つかの謎な出来事。それらは亡くなった父への問いかけを重ねることで解決されていきます。たぶん。
この物語には「母親になりきれない」いろんな世代の女性が4人出てきます。女性にとって母親になることは人生の本質的テーマですが、母親になるというのは、子供を産んで立派に育てるということとは限りません。色んな母親のカタチがあります。
なお、主人公はまだその手前にいる無邪気な「子供」。
主人公の亡父は「守り神」のように彼女らを見守り続けます。姿は現さないが父親を象徴するのが大きなガジュマルの樹。ガジュマルの樹の周りで主人公の謎はひとつ、またひとつ解かれていきます。
謎解きが終わったと同時に、主人公の持っていた神秘体験と能力も消えてしまいます。亡き父への問いかけは絶頂に達します。父親は何も教えてはくれない。主人公はついに自分の足で歩み始めるのでした。
というお話かな?
ほかにもいろんな解釈が出来そうです。そこが面白かったです。ひたすらに映像が美しく自然の音も綺麗。
同級生の男子大学生と、意味ありげな警察官が出てきますが、本筋には影響しない。惑わされないように(たぶん)。
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