「観客に全てが委ねられたドキュメンタリー風作品」aftersun アフターサン ぞのさんの映画レビュー(感想・評価)
観客に全てが委ねられたドキュメンタリー風作品
キラキラ眩しいような、感傷的で物悲しいような不思議な気持ちになる作品でした。
父の悩みも現在の状況も全てが観る側の想像に委ねられる余白だらけの作り。
私自身、父とは疎遠になっているので、
少しソフィの心情に重ねながら見てしまいました。
おそらく、本作の父カラムは既に亡くなっていると想像しますが、
まだ若い父の年齢に自身の年齢が追い付いてしまうのはとても切なく、あの時もっとできることがあったのではと後悔してしまいそうだなと思いました。
私自身は父と疎遠になって随分経ちますが、本作とは違ってまだまだ元気でいてくれているようです。会えなくても、どこかで元気に生きている、それだけで心が救われているのだなと改めて思いました。
映画というよりもドキュメンタリーのようで、鑑賞中も個人的な体験や心情をたくさん思い出しながら観ていました。それらも含めて見る側それぞれの中で本作が完成されていくような感覚があり、映画の作りとしても新しさを感じました。
また、カラムの「何でも話していいんだよ」という言葉がとても素敵で、
こんな風に言える親になりたいなと思いました。
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