aftersun アフターサンのレビュー・感想・評価
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楽しかったけど悲しい思い出
久しぶりに余韻のある映画を見たと思います。
自分が親と同じ年齢になった時、初めて理解できることと、やっぱり理解できないこと。
自分が子供だったときの、無邪気で楽しかった思い出と、後悔の気持ち。
自分の中の思い出と感情を、この映画を通して回顧すると、さらに味わいは深まります。
This is our last dance
自分が子供に帰り、親が自分に乗り移る。子供が親に成長し、自分と重なる。世代をワープするような感覚にとらわれ、互いを許しあいひとつになる。ただ涙が溢れ出る。
娘を愛して
若い頃にできた11才の娘との旅行に行く父30才。
念の為前妻に電話しておく。
右手にギプス、ケガするような危険な肉体労働か。
カメラとビデオを持って思い出に残そうと。
娘に護身術を伝授する父親。
若いけれど心配する気持ちに年齢は関係ない。
日差しが眩しいトルコの観光地。
狭いロビーのあまり高くなさそうなホテル。
手違いからかダブルの部屋しか無く、
サイドベッドを入れて貰い父が使う。
娘は躊躇なくデカいダブルベッドに寝て
父は、小さなベッドで身体を縮こませて眠る。
父との再会を喜び屈託なく楽しんでいる娘。
プール、ビリヤード、
まだ若い父も久しぶりの再会を
楽しんでいるかと思えば、なんか暗い。
知人との事業の話をし、
ロンドン郊外に家を買う、君も来ないか。
娘にも誘っているのにまた暗い顔。
楽しみのディナーだったのに、
財布忘れたからか二人で逃亡してしまう。
エンゲージという言葉に期待する娘の言葉にも
返事しない。
楽しんでいるようで心ここに在らず。
また、40歳なんて想像できない、と呟く父。
踊っているモノクロフラッシュの映像❗️
娘が聞いた 落ち込んでいる時無い? に
グッと来てしまう父。
肩しか映らない映像。荒い息遣い。
何を動揺しているのか。
髪を編んで飾りを付けてちょっとオシャレに
なって得意なソフィ。
絨毯屋で選んで値段を聞くと850ポンド。
娘はプールバー、父は太極拳。
父は絨毯買ったよう、記念かな。
ビデオ撮りつつ、
娘から、
自分と同じ11才の頃、
パパは将来何してると思った?
何になっていたと思う?
と聞かれてごまかす父。
部屋のベランダで
何を考えているのか?父。
ソフィに聞かれてスコットランドの家には
帰らない、と断言し、
生きたい場所で生きろ、なりたい人間になれ、
と言う父。
父はそうできなかったのか。
またモノクロフラッシュ❗️
ベランダの手摺りの上に立って手を広げる父。
何をするつもりか。
プールサイドで、娘にオイル塗ってやる。
タイトル❗️通り。
最後の数日だ、楽しもう、と声かけする父。
ディナーショーで、
なぜビキニ着てる?と心配する父。
スクール水着なら安心なんだな。
司会、カラムたち呼ぶが、ソフィだけ歌う。
ソフィにお金も無いのに、と言われ黙る父。
しばらく何も言わずに先に帰ってしまった。
部屋でビデオを観て外へ出て拾いタバコする。
部屋の鍵忘れたソフィ、部屋に入れずやむなくロビーに。
父は暗い海に行っていた、何をするつもりか。
ソフィ従業員に開けてもらい、部屋の中に
やっと戻れた。
父はソフィのベッドに寝てしまっていた。
苦しんでいる父の顔が浮かび上がる
モノクロフラッシュ❗️
現在のソフィだろうか?
足元には父がトルコで求めた絨毯が
敷かれている。
パートナーとの生活。
ツアーの日、父の誕生日。
バスで父にハッピーバースデー❣️と。
ソフィ祝う。
二人で太極拳して
クレオパトラも使った泥の池で
泥を塗りたくり合う二人、幸せそのもの。
ゲームで知り合った男の子とキスしたこと言う。
同年令ならいいか、と父。
遺跡で参加者に頼みまくって
皆でお祝いの歌、大合唱❗️
なのに裸で嗚咽しつつむせび泣く父の後ろ姿。
そして、ソフィへのメッセージ、
💕ソフィ愛してるよ、忘れないで、💕
最後の夜、お金ないからかソフィーの分だけ
パフェ頼んだのかな。
記念のインスタント写真撮ってもらった。
いい休暇だった?と聞く父。
もっといたい、とソフィ。
踊ろう、とはしゃぐ父。
モノクロフラッシュ❗️
抱きしめる父、
モノクロフラッシュ❗️
歌も、最後のダンス、と。
空港でソフィと別れる父。
ビデオで11才の自分を観ていたソフィ。
ぐるっと回ってソフィを見送り、
ドアの向こうに消える父。
ソフィはこの時の父と同じ年の誕生日を迎えるに
あたり、父のことを思い出したのだろう。
この年以降の父の思い出や姿は無い。
ソフィとの旅行以後、亡くなったのか。
父が買った絨毯とこの旅行のビデオがソフィの
手元にあるということは、父亡き後手に入れたのか。
それとも、愛するソフィとの旅行の記念に
ソフィへのプレゼントだったのか。
笑顔の合間に見える父の苦悩。
亡くなったのは‥‥。
カラムが出たドア周辺から飛行機には乗らずに出口に。
トルコに住んでいたようにとれる。
スコットランドの実家には帰らないと
決心するほどの何があったのか。
ソフィに好きに生きろ、と言うあたり自分は
がんじがらめで逃げ出したのか。
10代で家を飛び出し一緒になった女性とは
娘をもうけるも別れて暮らし最後の再会。
何を悩んでいたのか。
娘がいるオラとしては共感シーン多数
レンタル110
準新作ながらキャンペーン価格
ホエールとどっちにするか迷ってこっちに
娘がいるオラとしては共感シーン多数
オヤジの誕生日を祝う娘のサプライズ
ラストの空港
ただ 期待したほどではなかった
ちとわからぬシーンもあった
海に入るオヤジ
てっきり…結果よかったのだが
娘は同性愛者 いいのだが必然性があるか
他者のレビューで理解を深めるのだ
じわじわと襲い来る「記憶」
私の場合、見た直後はポカンとしてしまい、「え、、、これで終わり?」となってしまったので、初見で感動は全然できなかった。
映像綺麗だねー女の子かわいいーくらいのもんだった。
全然逆張りとかではないんだけど、所謂シネフィル人気系の映画っていうのはどうも鼻につくことがある。
そんな感じで全然評価しないレビューも書いたんだけど。
何故か数日間この映画のことが頭に纏わりついて忘れられず、何かの呪いのようになっていた。
この映画を評価できない私は見る目がないのだろうかと落ち込んだりもした。
でも、ふとしたときに違う感覚が襲ってきた。
あれは映画じゃなくて記憶そのものだったのでは。少なくとも今までの私が知ってる「映画」ではなかった。
記憶というものは厄介だ。変に美化されていることもある。とてもパーソナルなものだ。だから他人の記憶をそのまま盗み見てい…続きを読む
カットバックで時空を行き来する
とても悲しいと思うし、
愛にあふれた温もりも感じる。
誰かにおすすめしたい訳でもないけど、
映画として視覚的にも脚本としても
残る作品。
いつだったか
短編でオスカーを受賞したCURFEWが大好きで、
ちょっとシンクロするところがあるように感じた。
大人のソフィが思い出す記憶は鮮明で、
実際に残っている映像はザラザラで粗い。
この2つと、現在のソフィ、現在に存在する父の跡形を
カットバックをはさみながら重ねていく
父と娘の数日間。
家族を思うとき、
色々あったはずなのに、
思い出すのはいつも同じことだったりする。
何の遮りもなく互いだけに向き合った瞬間があれば
過去や未来のあれこれも全部包みこむ
引力となって、
ずっとつながっていけるのかもしれな…続きを読む
記録と記憶と想像が織り込まれている、と理解して観るべし
11歳のソフィは離れて暮らす31歳の父カラムと、夏のトルコ旅行へ。プールや海で遊んだり、ゲームセンターで同年代の男子や、少し年上の男女らと知り合ったり。ビデオカメラで父を撮影したりして、楽しく過ごす。31歳になったソフィは悲しい様子。
時折カラムの不穏な様子が挿入されるも、楽しそうな他愛もないシーンが続きます。少し理解に苦しむところもあって、アート系かなと思いました。ただ、ビデオの記録とソフィの記憶に加え、彼女の想像と後悔も織り交ぜてあると知って納得できました。そして、君は悪くないと慰めたい。
娘が想像する父親の葛藤と、娘自身の葛藤
娘11歳と父31歳という年齢設定が、この映画の醸し出す不安定さを方向づけているような気がした。
娘のソフィは、聡明でビリヤードも上手いが、歌は上手くなく、水にも潜れない。年下とは交じろうとはせず、誘われた年上たちのグループの中では疎外感を覚える。そんなあやふやな思春期の入り口の年代として、11歳というのはピッタリくる。
対する父親のカラムは、ビリヤードで出会った若者にソフィの兄に見られる程若いが、自分が父親であることをソフィにも自分自身にも言い聞かせているかのように振る舞うあたり、若くして父になった寄るべなさが漂って、31歳というのが自然に収まる。
描き出される映像は明るく、美しい。また、バカンス期間でもあるので、出来事は日常を離れた優雅な特別感でいっぱいだ。それなのに、全編ずっとずっと不穏な空気に満ちている。
別れた妻との電話で「監視」などという言葉が出てくるわ、そもそも始めからギブスしてるわ、ベランダの柵の上に立つわ、一人で高い所へ行ってしまうわ、娘を置いて入水しようとするわ…等々、気持ちの不安定さを必死に隠そうとして、隠しきれていないカラムが、観客を落ち着かなくさせる。
でもこれは、あくまでも、20年の時が経ち、31歳になったソフィが、残されたビデオテープから想像するカラムなので、実際はどうだったのか本当の所はわからない。そもそも、20年経って、やっと当時のビデオテープを見られるようになったということかもしれない。はっきり描かれてはいないが、カラムはこの後すぐに亡くなったのだろう。娘との旅行の間は踏み止まれたことが、1人になった途端に…、そんな気持ちにさせられてしまうラストだった。
それに対して、ソフィは、カラムとの抱擁の後、彼をつき飛ばす(ように自分には見えたが…)ラスト前のダンスシーンの表現から観て、自分は生きるという決意をしたのではないかと想像する。
そう考えれば、希望が残る終わり方と言えないこともないが、自分にとっては、割り切れない思いが残った。(全然タイプは違うが、夜明けのすべてを観たばかりだからかもしれない)
すごい余韻
離れて暮らす父と娘。娘が11歳の時の最後の旅行。思春期を迎える娘、反抗期もあり、コレが最後の旅行だったのかな?と思っていたら、、、なんか違うぞ?
いくら宿泊先のホテルとはいえ、夜、娘を残して1人で部屋に戻ったらいけないよねパパ。でも、きっとパパはその時はもういっぱいいっぱいだったんだろう。1人で海に行き、肩に怪我をして、戻って、裸で寝てしまったんだろうね。
観終えた後で、パパの後ろ姿や影だったり、反射だったりの場面が多かった理由が、納得。はっきり言葉にも映像にもしないで、あの表現の仕方、すごい。すっごい余韻、いつまでも悲しさが残る映画。
もう一度観たら、もっと良さがわかるだろうな。必ずいつか観よう。
レビュー見てやっと分かる真意。
離婚して、母親と暮らす娘ソフィが父親とトルコにバカンスに思い出旅行をする。
その旅行をビデオに撮りながら楽しく過ごす・・・というもの。
単なる父娘のホームドラマだと思っていたら、父親は鬱系で不安定。
バルコニーに立っていたり、腕?を負傷したけど記憶が曖昧、最初からの腕のギブスも訳ありぽい。
そのことに当時の娘は気がついていただろうか。
ソフィが父親と同じ年齢になってビデオを見返しながら父親を回顧する。
ソフィも自分のジェンダーについて悩んだり、思うことがあるのかもしれない。
こんなに想像と考察が難しいのは久しぶり。
結論としては、あまりハマらなかった。
噂に違わぬ名作でした。
父親と娘のラストサマーバケーションをホームカメラアングルを多用して淡々と進んでいく。ある意味で本当に父と娘のラストバケーション。自分も重度の鬱経験者であり、同じ年頃になる娘を持つ身としてはエンディングのダンスシーンと最後の見事なカメラパンからの混沌のクラブへと吸い込まれて行く父親のラストシーンでは涙腺が崩壊しました。今の愛おしさを噛み締めて出来る限り大事にしようと考えさせられました。しかしA24の作品は独特だなぁ。大好きだけども。
大切な思い出
記憶を映像で表現するとこうなるのか。
一番強烈に残っていること、ああ!そういえばあの後あの子がやってきて・・・でどうなったっけ?お父さんあそこにいたんだっけか?とか、やけに鮮明に覚えていることもあれば時系列がめちゃくちゃになっていることも、途中々々はもう適当な記憶で埋めてしまって、あ~楽しかったな〜あのホテル、みたいな。少し悲しいその後があったのかもしれないが、とにかくあの父親と過ごした夏休みは大事な時間だった、てどういう経緯で手にいれたか分からないがビデオを見ながら思い出していく彼女の思い出をいっしょに追体験する作品。
何故好きだよと
父が亡くなった時、それまで今までの彼との記憶が薄れていって寂しくなるのではと思っていたが違う事に気が付いた、あーこれから新しく思い出が増えていく事が無くなるのだと。
さて、この作品だが他の人のレビューを見て成程と思ったがなにしろフラッシュ映像が私の目に辛く何が起こっているのか分からなかった。最初から星印の高さからそういう展開の話と思って見たのだが、んー何?映画で二回も見ないと分からないなんて映画館で見るのもタダでは無いし、時間もかなりかかる。楽しい映画でも無いしそれはどうかなぁと。低めの評価で分からんやつはわからん!と言われても分からんものはわからんので
パパ、いつまでもいつまでも大好きだよ
31歳の若い父親と11歳の大人びた娘。
ひと夏をトルコのリゾートで過ごす。
それをあの時の父と同じ31歳になった娘が思い出す…。
それだけだったらとってもノスタルジー掻き立てられる。
が、製作はA24。なかなかにストレートではない。
まず、良かった点。
本作でアカデミー主演男優賞にサプライズノミネートされたポール・メスカル。
父カラム。娘とは友達のような優しい父親である一方、夜娘が寝て一人になると…。複雑な心情や役所を繊細に。『トップガン マーヴェリック』のトム・クルーズを押し退けてノミネートされたのも納得。
圧巻だったのは娘ソフィ役のフランキー・コリオ。
オーディションで選ばれ本作でデビュー。それもさることながら、本作はなかなかに難解。しかしそれを充分理解したように役になりきっている。ナチュラルな演技は言うまでもなく、末恐ろしい…。
本作で長編デビューのシャーロット・ウェルズ。詩的で叙情的な演出や映像の美しさは忘れ難い。
本当に本作は若い才能が集結した珠玉の秀作と言えよう。
作品のクオリティーには異論ナシ。
が、作品の中身自体については…。
先ほどもちらっと述べたが、本作、なかなか難解なのである。
ストーリーはあるが、あってないと言うか、感情移入や引き込まれるような万人受けするような話でも作風でもない。
断片的な描写、説明も皆無で描かれる。
まあ本作自体、大人になった娘が記憶を頼りに“あの時”思い出すという構成。
だから作りは作品を的確に表しているのかもしれないが、ストレートな話や感動を見たかった人には期待外れかも…。
なので、作品のほとんどを推測や憶測しなければならない。
まず考えられるのは…
何らかの理由でカラムは奥さんとすでに別れているであろう。
若くして父親となり、苦労も多いのであろう。
娘とはなかなか会えない。久し振りの父娘水入らず。
娘を喜ばそうとするが、失敗続く。それに対し、自責。
一人でいる時に見せる苦悩の姿。
おそらくソフィは、当時は分からなかったのだろう。パパ、何を悩んでいるの…?
父と同じ歳になって、少しは気付いたような気がする。
私はパパの父親としての顔は知ってるが、一人の人間としての内面は何も知らなかった。
自分はいい父親だったか…? いや、ダメな父親だった。娘に何もしてやれない。自分を責めるならまだしも、時々娘にも当たってしまう。本当にダメな父親だ…。
今なら、そんな事ないよ、と声を掛けてやりたいが…。
これも推測だが、おそらくカラムはすでに故人。
この旅行が父と会った最期だったのではなかろうか…?
あの時の父と同じ年齢になり、何かの拍子に父と最後に過ごしたあの旅行を思い出し、ビデオカメラを回す。
そこに映し出されていたのは…
楽しかった旅行の思い出。
無邪気な自分と優しいパパ。
時折時折、父親が見せる苦悩。
そして忘れはしない父親への愛。
パパ、いつまでもいつまでも大好きだよ、と。
家族のビデオ
父と子のひと夏の思い出をビデオに取る。二人の演技がとても秀悦で、とても自然体な演技。まるで自分の家族のビデオを見てる様な錯覚さえ感じる。プールでの思い出が強く心に残る。
ポールマスカル初見、なんて繊細な演技ができるのだろう、本当に自然体で、もっと沢山の作品見てみたい。
子役の演技?とは言えない、素晴らしい演技に魅せられ、余韻が残る作品。
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