aftersun アフターサンのレビュー・感想・評価
全44件中、21~40件目を表示
ハッキリさせたがりの私にはちょっと向いてなかったかな…
いわゆる匂わせ映画ですよね?
離婚して離れて暮らしてる娘と過ごした夏の思い出を、父の年齢になった娘がその時のビデオを見ているという設定なのですが、それも何とかチラシで前情報があったからわかる。それがなかったら、え?何なの?的な思いを抱えながら見続けないといけない。父親の悩んでる事も多分ゲイなのかな?ってくらいしかわからない。海に入って行ったとき死んだと思ってしまったもん。(でも娘と別れた後自殺するのかな?
すみません!私には向いてなかったです!も少しわかりやすい映画が好き!
No More
予告編に惹かれたが最後…。この作品、何も起こらないし、面白さがあるわけでも無い、この作品に合わないと、知らない親子のホームビデオを延々と見せられる100分という、もどかしい時間を過ごすことになりました。
この作品に言いたいことは山ほどありますが、説明が無いと言えばサッと片付いてしまいます。何故こうなっているのか、父親のこの行動の意味とは、ビデオに残している理由とは、全て観客に委ねるというかぶん投げているので、その辺でも映画としてダメだなと思ってしまいました。
過去と現代の思い出を行き来する人間ドラマと予告で謳っている割には、現代パートはほとんど無く、親父のヘンテコな動きと、娘の顔面のアップが何度も何度も繰り返されるので、またこれ観るの?という感情が何度もひしめき合います。
親父はきっと旅行前も旅行中も娘を見送っている時も、きっと病んでいたんだろうなと思います。だと思わないと、旅行中の不可解な行動が理解できません。でもそれに対しての描写が殆ど無いので、ただのてんてこ舞い親父にしか見えませんでした。見せ方として間違えてるなと素人ながら思いました。
自分が親になったら、もしくは何か小さなものを守る存在になったらこの作品の見方が変わるのかもしれませんが、現時点では映画館でホームビデオを観た以上の感想は出てきませんでした。んーモヤモヤ。
鑑賞日 6/8
鑑賞時間 20:30〜22:20
座席 C-4
キラキラしたものとモヤモヤしたもの
映像のハレーション、マイクのハウリング、低解像度の映像、懐かしさを感じるキラキラした夏休み。
父親は何でギブスをしているのか、何で故郷に居場所がないのか、何で母親と結婚しなかったのか、なぜ歌は嫌いなのに踊るのは好きなのか。
疑問が当時のソフィーの気持ちとリンクする。
真夜中の漆黒の海。
彼はいつもああいう場所にいるのだろう。
打ち付ける波の音が大き過ぎて痛さと恐怖を感じた。
最後の長めのbye-byeを観ていて不安で仕方がなかった。
父が出て行った扉が病院の扉に見えてしまい、その後の展開を想像し、涙が止まらなくなった。
今となっては父親が分かったところで当時のソフィーには何も出来なかっただろう
少しわだかまりを残す作品でした
「お金がないのにそういうこというのやめて」
娘から父親からのかなり厳しい受け答えである 今作は監督の極々私的な作品であることを想像させるのは、自身の小さい頃、又は監督の父親のその時の両写真が、俳優とソックリであることを観賞後の考察サイトで確認したからである なのでその後の父親はどうなっているのかの状況も確認出来るかも知れないが、敢えてそこまでは知らないでおくこととする
とにかくミニマルなストーリー展開であり、単に離婚で家を出て行った父親とトルコのリゾートビーチでの観光旅行に来た娘の滞在中の出来事を淡々と描く内容である そして父親や娘が撮影する家庭用minidvカメラの映像が印象深く差込まれる そしてその映像を時代を経て当時の父親と同じ年齢(と思われる)になった娘が振り返りながら観賞しているという、懐かしむというには意味が違っている印象の表現を全面を通して進む構成なのだ
実は、今作品の前に幾つか考察サイトを読んでしまった 普段は決してそんな勿体ないことをしないのだが、予告のティーザームービーだけだと、一体この作品は何がテーマなのか読み取れなかったというのが真相である
なので、父親の死の匂いや、希死念慮、鬱的症状等は、先に情報を得てしまったが為に、ミスリードかもしれないと思う程の先入観、フィルターを作り出してしまった 何も情報がなければ、自分はこの若い父親の危うさに気付けたのだろうか?、そもそも単に精神的に弱っている(仕事が無い状態は誰だって参っている)事を気付けてもそれがストーリーの推進力成り得る程の展開があるのだろうかと、不穏さを漂わせる映像をまんじりともせず観賞していたかもしれない観方が正解なのかも知れないと、今でも迷っている
若い父親と思春期に差掛かっている娘 一般的にはその思春期特有の親離れを発動すべきなのだが、どうも娘は父親にそれ程邪険に思わないばかりか、兄妹と間違われる程の若い父親ということを気に入っている様子である と同時にリゾートホテルで知り合う青年達のバカンスの恋愛模様にときめきを感じつつ自分の幼さに不満を抱くというアンバランスさも女の子特有の思春期アルアルであろう
とはいえ、メランコリックさとサッドネスが始終挟み込まれる雰囲気に、当時の娘は気付かなかった筈 親子ならではの遠慮無い言葉に、実は傷つく父親 娘も又裕福では無い事への辛さ、その全てがリゾートという経済格差社会としては勝ち組のみが訪れることを許される世界の中で、かき集めたなけなしの金をそこにベットした父親の最後の子供への養育と愛情なのだというのは、勿論情報が分っていての事だが、しかし厳しい現実に対する容赦ない描き方は、観客に一抹の寂しさを与える
カラオケの歌は歌えない しかし、ダンスは踊ろうと誘う 勿論、娘視点では父親の我儘、しかし、そこには父親の心の変遷があったことは、背中越しの嗚咽に充分確認出来る 勿論娘は知らないところで・・・
そしてラスト、撮影を終えた父親は、ストロボが光り続けるあの野外ダンス会場に消えるシーンは、今作品の一番の白眉である 今迄のリアリズムを、最後の幻想的なシーンでのクライマックスで、娘が父親の本当の置かれた立場とそれでも娘に尽くしてくれた優しさを噛みしめるのではないだろうか?
もう、この親子は再会することは叶わない、その予感を物語の全ての演出で、寂しさを表現した監督の手腕の確かさを感じた作品である
もし将来、邦画リメイクする企画が上がったら、是非追いかけたいと強く願う自分である その際は、大事な挿入歌は、日本の曲で 絶対に当てはまるピースは在る筈だ
さっぱりわからん! でも尊い
思春期を迎えた少女と何か問題を抱えた父親のバケーションということはわかりました。予告ではもう少し不穏な何かを予期させるものがあったのですが、そんな下心は裏切られます。
とはいえ、子供と大人の狭間にいるソフィの佇まいと娘に向き合おうとする父親の映像は尊い。
それ以上のことはさっぱりわからないんですけどね。
寝息を聞かせる程静かで、優しい映画
この映画は構成が複雑で、時間軸もバラバラだし、誰の視点なのかわかりにくいし、物語にあまり関係なさそうなシーンが続いて中々読解力を求められる映画です。
しかし、ストーリーが進んでいくとこの映画は大人になったソフィがホームビデオを観ながら当時を思い出している映画だということに気付きます。ビデオテープをカチャカチャ動かす音やテープを巻き戻すような音が入るのはこのためです。
そうして映画を観ていくとお父さんちょっと様子がおかしいことに気付いてきます。それはこのホームビデオを観ている娘もきっと同じ。例えばお父さんが最初に手首に包帯を巻いていることやホテルの予約が上手く出来ていなかったり、身に覚えのない痣が出来ていたり、夜も寝ないでバルコニーでボーッとしていたり、大人になった今観ると心配で声を掛けたくなります。
しかし当時11歳のソフィには気付けません。彼女は純粋にお父さんとの旅行を楽しんでいます。
お父さんは31歳の誕生日になるということで、20歳で産んだということ。この娘の存在は大分彼の人生に影響を及ぼしたでしょう。お父さんが1人でいるシーンは基本真っ暗で、夜の海だったり、謎のクラブシーンだったり、何か闇を抱えているだろうということは映像のみで語られます。
ここから少しネタバレですが、
劇中に何回か挟まれるクラブシーンは恐らく死後の世界で、最初は何が映っているのかわからないのですが段々とお父さんが映っているのがわかり、粉語終盤では大人になった娘ソフィがお父さんを見つけて抱きしめます。← 良いシーン!!
お父さんとの旅行の最後では思春期を迎えた娘はお父さんとのダンスを拒否してしまいます。← このシーンに流れるクイーンとで デヴィッド・ボウイの「アンダープレッシャー」の使い方が良かった。
夜に真っ暗な海へ入っていき戻らないお父さん。
ラスト。娘を空港で見送り、娘の最後の姿をビデオに収めるお父さん。そして満足そうな笑みを浮かべて暗間のクラブへと戻っていくお父さん。断片的なシーンが多く頭の中で編集して考えないといけないのですが、それはそのまま大人になったソフィがやっていることで、ビデオテープを編集している音が聞こえるのもそういった意味です。シャーロット・ウェルズ監督自身が体験したことが元になった話で監督は30代前半。ソフィの世代であり、私と同世代!20年前といえばiPhoneなんてないのでホームビデオ。色々懐かしい!
同世代が描いた少しワケありな「お父さんとの思い出」
ボール・メスカルはワケあり男の演技抜群だし、ソフィ役の新人フランキー・コリオちゃんは可愛いし、バリー・ジェンキンス製作の効果なのか音楽の使い方も良い。良い映画でした。
ハートの形と色と質
目に見えないものを見る感覚だったなぁ。
作品の内容を知らずに鑑賞したので、勝手にストルゲーの内容だと思ってたから、正直、なんだこれ…と思ったが、ラストシーンまでの流れは秀逸だ。
大泣きしてしまった
大好きな父と過ごしたバカンスの日々。どうやらソフィは母と暮らしており、離婚した父とは久し振りに共にする時間のようです。
ソフィが撮ったそのビデオフィルムを見ているのは、今のソフィ。
途中に挟まれる断片的な映像から、このフィルムを観ているソフィがどんな想いで観ているのか、今だから見えてくる父の姿に何を思うのか、想像せずにはいられませんでした。
空港で隙間から見えるソフィを一瞬も逃すまいと愛おしそうに撮るお父さん。空港を後にするお父さんの、まるで何かを決意したかのような迷いのない足取りに、涙が溢れ出て、大泣きしてしまいました。
余白を味わう映画なのでしょうね。
"こんな父親でごめんね…"な映画
映画レビューを見ると、「嗚咽した」とか「号泣した」とか気になる言葉が沢山並んでいて、filmarksの評価も良い。で、ロッテントマトは96%/81%とかなりの高評価…(2023年6月現在)。
仕事帰りの週末レイトショーは、父と娘の愛の物語に感動してストレス発散!
もうこれで決まりでしょう!笑
で、…笑
ん〜、LGBTQムービーでした笑
正直、苦手なんですよ…。
予告編にはそんな事を匂わせる場面は一切ありませんでした。恐らく、なんだか訳ありな父娘が素敵なひと夏を共に過ごして…という感じでした。ポスター・ビジュアルなんかもスタイリッシュで、爽やかな青春モノかなと…まぁ、青春ものといえば青春ものなんですが…笑
作品は、父親大好きな娘…20年後に、父と一緒に過ごしたバカンスのビデオ・テープを一人見返して、"なにおもう?"
…という作品でした。
レズビアンに目覚めた娘ソフィは、あの日父と過ごした夏、父が言っていた言葉を確かめたくて、ビデオを引っ張り出して来たんですかねぇ?(父親は、故郷にはもう二度と帰らない、捨てたとすら言ってました。そして、別れた妻にはまだ「愛してる」と電話口で告げ、娘ソフィを不思議がらせました)。
しかしながら、この父娘、二人の距離感がなかなかいい感じで、映像の美しさと物語の面白さもあって、実は最後まで結構釘付けでした…なんかひと夏の"出来事"でも起こりそうな、妖しいニュアンスが夏の汗ばむ感触と共に映像に張り付いていたというか…。
日焼けクリームというのは、映画作品の中では、なかなか"変態な"小道具というか、観る側の想像力を掻き立てる何とも"いい仕事"しますなぁ…
まぁ、号泣を期待した分、ラストは結構あっさりとした印象でした…と言うか、こんな回りくどい展開で、"ストーリーの行間"を想像しろ!と観客に丸投げされたら、素直に号泣できましぇん笑
と言うわけで、文化背景の異なるわたしには、何かとストンと合点の行きにくいストーリー設定、物語、テーマの作品でした。
*もう一回ぐらい観たら、面白いのかなぁ?笑
久しぶりに泣いた
前提として
・予告未視聴
・この監督の他作品は未視聴
泣いた。ボロボロに泣いた。最後のシーンで涙が抑えられなくなった。
お父さん、本当は娘に嫌われたまま死にたかったんじゃないかな
けれどどうしても(死ぬため以外には)嫌われたくはないし、だからこそ誕生日の歌で泣いてしまったんだと思う
あの時本当に幸せを感じてしまいそうだったから
未遂の次の日だから余計ね。
父親の最後の思い出がじんわりと離れ離れになっていく感じ。あの時は分からなかった父の気持ちとか葛藤とか……
音楽自体も別に、作品を彩ってるってほどじゃないけど最後の"Under Pressure"で号泣したのも事実
あれは和訳がずるい。逆にいうと和訳がないと泣けなかったと思う
娘が見ることのできなかった父親のシーンがあることによって、この作品はただの現実ではなく映画として成立している。
当然っちゃ当然かもしれないけど、あれがなかったら物語ではない。
思い返しても余韻で泣きそうになる、そんな作品。
余韻
別れて暮らしている11歳の娘と31歳の父親のバケーション。ずっとカメラで撮影していて、反発し合うわけでもなく穏やかな父娘水入らずの毎日で、ティーン達とビリヤードで出会い、娘は彼らとも親しくなって毎日を楽しく過ごすが、父親は何となく終末に向かっているような悲しげな雰囲気。お父さんには何かある、不治の病?などと不安を感じながら2人を見守る。
父親の年齢になった娘が、当時撮ったビデオを見て父親の心境を想像している。ビリヤードの時に兄妹と間違われたように、20歳の時の子どもとはまたえらく若い。複雑な20代だったろうと容易に想像がつく。一緒に暮らしていないようなのに、甲斐甲斐しく娘に日焼け止めを塗ってあげたりと、父親ぶりは立派。
限られた楽しいバケーションも終わりが来て、空港でお別れする。無邪気な娘は何度も父親に戯けた挨拶をする。娘を見送り、父親が建物から出た瞬間、一斉にフラッシュが焚かれた。
つまりこの旅行は収監される前のひとときだったのか?
カラオケ会場で娘が勝手に申し込んだ「お父さんの好きな歌」が、R.E.M?これはカラオケには向かんわ。
こころのなかに生きる
私の心のカメラにのこすから。
どれほど自分といるソフィは幸せを感じていたんだろう。。。
そして、どんなに願っても離れて暮らさなければならないことを理解していることがわかる言葉。
父はそれを胸にしまい、明るく手を振るソフィを見送る。
…………
太陽の熱が白浜の笑い声に降り注ぐ。
プールサイドの潮風が誘うように渡り歩く。
スパを埋めるタイルの異国情緒。
青い空と星の夜を何度も繰り返しながら時間を忘れていく
一年中の明るさを全部集めたようなリゾート地。
11歳の娘と31歳の父のそのままの夏が揺れるカメラ越しにある。
そして時折父や娘をかすめる陰に気づく。
まわりで華やぐ家族たちが過ごすカラッと乾いた陽気なバカンスとは違う何か。
ソフィは今まで通りの天真爛漫で活発な子供のように振る舞いながらも、どこかで父の様子が少しおかしいことに気がついている。
だけど、受けた違和感に反応できるほどに大人でもなく、憂いを帯びた眼差しをたびたび隠せなくなっている思春期の入り口にソフィはいる。
心身ともに大人になり、近くて遠いところにいた親に追いつける日がくることは、だいぶ後になって気がつくことだ。
こどものときにみた姿の残像をつなぎ合わせ、腑に落ちる瞬間が増えていくのはそのサインなのかも知れない。
でもあのときのソフィはなす術もない。
そして、きっとそれでよいのだ。
心のカメラにのこすからという愛おしくも切ない言葉と去り行く笑顔できっと父は報われまた苦悩の底に沈む。
それも、きっと仕方なかった。
……………
父と同じ歳になったソフィが目にする映像は、もう二度と会えない父の思いと幼い自分が抱えた思いが溢れていた。
今だからわかる父がいた最後の夏。
色褪せて傷んでいく紙の折り目とおなじく、過去は1秒ごとに儚く無情に遠ざかっていく。
しかし時を経てひとつひとつを赦し寄り添うことができれば、思い出はこころのなかに生きていくことを知る。
あの輝く太陽の下でソフィの小さな手をやさしく包んだ父が、人として苦悩もしながらも生き、与えてくれた精一杯の愛が永遠になるのだろう。
修正済み
冒頭部分
考察大変
.
第95回アカデミー賞主演男優賞にノミネート作品
概ね見かけるレビューは高評価が多いのですが
個人的にはそこまではまらず…。
.
.
大人になった現在のソフィの状況が
全く描かれていないため、どういう心理状態で
あの夏の日のビデオを見ていたのかがよくわからない。
ただ懐かしむというよりも、映し出された現在のソフィは
物憂げで、悲哀とどこか絶望感を感じました。
.
.
ソフィが抱える苦悩?が、当時、父親が抱えていたものと
似たようなものなのだろうと推測しますが、
全てを見る側に委ねられているので
何が「正解」かがわからず、すっきりしません。
ただ、父娘のひと夏の過ごし方をゆるく微笑ましく
ノスタルジックに描いた世界観は嫌いじゃありませんでした。
断片的ホームビデオ
父娘のバカンスの様子が描かれる本編は、非常に退屈です。
面白い会話も驚くような事件も起きない、何の思い入れもない赤の他人のホームビデオ。
父と同じ歳になった娘が見ている、という設定を知らなければ。
しかし、それを知っていても眠気を誘います。
抑えたBGMに取り留めのない会話、明滅するクラブのインサート、長めの暗転など、ワザとかと思うほど。
カラムへ「11歳のとき将来どうなってると思ってたか」と訊いたり、年上に混ざろうとするソフィ。
ソフィの質問を拒絶したり、時折奇妙な行動を見せるカラム。
徐々にこういったズレが表面化していく。
だらけながら雑誌を捲るソフィと、必死にギプスを切ろうとするカラムの壁越しのカットが象徴的だった。
海の闇へ消えていくシーンは、現実かイメージか、はたまた未来の話か。
何にせよ、カラムは命を絶ち、ソフィは再会することができなかったのだろう。
だが、ビデオ外の一人の姿まで見た観客にすら、その心の内は明かされない。
ソフィは結局、「分からないことが分かった」だけではないのか…
自分に分かるのはこの程度です。
少なくとも、退勤後のレイトショーで観る作品ではありませんでした。
父の記録。娘の記憶。
舞台はトルコのビーチリゾート(行ってみたい!)。父娘のそれはまるで恋人同士にも思えるほどの感情の交感とメランコリックな不穏さを絡ませながらストーリーが展開される。個人的には、どことなくフランソワオゾンにも似た匂いを感じた。
父が撮影した映像が物語る事実に娘の記憶や感情のコンテクスト重なり、二人で過ごした時間が豊かなものとして描かれる。
ただ、記録の中の父と同い年を迎えた娘から感じる悲哀さには、20年の年月に起きた二人を分つ出来事を、つい想像してしまう。
最後に、音楽がBGMではなくて本編にしっかり刻み込まれている、その効果は計り知れないことを付け加えておく。
一夏の親子の思い出ムービーとしか思わない人もいそうだが、、、 淡く...
一夏の親子の思い出ムービーとしか思わない人もいそうだが、、、
淡くて儚くて、繊細でエモーショナルな演出なんだけど、結構えげつない内容だし、メンタル整ってないと食らう人は食らうはず。結構危ういから今しんどい人は見ない方がいいかもしれない。
思いの外、うわ、、、な内容で後からジワジワ来た。明らかな匂わせが要所要所であって、たぶんそうだろうな〜って思っていると、クライマックスで数人泣いていた。彼が抱えているものが何とかハッキリ明示はされない。
娘視点で、わからないものはわからないままに
見たままを感覚的に描いているから対象に入り込むとか、過去のストーリーが説明的に挟まれるとかはない。故に分かりにくさはある。セクシャリティで悩んでいるのかとも取れなくもないが、はっきり描かれていないので断定は出来ない。
親が自分を産んだ年齢に来たり、越したりすると何かしら思うことはあるけれど、あの時の痛みが今になって分かることは、往々にしてある。わからない事実の亡骸だけが転がっていて、後から感情などの理解が追いついた時に、謎がゆっくり紐解けて、亡霊のように残像からストーリーが立ち現れるあの感じ。
あの時は分からなかったし、分かってはいけなかった、けど嫌でもわかる年齢に自分が追いついてしまった。分かりたくはなかったし、分からないままが幸せだった、永遠に記憶は記憶のままに冷凍保存で封じ込めて、思い出の解体はしたくない。そう思ってしまう自分には終始苦い感情体験だった。
偏愛すべき映画
一度でも父親に愛されたことのある娘、
一度でも娘に愛されたことのある父親には
突き刺さってしまうであろう作品だった。
中盤までは意味がよくわかんないし、
終始不穏な雰囲気が怖いのだけど、
ラスト5分で本作の意図に気付かされ、
それを知った途端に溢れる涙が止まらなくなる。
久々に嗚咽レベルで泣いてしまう映画だった。
映画としてとっても素晴らしい
というわけではないと思うが、
私には響きすぎて偏愛してしまう映画。
QueenのUnder Pressureは
個人的に父親との思い出がある曲なので
ラストシーンは余計に泣けてしまった。
人生最後のダンスだってさ。
思い出やら記憶は、時に残酷だよ……。
あと現在のソフィの生活がちょっと気になって、
現在シーンがもっと多くていいんじゃないかと
思ったけれど、ソフィと父親との時間が
あれだけ綿密で細かいからこそ、
その全てが愛おしく思えるんだよね。
全44件中、21~40件目を表示